思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Leonard Tournament 9'

2020-11-22 11:06:41 | Fishing Tackles

Leonardの竿とは全く縁の無い釣り生活を送って来ました。
このメーカーに一つだけ興味があったのは彼のG.E.M.Skuesの愛竿W.B.R.(World's Best Rod)がLeonardが製作した9フィート3本継の竿だったということ。

今年10月送られて来た米国の釣り具オークションの案内を見ていたところ、Leonardの9' 三本継のTournament Rodがあったので、米国のオークションでのLeonard竿はいつも高値が付きますが、長い竿は多分人気が無いから安い指値でまあ入れてみよう、と駄目元で入札して放っておきました。

そして同オークションが終了した週末、結果を見てみると何と私がその竿の落札者になっており、その竿は二週間後拙宅にやって来たのでした。

9フィートで三本継。トップは二本揃っております。

リールシートは金属製。ラッピングは黄色に黒の縁取り。また黄色の段巻きを全身に纏います。

トップガイドはプラスチックラインが登場する前のHardyのものと同様に瑪瑙入り。F.E.Thomas竿とはこの点が違います。

竿じりにはThe Leonard Rod H.L.Leonard Rod Company REG.U.S.PAT.OFFとの刻印が入ります。これは錦織則政氏の「ザ・ヒストリー・オブ・バンブーフライロッド」によると1927年Leonard社が社名を「H.L.Leonard Rod Company」と変更した際、刻印を開始した由。

バットセクションの雌フェルールにはパテント番号が刻印されております。これは1930年前後に廃止されたと上記書にありますので、この竿は1927〜30年くらいに製作されたものになるのでしょう。

フックキーパーが付くのは戦前のHardy竿を同様。

バットの付け根部分には飾り巻きがされております。

ストリッピングガイドは瑪瑙入り。シルクラインで金属製のガイドが削れるのを防ぎます。

他は米国の竿に一般的なスネーク。
トップガイドは先ほど述べました通り瑪瑙入り。

Hardyでは二本の支柱を着けてガイドを支えますが、Leonardはこれで強度は十分と判断・設計しているのでしょう。

横から見たトップガイド。

私が所有するもう一本の米国竿、F.E.ThomasのSpecial 9'と比較します。
Leonard竿のガイドは14個。それに対しF.E.Thomas竿は12個。9フィートで14個のガイド数というのはHardyと比べても多くどのような設計思想に基づいてガイドの数が決められたのか興味深いです。

