思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

会津大川釣行(2020年11月21日)

2020-11-29 08:40:01 | 釣行記/Fishing Trips

Leonard Tournament竿がやって来た11月。一般河川での釣りシーズンは既に終わり、養沢も特別営業のみ。9フィートを試すにはやっぱり会津大川、と、天気予報では小雨と出てはいましたが、行くことにしました。リバティ号の座席を予約はしたのですが、風雨、且つ、最近は中々釣りにならない会津大川に行くのを前夜かなりためらいグズグズしていたところ、家内から早く寝て釣りに行け、と怒られ、やっと決心がついた次第。

6:42に北千住を出発、9:41に会津田島に到着。リバティ号だけでも片道約3時間と遠路はるばる到着した私を待っていたのは予報の通りの悪天候でした。11月も下旬になれば、日本海側からの季節風が強く吹き、雨か雪が頬を叩くのは世の習い。この日も気温は6度程度。強い風が小雨を全身に叩きつけます。愛用のBarbourのSolway Zipperはこうした天気の為に作られているので体はいいのですが、問題は顔。20数年釣行には必ずかぶり続けているその昔ロンドンのFarlow'sで買ったTilley Hatのつばで風が当たる耳、頬を覆いながら魚のいそうなポイントに毛針を置いて行きます。
しかしこの激しい風雨の中、竿は風で撓み大丈夫かなという状況ではあったものの、F.E.Thomas竿よりも強風の中でのキャスティングは楽にこなせます。その理由は何なのか?トンキンとカルカッタの竹の違い、テーパーの違い?素人の私には判りません。

下流から始めてポイントを潰しながら上流を目指しましたが、このコンディションでは何の反応もありません。11時過ぎまでこの風雨が続き、本当に来たことを後悔していたところ、漸くお日様が顔を覗かせました。

既に丹藤橋のすぐ下流に来ていたので、橋の近くで流れが草の茂る岸を通り少し深場になっているところにRamsbottom's Favouriteを流して見ます。

数投し、毛針が流れの急なところから下流にターンしたであろうタイミングで無意識に当たりを感じ(本当にどんな異変を感じたのか憶えていないのです)手首で竿を振り合わせをくれると、竿先がグッとばかりに持って行かれます。「かかった」と風雨の中で折れていた心がパッと弾む瞬間。魚は大物であることが感じられる引きでその昔PhoenixのDT6番、2014年に私が炊飯器を使い亜麻仁油を再コーティングした、多分AFTMで言えば5番程度のシルクラインをドンドンリールから出して遁走します。Leonard Tournament竿はその弾力でフロロカーボン1号の鉤素であっても魚に負けることなくやりとり出来るのですが、やはり深場で走り回られると外れるリスクが高まります。そこで下流のザラ瀬に歩いていき魚を誘導します。シルクラインを巻き、またシルクラインを出され、を繰り返しながら漸くザラ瀬に魚を誘導、背中が見えると、それは会津大川でもかなりの大物。息の上がった鱒を愛用のテレスコピックタモを伸ばして入れようとすること数度。魚が大きいこともありタモに入れることは結局できませんでしたが、尾びれを入れながら岸まで寄せることに成功、捕物劇を終了出来ました。

魚は何を飽食したのか、多分小魚でしょうが、胃が大きく膨れ、全体にでっぷりと太った雌の虹鱒。メジャーで測ると頭の先から尾びれの真ん中のくぼみまで丁度60cm。何キロあるのか判りませんが相当な重さの魚には違いありません。大物鱒を相手にLeonard Tournament竿の竿下ろしが出来ました。

