思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Mur川釣行(2016年7月7日)

2016-07-08 20:15:45 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
渓流のグランドスラムの翌日7月7日は今回釣行の最終日。どんなに遅くとも14:00にはMurauを出発しなければなりません。
前日雨が降らなかったので、ドライフライ釣りに期待し、再度Mur川に向かいました。
川は水量が相変わらず多いものの、昨日に比べ濁りは大分無くなり期待が高まります。
時は朝10時頃。すると下流の方から汽車の音が聞こえてきました。





昨年秋にも遭遇した観光汽車です。小さなものですが、客車を引っ張り結構軽快に走っていきます。

昨日と同じ緩やかな場所で早速ドライフライを試してみますが、最初に虹鱒らしき魚がライズしたのを掛けそこねた後が全く続きません。時間も限られているため、また金玉ハーズイヤーを結び、流れの緩い場所より上流側で岸近くの流れに投入しました。上の写真の一番上流の岸近くの石の側あたりです。
すると。。。暫くしてリーダーがツッと水中に引き込まれ、反射的に合わせると竿先がグッと曲がり重い手応えが返ってきました。一瞬根がかりかとも思いましたが、その根は動き出します。今日の竿は1960年代のHardy Marvel 7'6''。30cm未満の鱒でもミドルから満月になる竿ですが、その竿がバットまで曲がり満月になります。
流石にMur川の重い流れに入り込まれたらこの魚では取り込み不能かと思い、兎に角魚を流れの緩やかなところに留めるように誘導し急いで糸をリールに巻きリールを使ってやり取りする体勢に入りました。
幸いにも魚はジャンプは余りせず水中での引っ張りっこに注力しておりました。ジャップした際に見えたのは茶色の魚。ブラウントラウトです。虹鱒と違いファイトは多少楽。そこでMarvelに余分な負荷をかけないように気を使いながら慎重にやり取りし、持参のSharpe'sのテレスコピックタモに何とか誘導し取り込みました。

魚はまるまる太って重いブラウントラウト。毛針を外し体長を計ると、豈図らんや、39cmと40cmには届きませんでした。

それでも最終日に大きな魚を釣ることが出来て幸せです。
魚を緩やかな部分で水に戻してやると、暫く姿が見えてましたが、スッと深い水底に帰って行きました。

これで昨日に続いて釣った場所から下流に移動します。そこは小砂利の川底で昨年グレイリングをドライフライで釣った場所。水量は多いのですが、濁りが取れて来ていたのでドライに期待し、16番のオレンジクイルを結びました。ハックルはハニー・ダン、ボディはグレイリングが好きそうな色という基準で決めたものです。

こちら側の岸の上には高い草と木が生えておりますので、川の半分近くまでMarvelで毛針を運ぶのは容易ではありません。しかし何とかかんとか川の真ん中までは届きませんでしたが15ヤード超くらいを投げて毛針を流すと魚が水中から浮き上がり毛針を咥えました。
グレイリング!しっかり鈎にかけやり取りします。糸をすっかり巻き込み、リールでやり取りしながら、満月のMarvelを撮影しようとカメラに手を伸ばしたところ。。。急にフッと竿先が上がり、軽くなってしまいました。痛恨のバラシ。カメラなんぞと邪心を抱いた結果です。

その後暫く時間をおき、オレンジ・クイルを新しく結び直し、再度川に毛針を置くと、また水中から魚が舞い上がり毛針を咥えました。
グレイリングです。ジャンプしますが、今回は慎重に糸の張りを失わないようにしながら、テレスコピックタモで魚を確保しました。

グレイリングは水中から出して撮影すると銀色にしか見えないのですが、水中に入れるとなんとも言えない地味ながらもちらっと極彩色も見えるという不思議な色をしております。魚を流れに戻した後はグレイリングの残り香、胡瓜或はスイカとでもいうような匂いが手に残りました。
実釣一日半でしたが、楽しめた釣りになりました。Murauにいつもながら感謝です。