つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

ほんとうに読みやすいのか!?

2005-07-02 16:18:31 | 事典/図典
さて、乱読と言うにはかなーり違うような気がするの第214回は、

タイトル:有職故実図典 -服装と故実-
著者:鈴木敬三
出版社:吉川弘文館

であります。

誰が読むんだ、こんな本!

って、ここにいます(笑)

有職故実、と言うと古来の朝廷や武家の礼式・典故・官職・法令・装束・武具などを研究する学問で、別にこれを専門に学んだことはないけれど、枕草子を始めとする中古古典が好きで、この手のものも読んだりする。

礼式、典故、官職、法令とかのほうは講談社学術文庫の「有職故実(上)(下)」を持ってるんだけど、服飾関係はそうでもない。
やっぱりこの手のがあるとないとじゃ、古典を読むときもイメージのしやすさが違うし、言葉もわかる。

と言うわけで、2800円という値段にもかかわらず買ってみた。

構成は「男装」「女装」「武装」で、それぞれの服飾について、解説と、必ずひとつは図が入っている。
また、「男装」には、束帯、衣冠、直衣、狩衣など、女装は「女房装束」が中心、「武装」は鎧から太刀、鎧直垂など、細分化されていて、さらに解説がまた細かい。

たとえば、束帯では、武官の持つ矢を収める容器(やなぐい、という)とか、帯とかの、各部の名前、役割、着方まで説明されている。

ちと、細かすぎる感じはしないでもない。

まぁでも、読む以外にも資料として使うつもりで買ったので、それはそれでいいんだけど、ただやっぱりむずい。

再版の序には、「一般の方々にもそのまま読んでも理解していただけるように、文章を現代調に直した」とあるけど、これのどこか「読みやすいように」なのかはかなーり疑問。

確かに現代文にはなっているけれど、それが読みやすいかどうかは違うんだと思うんだけど、これ、現代文に直した鈴木真弓さんは、これで「一般の方々」に読みやすくなったと、ほんとうに思ってんのかなぁ。

もっとも、「一般の方々」の中でも、かなり限定された私のようなタイプでないと手に取るわきゃないだろうけど(笑)

だけど、「男装」の直衣や狩衣、女房装束とか、中古古典に馴染みがあると、ほー、っと言うところがあって、やっぱりこの手のが好きだから、おもしろかったのはおもしろかったんだけどね。