振り返って思えば、前回のサイトフィッシング、昨年のLoch Leven 10'の竿下ろしでのドライフライのケースを除き、会津大川の大物鱒は過去数年殆どRamsbottom's Favouriteで釣り上げております。毛針がいいのか、良く使うから釣れるのか、これまた判りませんが、これが今回鱒を掛けた10番の英国鈎に巻いた毛針です。
流石にこの天候ではもう会津大川は無理でしょうし、何だか漁協と地元の有志の間に意見の相違があるような雰囲気ですが、来シーズンも大物鱒が釣れる川であって欲しいと切に祈っております。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yugawaski)
2020-11-29 12:34:35
こんにちは。
早々にトーナメントに水を見せてあげられたばかりか、こんな大物を…
古い竿だと、竿として実用に耐えるかどうか、実際に使ってみないことには何とも分からないのですが、立派に使えることが実証できて何よりでしたね。
これが繊細なベビーキャッツキルでは様々な意味で怖くて使えなかったかもしれません(笑)

私のトーナメントもまだ実釣で使用できていないので、使えるかどうかは何とも…
一部のガイドラッピングの塗りにクラックが生じていたところはセラックニスで補修したのですが、こんな大物がかかったらバンバンとガイドが弾けてしまいはしないかと心配です。
この点、パラコナは不思議な安心感がありますよね。
それにしても、お使いのカメラの描写、いつもながらとてもイイ感じですね。
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実用竿 (budsek)
2020-11-29 17:15:41
yugawaski様
コメントを頂きまして大変ありがとうございました。
このTournament竿、日本デビュー戦でいきなり大物を上げることが出来、幸運でしたが、大物の引きも竿の弾力でいなし、Hardyの竿のように安心してやり取りが出来ました。これが19世紀から竿を作って来たマスプロダクションメーカーの実力なのでしょうか。しかし、ベビーキャッツキルのような特殊な竿では流石にダメかも知れません。。。
朝の風雨が強い時間帯はHardyの剛竿だったらと思うこともありましたが、それでも風に負けずにある程度シルクラインを向かい風に立ち向かって投げることも出来、90歳程度のお年寄りという感じはしませんでした。
今年はコロナで釣りに行く機会も激減、特に一番いい季節に全く釣りが出来なかったので、Hardyの竿を使う機会が余りなく会津大川の捕物劇も前回・今回と米国竿になってしまいました。来年はHardyの竿達にもっと登場してもらおうと思っております。
オリンパスの安いカメラですがお褒めにあずかり光栄です。。。
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記憶が飛ぶ! (flyukulele)
2020-12-01 00:54:33
こんばんは。レナード、初おろしで、すごい大物ですね。魚体も美しいし、引きの強さも、突進スピードもありそうなニジマスですね。
文中に、どんな異変を感じたのか憶えていないのです、とありますが、私もよく不意に大物が掛かった時、その驚きとやりとりの緊張感のせいか、なんだか頭の中が空白になったような、断片的なシーンの記憶があるだけになったりします。あまりにインパクトが強いと、かえって記憶がなくなるというのも、なんとも不思議です。
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Unknown (おじゃまる)
2020-12-01 20:06:42
トロフィーサイズおめでとうございます。!!竿も喜んでいると思います。でかい獲物狙いですとしっかりした竿でなければ安心してやりとりは難しいです。川でのウエットフライは謎が多いのが事実で私もまだまだ魚をかけて経験を積まねばなりません。サワダさんあたり本まで書けるのですからすごい経験数だと思っています。ドライフライで魚をかけた場合はあまり悩むことは無いのですがウエットは悩むことが多いです。以外に魚のライズ行動を見ていても自然に流れてきた流下物を捕食する時は派手な動きはしないことがわかると思います。恐らくくわえた後針先が刺さってやっと魚が異変に気がつきあばれだしたようにも思えます。あくまでも推測です。ドライフライで良く見るような魚の派手さはないのが多いです。ドライフライでもでかいイワナやアマゴは意外に水しぶきをあげず、ちょこっと波紋ができるぐらいでくわえて潜るものも経験しています。電車にゆられながら釣れずに肩を落としてやけ酒飲んで反省会よりも、なんで釣れたのかを悩みながらご褒美の美酒の方が楽しいと思います。川のことは地元の有志の方にまかせるしかないでしょう。漁業協同組合さんも事情がなければ毎年同じ様な楽しめる川にしてくださると思います。また行きたくなる川というのはすばらしい。行っといで と背中を押してくれるおかあちゃんも。
