August 01, ’01
今朝も朝日を拝む。Nは柏手を打って参拝していた。大自然の説明しがたい大きな力を感じ、自然にそのような気になったのだろう。
今日はボナヴェンチュア島へ行く。
ホテルのフロントで船の切符を買う。
先回は波止場近くでお弁当(サンドゥイッチやジュースなどのパッケージ)を買ってから船に乗ったが、今はレストランもあるというので手ぶらで小ビンの水だけ持っていく。一番の船は9時に出るのでそれに乗ることにした。今日も快晴。
9時の船が目的なので朝食は常識的な時間に取る。波止場まで20分位緩やかな坂道を下り、着いてみると既に人々は列を作って待っていた。いくつかの船会社が島へ往復しているらしく、切符を見せると「あの船」と波止場の一番先にある船を指示された。
船はペルセ岩の近くで速度を落とし、街とは反対側のつまり岩の裏側を見せてから、ボナヴェンチユア島の廻りを北側から廻って行く。時々速度を落とすのは海に或いは海岸にあざらしが見えるからで、その都度歓声が上がり、各種カメラが活動する。スピーカーを通して聞こえる説明が時には乗客の歓声やその他の雑音に邪魔され聞き取りにくい。
やがて、ペルセの街からは完全に反対側になるカツヲ鳥のコロニーが頭上に見え出す。切り立った崖の上に集団生活するこの鳥は夫婦仲の良さで知られる。全身は白いが顔から首にかけて薄いオレンジ掛かった黄色で、翼の先が黒い。背後で誰かが「イェロー・ヘッド」と言っていたがそのような別名があるのかもしれない。
ボナヴェンチュア島に着くと、先ず英語とフランス語のグループに分かれて説明を受ける。降雨量が少なかった今年は島も乾燥していて、発火の危険を考慮してトレィルの殆どが閉鎖になっていた。コロニーまでは真中の道を通って行けるが、他の道は途中までは行けるが通り貫けられない。
この道をあけてあるのは万一の時には車が通れるからなのだそうだ。車といっても太い小さい車輪のついた芝刈機みたいな車で、トレィルの途中でゴミ袋を運んでいるのとすれ違った。
島に入るためには使用料を払わなければならない。街で買って来た人達もいたが、大抵は切符売り場に並んで買っていた。私達も列に加わる。
少し登り気味の道を行く。6年前は6月だったのでゴゼンタチバナが盛りだったが、今回はもう実になっていて、早いのは赤く大きいが、まだゴマ粒程度の小さいのもあった。何故そんなに差があるのか知らない。日当たりの良し悪しで決まるのだろうと勝手に納得。ツバメオモトも未熟ながら青く色付いているのが多い。野生のホウセンカ(ツリフネソウ)も咲いていた。
登り切ったかな、と感ずるのは松林に入った頃で、その辺りから緩く下りになる。陽射しは暑く、汗ばむ。ほのかに鳥の臭いが感じられ、そしてコロニー。
6月に来た時は感じなかった蚊のような蝿のような蟲がワァンワァン襲って来るので、ゆっくり写真も撮れない。それでも何枚かは物にした。
Nはカツヲ鳥の仲の良さを表わした仕草を写真に収めたいと意気込んでいたが成功しなかったようだ。2羽の鳥が嘴を太刀の打ち合いのように合わせる仕草で、土産店頭に並んでいるカツヲ鳥はみんなそれを形取っている。
蟲に追われるようにコロニーはそこそこにして戻る。レストランに入るほど空腹でもないので船着場近くの小さな砂浜に下りて休む。靴を脱ぎ水に入ってみたら、なんと冷たいことか。氷水のようだった。この砂浜からはカヤックのレッスンも行われているらしかったが、カヤックが一艘置いてあって、その番をしているらしい潜水着を着た若い女性が泳いでいた。ああ言う服装だと冷たくないのだろうか。冷たい水に慣れているのかもしれない。
帰りの船は真っ直ぐペルセに向かうので早い。
Nがお土産店に寄りたいので、少し歩き回るが、暑いのでアイスクリームを買って食べながら一旦ホテルに戻る。夕食にはまた出直し。今晩は「ルージュ・オマール」つまり「レッド・ロブスター」で行列に並んだ。
August 02, ’01
今朝は曇っていて朝日は拝めなかったが、二日も続いたのだから幸運だろう。列車は午後なので、午前中はスーツケースをフロントに預けて街に出た。街の一番目立つ大きな教会を訪ねたり、お土産店を見て廻ったり。
昼食は浜辺でサンドイッチを、のんびりと海をみながら。この次海を見るのは何時だろう。そしてどこの海を見るのだろう。
タクシーは朝のうち頼んであったので、時間には例のフランス語だけの女性運転手が来てくれた。駅へ行ってみるとあの子沢山の家族はもう来ていた。日本人夫妻は見えなかったので、次の列車まで後二日滞在するのかと思ったが、ガスペから乗ったらしく、列車が着いてみると既に車内にいた。私達とは逆な行程を取ってタクシーでガスペに行ったわけだ。
相変わらず子ども達は賑やかで、車内を走り回ったり大声でしゃべったり。
また寝にくい夜を過す。
August 03, ’01
列車がかなり遅れたのでモントリオールでの乗換えが心配だったが、とにかく間に合った。座席は前後になったが、私の隣席になった若い女性が変ってくれたので並んで座れた。
トロントにつく頃は30分以上遅れていて、このような時は、次に利用する列車の料金が半額になる。そのアナウンスがあったので、もう何処へ行こうか考えている。有効期間は6ヶ月以内だけど。
予定のバスには乗れないから、Nが付き合ってくれ中華街で夕食を取って帰ることにした。
こうして6日間の休暇は終り、「地の果て」と言う名の半島は再び遥か彼方の思い出の地となった。(おわり)
素敵な写真と文章、いつも覗いて楽しんでいる私。居ながらにして写真の中にこの身を置き、旅をしている気分です。
次ぎは、どこにいかれるんでしょうか??
機会があったらガスペにも行きたいです。
北の国です。水も冷たい。ペルセにコッテージを持っている人が8月に入ったら寒いよ、とよく言ってました。
Sakuraさん、
往復の時間が長いので、ナンカ外国へ旅しているような錯覚さえ起こしていました。
Sakuraさんのブログの盆踊り涼しそうですが、実際は?
お宅を訪れた序に、「いい愛茶房」さんへのリンクもさせて戴きました。
lignpontoさん、
また、気が向いたら、以前の旅を公開します。私にとっても、ガスペのフォリヨン公園、一度行きたい所です。海の方からサワリだけは経験しましたが。。。
りこさん、
お疲れ様でした。楽しんでいただけたのは良かった!!!
こんなに同行者が大勢居たとは。。。嬉しい限りです。
夕日は落ちるの速いですからね・・・とても良い写真です。
友人のNが柏手を打って拝んでいたのがこれです。
本当に神々しかったです。写真には十分にそれが出ていない気がします。
風さんだったら、きっと特技を発揮しておられたでしょうけど。