思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

シルクラインの再コーティング(その3)

2018-02-11 09:52:57 | シルクライン/Silk Lines
さて、前回亜麻仁油が厚く乗りすぎてしまったシルクライン。取りあえず大きな輪にして干しておきました。

新聞紙の上に干したシルクラインを乗せて、

よく見ると表面はこのような感じです。

チュニジアはアラビア語が公用語。そして一般にフランス語が良く使われる国。新聞もフランス語のみならずアラビア語で書かれております。

日本で以前購入した目の細かい紙ヤスリを投入し厚く乗った亜麻仁油の表面の凸凹を荒くならしてみます。

ヤスリかけが終わったラインはこんな感じです。また、ヤスリかけをすると乾き切らない亜麻仁油のベタベタ感が戻って来ます。

そこで、再度炊飯器で保温し亜麻仁油の乾燥を行いました。

炊飯器から出したラインです。

本当はパミス(軽石粉)を使いたいのですが、チュニジアには東●ハ●ズのような便利なところは無く、どこで売っているのか皆目見当もつきません。そこで、タルカム粉を含む製品、そう、ベビーパウダーを投入しヤスリがけの荒い表面を更に滑らかにしてみます。

ベビーパウダーをシルクラインに振りかけ、キッチンペーパーでしごいて表面を滑らかにしていくと、これだけの余分な亜麻仁油が取れました。

日本なら色々揃っているのに、北アフリカではより創意工夫が必要です。ベビーパウダーくらいなら近所に売ってましたので、助かりました。


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6 コメント

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Unknown (ひろ)
2018-06-06 18:17:08
大変興味深く拝見しました。素晴らしい。まさか炊飯器とは…笑 私も手持ちのフェニックスが世話不足で所々塗装?が取れており、こちらの方法で試したいのですが初めてで…少しお尋ねします。ボイル油で真空→保温12時間を数回→その後凹凸があるようなら軽石粉とやすりで均一に、までは理解できました。その後ですが、ハーディやフェニックスは特別な塗装と書かれていたように思いますが、それは何をどのように?かご存知であれば教えてください。よろしくお願いします。
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表面のバーニッシュ (budsek)
2018-06-10 02:31:11
ひろ様

弊ブログへのコメント大変ありがとうございました。シルクラインのコーティング(ハルフォードの本では亜麻仁油でcoatとありますのでこう記載しました)は真空容器を使い油をシルクの内部まで浸透させしっかり防水する事で、使用後の腐食を防ぐ事と追加の重さを加えるために行うものですが、その後の表面処理について、ハルフォードは亜麻仁油のみとしておりますが、ハルフォードのThe dry-fly man's handbookに紹介されたハーディーの製造法では亜麻仁油でのコーティングの後、特別のバーニッシュをかけるとしております。このバーニッシュですが、米国辺りでは竹竿に塗るバーニッシュや、そのバーニッシュに亜麻仁油を混ぜたもの等を塗っている人たちがいる様です。1990年代後半、私も竹竿に使われる防水用バーニッシュをシルクラインの表面に塗ってみた事がありますが、これは結構層が厚く成り、フェニックスの製品がシルクラインであるにも拘らずプラスチックラインと口径がそんなに変わらない理由は成る程これかと思った次第です。日本の夏の暑さと湿気でフェニックス等はベタベタになる危険があるのですが、これはバーニッシュが引き起こすもので、防水用のバーニッシュのみならず蜂蜜ワックスとか、熱で溶けがちな何かを入れているのではと推測しております。私が使う分には亜麻仁油のみでドレッシングしたシルクラインがベストと思っておりますので、最後のバーニッシュの材料につきまして余り詳しく無く申し訳ありませんが、何らかの参考になれば幸甚です。今後とも宜しくお願い致します。
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Unknown (wanaka87)
2019-10-01 21:26:29
いつも色々と勉強させて頂きどうもありがとうございます。シルクラインの記事を何度も読ませて頂いているうちに我慢出来なくなって、つるやさんでシルクラインを買ってきました。

ウエットフライに使ってみたくてDT6を購入しました。Peche Soieと書いてあるのですが、全く読めません。フランス製というのは分かりました。(冷汗!)

