さて、回数が凄いことになってきた第496回は、
タイトル:木星買います
著者:アイザック・アシモフ
文庫名:ハヤカワ文庫
であります。
お馴染み、アシモフの短編集。
なんと二十四編もの短編が収録されており、しかもそのすべてに作者自身のお喋りがくっついています。
例によって一つずつ解説を……といきたいのですが、全部書くととんでもないことになるので、お気に入りの作品をいくつか紹介するに留めます。
『バトン、バトン』……独善的で横暴なオットー伯父さんが出した難題。それは、過去の物体を取り寄せる機械を使って、金儲けをしろというものだった。弁護士の僕は、伯父さんの脅しに屈して知恵を絞るが――。
ユーモアの大家、と呼ばれるべく、アシモフが書いたコミカルな一品。無茶苦茶な性格のオットー伯父さんと、常に逃げ腰の主人公の会話が楽しい。オチもなかなか。
『猿の指』……SF作家マーミーとSF雑誌の編集長ホスキンズは、原稿の一部を変更することについて、激論を戦わせていた。話の最中に、マーミーは一つの賭けを持ちかけるが――。
小説を書く猿、と、それを巡る人々を描いた喜劇。洒落のきいたオチがいい。ちなみに、ここの小説家と編集者の論争は、現実にあったものをモデルにしているらしい。やはりと言うか、当然と言うか……。(笑)
『空白!』……タイムマシンの開発者バロン博士は言った。時間は不変である、故に、タイムパラドックスは起こりえないと。ポイントデクスターは、半信半疑で時間のエレベーターに乗り込み、未来を目指すが――。
ブラックなタイムトラベル物。編集側からタイトルを指定されて書いた作品らしいが、上手く使っていると思う。『永遠の終り』以前にこういうこともあったかも知れないなぁ、とか考えながら読むと面白い。
『木星買います』……異星人は莫大な報酬を提示して、木星を買いたい、と申し出た。彼らはしきりに、ラムベリーという存在を引き合いに出し、意地でも木星を手に入れようとするのだが――。
不穏な始まり方ながら、実はユーモラスなオチの付いている作品。木星を買ってどうするのか? ラムベリーとは何なのか? 真面目に考えれば考える程、オチでこけることになる。(笑)
『雨、雨、向こうへ行け』……お隣に引っ越してきたサッカロ家の人々はちょっと変わっている。いつも空ばかり見て、少しでも曇っていれば、決して外に出ないのだ。それには理由があって――。
ショートショートの王道とも言える、ショートホラー(何じゃそりゃ?)。無茶苦茶な話だが、これだけ短いと、細かいことは考えなくてもいい気はする。
他にも沢山あるのですが、とりあえずこのぐらいで。
どの短編も適度な長さなので、さらっと読むのに向いています、オススメ。
問題は……これも絶版だっけ?
――【つれづれナビ!】――
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タイトル:木星買います
著者:アイザック・アシモフ
文庫名:ハヤカワ文庫
であります。
お馴染み、アシモフの短編集。
なんと二十四編もの短編が収録されており、しかもそのすべてに作者自身のお喋りがくっついています。
例によって一つずつ解説を……といきたいのですが、全部書くととんでもないことになるので、お気に入りの作品をいくつか紹介するに留めます。
『バトン、バトン』……独善的で横暴なオットー伯父さんが出した難題。それは、過去の物体を取り寄せる機械を使って、金儲けをしろというものだった。弁護士の僕は、伯父さんの脅しに屈して知恵を絞るが――。
ユーモアの大家、と呼ばれるべく、アシモフが書いたコミカルな一品。無茶苦茶な性格のオットー伯父さんと、常に逃げ腰の主人公の会話が楽しい。オチもなかなか。
『猿の指』……SF作家マーミーとSF雑誌の編集長ホスキンズは、原稿の一部を変更することについて、激論を戦わせていた。話の最中に、マーミーは一つの賭けを持ちかけるが――。
小説を書く猿、と、それを巡る人々を描いた喜劇。洒落のきいたオチがいい。ちなみに、ここの小説家と編集者の論争は、現実にあったものをモデルにしているらしい。やはりと言うか、当然と言うか……。(笑)
『空白!』……タイムマシンの開発者バロン博士は言った。時間は不変である、故に、タイムパラドックスは起こりえないと。ポイントデクスターは、半信半疑で時間のエレベーターに乗り込み、未来を目指すが――。
ブラックなタイムトラベル物。編集側からタイトルを指定されて書いた作品らしいが、上手く使っていると思う。『永遠の終り』以前にこういうこともあったかも知れないなぁ、とか考えながら読むと面白い。
『木星買います』……異星人は莫大な報酬を提示して、木星を買いたい、と申し出た。彼らはしきりに、ラムベリーという存在を引き合いに出し、意地でも木星を手に入れようとするのだが――。
不穏な始まり方ながら、実はユーモラスなオチの付いている作品。木星を買ってどうするのか? ラムベリーとは何なのか? 真面目に考えれば考える程、オチでこけることになる。(笑)
『雨、雨、向こうへ行け』……お隣に引っ越してきたサッカロ家の人々はちょっと変わっている。いつも空ばかり見て、少しでも曇っていれば、決して外に出ないのだ。それには理由があって――。
ショートショートの王道とも言える、ショートホラー(何じゃそりゃ?)。無茶苦茶な話だが、これだけ短いと、細かいことは考えなくてもいい気はする。
他にも沢山あるのですが、とりあえずこのぐらいで。
どの短編も適度な長さなので、さらっと読むのに向いています、オススメ。
問題は……これも絶版だっけ?
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