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アタリ (budsek)
2020-12-01 20:29:23
flyukulele様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
あの風雨にされされただけに1匹釣れて、また大物だったので嬉しさひとしおでした。ウェットフライの釣りはダウンクロスのガツンというアタリの他にも色んなバリエーションがあってそれらをどう自分で感知しているのか分からないこともあり、第六感を磨くにはうってつけの釣りではないかと思います。
flyukulele様のウェットの釣りは如何でしょうか。
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ありがとうございます。 (budsek)
2020-12-01 20:46:05
おじゃまる様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
おっしゃられる通り、家内の「行ってこい」の一言が今回のMVPだったように今となっては思われます。しかしながら、今回思ったのは英米の竹竿マスプロメーカーのトップHardyとLeonardの特殊竿でない代表選手的な竿の実釣での実力と安心感というものは侮れないということです。60cmの虹鱒を掛けても全く慌てる場面もなく冷静にファイト出来ました。Hardyの竿でも同様であろうと思います。Pezon et Michelはどうも竹の焼き入れがHardyやLeonardのTournamentに比べ強いようで、弾性は強いのですが、カーボン竿的な感じがより強く今ひとつ大鱒を掛けた際のやり取りに安心感が欠けるような印象を持っております。これもHardyに慣れすぎた老眼おじさんのたわ言であります。Pezonの中ではSawyer Nymphはやり取りが安心して出来る竿でして、決してPezonを貶す積もりではありません。魚の捕食のスタイルは千差万別ありますが、私の中で非常に印象に残っているのはオーストリアはウィーン近郊のチョークストリームFischa川でのニンフ釣りでの出来事。ジンクリアな川でのサイトフィッシングですが、3m以上離れたところを流れるフェザントテイル目掛けて、45cmくらいのブラウン鱒が流心を超えてさっと突進して食いついた一部始終の光景です。あんな小さな毛針を遠くから見てしかも猛ダッシュで大きな鱒が飛びつくものだと今でも思います。それにしてもウェットフライのアタリの感知というのは不思議なもので、スキューズがThe way of a trout with a fly「毛針に対する鱒の振る舞い」を不可思議なものであるとしたのと同列なくらい不可思議なものかも知れないなと思います。
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アタリについての私感 (flyukulele)
2020-12-04 16:29:37
こんにちは。
ターン前後に、無意識のアタリを感じ取った、とのこと。それこそが、ウエットフライの究極の目的で、楽しみかと思います。
ダウンクロスでのスイングや逆引きは、ロッドへの明確なアタリが伝わりますが、角度がサイドになるほど、ナチュラルドリフトに近い状態のアタリは、微妙になりますね。
シルクラインは、プラスチックの同番手に比べて細いのと、比重が水に近いので、ちょっとした変化が伝わりやすいかもしれませんね。亜麻仁油のライン、苦心して作った甲斐がありましたね。
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アタリ2 (budsek)
2020-12-05 10:33:30
flyukulele様
おしゃる通り、プラスチックラインは伸びますが、シルクラインは伸びません。そのシルクラインとカーボンよりも遥かに弱い反発力で魚をより驚かせない竹の組み合わせは竿先でアタリをとるウェットフライには適していると想像致します。ウェットフライの釣りで一番難しいのがアップストリームの釣りでのアタリの取り方で、明確にアタリが分かったケースは記憶になく、いつも第六感的というか名状出来ない感触で何故か合わせをくれたら釣れたというケースばかりです。ウェット釣りの道は長く険しいものですね。
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