お店で釣り場に持ち出す前の準備作業について色々と教えていただきました。使い込んだ柔らかいシルクラインも触らせていただきました。掌の中でぎゅっと握っても放すと巻き癖がほとんど付かないことに驚きました。

伸びないのでダウン&アクロウスに投げた時にどんな感触の当たりが伝わるのか、考えるだけでワクワクします。何とか11月に使えるようにしっかり、気長に油を塗りこんでみたいと思います。

シーズンオフはリールから外して木製のドラム型の糸巻きに巻いておくのでしょうか?

大昔、スミスで発売していたのは覚えていますが、
今はどこにも売ってないので、つくづく買っておけば良かったと思いました。何か工夫して作ってみようと思います。




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シルクライン (budsek)
2019-10-02 22:04:40
wanaka87様
シルクラインですが、巻きグセは付かず、またプラスチックラインと違い伸びがないので楽しめるものと思います。また、プラスチックラインが一般的になる前の竿ではシルクラインの密度の高い細いラインでないと性能を発揮出来ないという点も、古い竹竿を使う人にとっては重要なことかと思います。
シルクラインの保管ですが、私は大きな輪にして単にぶら下げたり、夏場は冷蔵庫に保管したり、としております。他に紙や竹でも簡単に通気性の良い糸巻きは出来ると思います。
また、もしコーティングがベタベタになっても、亜麻仁油と炊飯器のコンビネーションで直ぐに手作りの再生が出来ますし、手入れをすれば一生使えますね。新しいシルクラインでの釣りを楽しまれることを祈念致しております。
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シルクライン (wanaka87)
2019-10-06 14:48:08
一昨日、昨日と会津田島に行きました。まだ新しいシルクラインのワックス塗りが終わっていないので、今回は5年ほど前に買った中国製のシルクラインを持って行きました。買って赤いラベルのミューシリン?を沢山塗ったのですが、どうも使い方が分からず、ずっとリールに巻いたままになっていました。前日に点検し、一度だけ薄くワックスを塗りました。

今回は、昔、ロンドンの中古屋さんから買ったSharpeの8ft #5/6の竹竿を持っていきました。シルクラインは初めて投げましたが、シンキングラインを投げているようなシャープな感じがしました。竿の曲がりが良く効いて、プラスチックラインを投げた時のふわっとした感じがなくてとても投げやすかったです。

残念ながら川は渇水で、橋から下流の底が掘れているところを中心に釣り下りましたが、10センチくらいのハヤが10匹位釣れただけでした。伸びないラインの為、小さい当たりもはっきり伝わりました。

翌日は、朝7時頃から最上流の堰堤の50m程下流の瀬を釣りました。シルクラインはクタクタになってしまったので、プラスチックラインを使いました。教えていただいたシルバーサルタンの#14が大活躍で、表層を静かに流したら40センチ位の虹鱒が3匹も釣れました。ダブルウイングはとても丈夫ですね。壊れなくて乾燥させたらまた使えます。

お陰様で楽しい釣りが出来ました。どうもありがとうございました。昼にあがってヴォーノさんで醤油チャーシューメンを食べて帰りました。
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羨ましいです (budsek)
2019-10-07 20:26:22
wanaka87様

会津田島で良い思いをされたとのこと、全く羨ましい限りです。Sharpeの竹竿にシルクライン。さぞ釣趣があったのではないでしょうか。残念なのはハヤ10匹というところですが。。。Saltoun、日本では沢田賢一郎氏がシルバー・サルタンとして紹介したこの毛針はシンプルですが、他の毛針で出ないときに活躍する不思議なフライで、私も何回も助けられました。大きなサイズよりも14番とかの小さなサイズの方が人の目にはリアルな感じがする毛針と思っております。そう言えば、pecheは魚(魚釣り)、soieはシルクですので、フライフィッシング用語で言うところのシルクラインになるのでしょう。他にもsoie naturelleとか、色んな言い方もあるようです。釣りに疲れた体に、電車に乗る前のヴォーノさんでの一杯が何とも染み入る毎回です。
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