HardyのFairchildは3pcsのライトロッドとしてカタログに記載され1909年から1957年まで製造されたとあります。
最初の頃は8'、9'、9'6''の長さがあり、そのアクションはEasy for Wet Fly、ウェットフライ用の柔らかいアクションとされております。
軽量化を図るためグリップはオールコルク。そこにリールフィッティングはUniversalを誂えております。
この竿の製造番号はE74831。そこから1950年製と判るのがHardy竹竿の良いところ。
リングはバットとエンドには瑪瑙を入れたものが使われ、その間は軽量化のためスネーク。米国竿は戦前からトップガイド(英国式だとエンドリング)も近代的に瑪瑙が入らない軽量化されたものが使われておりますが、Hardyの竿はプラスチックラインが普及する前のエンドリングには全て瑪瑙が使われ、ザラザラするシルクラインから竿を守っております。
Universalリールフィッティング。
プリンスオブウェールズ(英国皇太子)の紋章が入り、
更に英国王の紋章も入ります。国王と皇太子の御用達であることを示しております。
竿を巻くように記入されたインスクリプション。Fair-
ch
ildと竿の名称が記入されております。
瑪瑙入りバットリング。
スネークリング。
1950年代のPalakonaに特徴的なグリップ。フックキーパーはなくコルクの中から竹がそのまま出てくるもの。フックキーパーは不要で、竿の真ん中程のリングに毛鉤を引っ掛けリールの縁にナイロンリーダーを沿わせる様にすれば竿の長さより長いリーダーでも大丈夫です。
元々、ウェットフライ用のペナペナアクションだと思って入手したこの竿ですが、アクションが想像とは全然違い、Hardyの伝統的なミディアムアクションでドライフライも問題なくこなす竿。
養沢の様な渓流でドライフライ釣りをするのに向いております。尚、本竿のエンドリングは瑪瑙の口径が狭くプラスチックラインは使えません。またシルクラインでも塗りの厚いPhoenixもブレイデッドループを付けた先端は通りにくく、塗りの薄いKaizerのシルクラインで丁度良しです。KaizerシルクラインNo.2(4〜5番程度)を26〜7年前に購入した復刻版Bougleリールに巻きます。
流れの中層以上で泳ぐ山女魚はドライフライへの反応も良く楽しめます。
同じようにドライフライに出た山女魚。
写真の当日魚をかけたドライフライ。Tup's Indispensableで別々の種類のハニーダンのハックルを使ったもの。それにハックルフライバージョンでのGreenwell's Glory。
これは前回紹介のインドハックルのグリーンウェルとウィングの替わりにヘッドにOlly's Hackleのブルーダンを巻いたもの。ツートンカラーで見やすく視力の弱い私には重宝致しました。