★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

ナイアガラ・グレン

2005-04-20 20:27:53 | ナイアガラ・グレン
カナダには季節は二つしかないと言われています。
冬と夏だけ。それほど春は短く花の季節も慌しく過ぎてしまいます。
長い冬がようやく終わって、あァ春だなァとホッとした頃はもう夏になっているのが毎年のことです。だから春は大急ぎで楽しまなければなりません。
そんな四月半ばの土曜日、ナイアガラ・グレンに行って来ました。
ほぼ8千年くらい昔この辺りにナイアガラの滝がながれていたのです。侵食のため欠け落ちた巨大な岩が乱雑にころがり、その上に草や木が生えています。ここだけの独特な気候を持ち20度もある日でしたがグレンの中にいる間はあまり暑さも感じません。
木々の新芽にはまだ早く太陽を遮るものが無いので明るく夏や秋とは少しばかり趣が違いました。
地質学を専門に勉強したブライアンの企画による遠足の一つで、ナイアガラ川流域の地質を学ぼうと言うのが主旨でした。私は地質についての質問もあったので参加したのですが、同時にもうそろそろ春の花が咲き始める頃と思ったからです。
参加者はダグとフレッドという二人の男性、それにロリという20歳前後の娘を連れた夫妻と私の6人、計7人です。
ダッファリン島の駐車場から滝まで歩き、その後グレン(峡谷の意)に移動してウインターグリーン・フラットと名付けられた公園で、ベンチがまだ設置されてなかったので石垣に腰掛けてお弁当を食べました。
いざグレンに降りていこうと言う時になってロリのお母さんアイリーンが恐くて階段を降りれないと言い出し結局ロリの両親を除いた5人だけで行きました。
私もこの階段が恐くてとても苦労したのです。鉄格子の下方が透けて見える下段を80段降りなければなりません。10段づつに区切って折り返しにしてあるので目を瞑って、或いは空を眺めながら10歩づつ降りること8回。私はこれを繰り返すことであまり恐がらずに降りられるようになりました。
この「難所」を過ぎてしまえば、後は「やはり来て良かった」と言うのがナイアガラ・グレンなのです。
私が最初に見つけたのはWild Ginger(Asarum canadense){Sovag^a G^ingibro}、野生の生姜です。まだ蕾でした。が、ちょっと日当たりのよい野生の生姜が群生している所では満開の花が幾つもありました。
暫らく歩いて白い花が目に入りました。Bloodroot(Sanguinaria canadensis){Sangaradiko}、日本名は判りません。私の辞書には「ケシ科の植物、根が赤い」としか出ていないからです。
間もなく、Hepatica(Hepatica Americana){Hepatiko}雪割り草、日本ではミスミソウとも呼ばれている花も見つけました。貧弱ながらDutchman’s Breeches(Dicentra cucullaria){Pantaloneto de Nederlandano}も咲いていました。これも私の辞書では「ケマンソウの一種」としか出ていません。
ちょっと足元の不確かな急斜面でフレッドが頭から先に転んでしまうという事故がありました。サングラスの柄が取れ、鼻の峰をすりむいてしまい、直ぐ後にいたロリが世話を焼いてくれましたが、かなり痛かったしショックでも有ったのでしょうそれ以後のフレッドはすっかり無口になってしまいました。
ここはナイアガラ川の途中ですから川にも降りていくことが出来ます。魚釣りに来ている人を何人も見ました。私たちは川べりまでは降りませんでしたが、私がこれまで一度も行った事の無い断崖脇の急な坂道を地下水が流れ出ている所まで下りたりしました。この辺りの川の流れは激しく落ちたら「第一巻の終わり」です。そんな訳でこれまでは避けて通っていた所でした。
ブライアンが見せたかったものの一つはポットホールと呼ばれる岩に開いた穴です。小石が川の流れに翻弄されて岩のわずかな窪みを転がっているうちにその窪みを大きく広げてしまった結果できる穴で、ここナイアガラ・グレンには三か所にあります。ジャイアンツ・ポットホールはデブの大人が簡単に通り抜けられる大きさです。もう一つは普通サイズの大人が通り抜けられます。最後のはツイン・ポットホールと呼ばれ擂り鉢くらいの小さい穴が二つ並んでいて、底は抜けていないので落ち葉がいっぱい詰まっています。この近くにはまだ幾つかのポットホールがあります。浅かったり、半分欠け落ちてしまったりしてはいますが。
こうしてほぼ三時間歩き回ってきました。とても良い運動です。十日後には私の企画で日系人を募って歩きます。それまでにはまた新しく別な花が咲き始めるでしょう。楽しみです。

写真はジャイアンツ・ポットホールと急流を眺めている一行。クリックして下さい。



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1 コメント

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Unknown (glimi)
2005-04-21 08:17:18
良いですね、行ってみたい!



前にベルン(スイス)に行った時、美術館の後ろに崖を下る細道を見つけました。木の枝に捕まり木で作った階段を5分ほど下りたら、とうとうと流れる川に出ました。両岸が散歩道になっていて時々走ってくる人も見えなした。

 こんな所へ好奇心で下りて来る日本人観光客ははいないだろうと思いながら、素敵な時間を持ちました。
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