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さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

トックリカンバチ と クマンバチ

2018-06-08 | 日記
ばばちゃんが家に飛び込んできて庭の花に(とっくりかんばち)が来て怖いというんです。

とっくりかんばち、これは私の古里奥会津只見の地方語で共通語のすずめばちのことです。春先軒下や雨の当たらない大きな木の枝下などに越冬した雌の蜂が巣を作ります、その作り始めの巣の形が徳利(とっくり)をさかさまにしたような形をしており、とても気性が激しくて攻撃的な蜂なのでトックリカンバチといって怖がられているんです。また巣が大きくなると甕のような形になるのでカメバチともいうんです。

   
写真はネットでウィキペディアからお借りしました


私は子供の頃トックリカンバチに刺されてひどい目にあったことがあります。小学校5年の時でした。学校帰りに友と二人で山沿いの道をあるっていたら15mほど離れた大きな木の枝に甕の形をしたトックリカンバチの巣があるのを見つけました。二人は「悪い蜂だこらしめてやろう」と無謀にも石を拾って巣に.投げつけました。そのうちのひとつが巣に命中しました。すると巣の中からたくさんの蜂が群れて出てきでその内の数匹が矢のような速さで一直線に私たちに向かって飛んできました。それを見てすばやい友は身を伏せました。でもぼんやり者の私はそのままぼんやりと立っていました。するとそのうちの1匹が私のほほにばつっと当たって逃げていきました。「痛いっ」激しい痛みです。見事に蜂に刺されたのです。私はほほ抑えてべそをかきながら家路に急ぎました。家に帰り着く頃ほほが腫れ体が熱ぽくなって苦しくてすぐに母にとこを敷いてもらって休みました。母は富山の薬屋の置き薬から「毒消し」という黄色の丸薬を取り出して噛んで塗ってくれましたけど熱も下がらず痛みもとれず一晩中苦しみました。ほほの腫れも1週間ほどはとれなかった記憶があります。トックリカンバチは恐ろしい蜂です。

そんな恐ろしい蜂が近くに巣もないのに何で家の花壇に飛んできたんだろうと不思議に思いながら外に出てみると1匹の花蜂が花の蜜を吸っていました。.トックリカンバチなどとんでもありません。姿はいかついけど温和な性格の花蜂が花の蜜を求めてやってきていたのです。

「クマンバチ」でした。この蜂は無理に手で掴まえたりしなければけっして人を刺したりはしません。嬉しくなってカメラを持ってきて撮りました。





たぶん小学校低学年の頃だと思います、このクマンバチに指先を刺されたことがあります。クマンバチがぶんぶん音を立てて飛んできて近くに咲いていたホタルブクロの花の中に採蜜のためにもぐる込んだのです。しめたクマンバチを掴まえたと思ってホタルブクロの花を摘まんで閉じました。とたんにチクリとつまんだ指をされました。幼かった私は泣きながら家に帰りました。ところが家に着くころは痛みは消えていました。たとえ刺しても毒は弱いんですね。

撮った写真をばばちゃんに見せながら優しいクマンバチのことを話して安心させました。「クマンバチ」はばばちゃんの一坪畑のトマトの花の花粉運びをしてくれるよというととても喜んでいました。毎日古筆でトマトの花粉付けをしていましたから、たぶん明日もクマンバチはやってくると思います