そして驚くのがグリップの短さ。私の手であっても小さい。握れる部分は決まってしまい、Hardy竿のように自分の一番しっくりする場所を握ることは出来ません。
F.E.Thomas竿とHardyの中では一番グリップの短いMarvelと比べると、Marvelよりはちょっと長いくらいです。これで9フィートの長さの竿ですので、ちょっとびっくり。
この竿のアクションですが、F.E.Thomas竿よりも多少バットが強めでティップセクションから7:3〜6:4くらいまで竿が曲がるような感じ。F.E.Thomas竿よりは重くHardy竿と比較して特段軽くはありません。
この竿、日本に来てから直ぐに鱒の引きを味わっておりますが、全くもって安心して鱒とのやり取りが出来る竿でありました。その話はまた後日。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2020-11-23 17:18:38
素敵なトーナメントモデルですね、おめでとうございます。
これでトーマス、レナードと揃ったので、あと残るはペインですね。
是非ペインの9フィート、特に1930〜40年代のもので釣ってみて下さい。
世界が変わります😅
Unknown (あ、noriでした。)
2020-11-23 17:20:34
失礼しました🙇
Unknown (おじゃまる)
2020-11-23 17:44:10
バットの太さといいコルクをはがしたブランクスの姿が妙に気になります。振った感想ぜひ聞きたいです。
Payne (budsek)
2020-11-23 20:06:59
nori様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
昨年のF.E.Thomasに続きLeonardにまで縁が出来てしまったのは、Hardy Schoolの私としては全く面目無い仕儀になってしまったものだと思っておりますが、古い米国竿も理解した上でHardyを愉しむのもまた楽しからずやと自分に言い訳をしております。
然し乍らPayneはその圧倒的な価格からオークションに札を入れることすら論外ですので、暫くはF.E.ThomasとLeonardだけにしておきます。
この二つの竿は米国竿というと何か硬くて軽いという私が勝手にもっていたイメージをまるで吹き飛ばすMediumな調子の竿でドライ、ウェット、ニンフと万能に使える竿。釣りの楽しみが増えました。nori様のPayneでの釣行記楽しみにしております。
Leonard Tournament (budsek)
2020-11-23 20:18:03
おじゃまる様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
このLeonard Tournament竿ですが、アクションはF.E.Thomas竿に似るMediumというザックリしたところにも近場は軽快にティップを使って毛針を打ち込んでいけること、また強風の中でもF.E.Thomas竿よりバットが強くかつその弾力を活かしシルクラインを風上に持っていけるという、流石Tournamentという名前をつけるだけのことはあるな、というものです。また大鱒の引きも問題にせず安心してやり取り出来る粘りもあります。
重さは正確に測っていないので、あくまでも感触ですが、グリップが短いためもあり重心から離れたところを握るからか、リール無しでは手に重く感じられます。同じ9' 3pcsではHardyのFairyの方が軽く感じられます。しかしリールを付けるとそうした重さは感じさせません。
私の1911年製のF.E.Thomas竿はカルカッタケーンを使っているのではないかと推測しているのですが、トンキンを使うLeonardの方がそれで多少重く感じるのかも知れません。
Unknown (nori)
2020-11-24 21:03:51
他を知るも良し。
自ずを知るも良し。
世の中は自由で広いですね。
竹竿の世界も想像以上に深くて愉しいですね😁
Unknown (yugawaski)
2020-11-25 18:30:07
こんぱんは。
9フィートの古いレオナルド、いいでしょう。
私のレオナルドは1927年から打刻されることになったとされる商標登録の刻印が打刻されていないので、この竿よりわずかに年上ということになるのですが、私のものは竿に段巻きがなく、雰囲気的には私のものの方が新しそうにも見えます。
トップガイドやガイドのラッピングは同じような感じなので年代的には近いような気がします。

昔に戻ってまた忍野あたりでこの竿を並べて楽しく釣りたいですね。
色々な竿 (budsek)
2020-11-25 21:37:06
nori様
色々な竿に触れて楽しみを深める、将に御意。
米国東海岸の竿は彼の地の地理・天候に適したものになったのでしょうし、英国の風の強い開けた川での釣りにはスパルタンな竿が必要に思われたのかも、な、とか想像しております。。。
先日行った川がそんなところで、Leonardの竿でなくHardyの重量級を持って行った方が良かったかなと、思ったくらいの風雨の強さでした。
おかげさまで (budsek)
2020-11-25 21:41:12
yugawaski様
コメント頂き大変ありがとうございました。
米国のオークションで9'のトーナメント竿に入札する気になったのは、yugawaski様の一連の投稿が切っ掛けで興味を持ってしまったからでした。。。まさか落札するとは思わなかったのですが。グリップはyugawaski様の竿の方が遥かに格好良いですね。いつか竿を並べて同道よろしくお願い致します。
Unknown (おじゃまる)
2020-11-26 00:12:46
noriさんのヒストリーバンブーロッドの62ページの真ん中ぐらいに、 そして、竿の弾力を最大限を活かすため、余分なメタルワークや段巻は取り除く必要がある とスキューズのドライフライ竿論が書かれています。まさにその竿がH好きY好きさんのレナードのように見てとれます。段巻の多さや金属棲リールシートなどを見ているとハイラム レナード時代をも感じさせる要素があるように見えます。あくまでも私が見た感想です。(笑)13ページの初期レナードロッドほどのスエルバット感はないようです。

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