思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Red Quill(レッド・クイル)

2020-02-11 13:52:36 | 毛針/Flies

The red quill is one of the sheet anchors of a dry-fly fisherman on a strange river, when in doubt.
「ドライフライ釣り師が見知らぬ川で迷う時、レッド・クイルは最後の拠り所となる毛針の一つである」と、ドライフライ釣りの基礎を作ったF.M. Halfordはその最初の著書「Floating flies and how to dress them(水面上の毛針とその巻き方)」(1886年)で述べております。

Halfordのレシピは:
Wings: Pale or medium starling (ペイル或いはミディアムのスターリング)
Body: Peacock quill dyed in No. IX (繊毛を取り除いたピーコッククイルを臙脂色に染めたもの)
Hackle and whisk: Red game cock (レッド・ゲームコック)
Hook: 0, 00, 000 (15〜17番)

このレッド・クイルは一番入手し易いレッド(米国流ではブラウンでしょうか)のコックハックル を使うというとても手軽な毛針ですが、G.E.M. Skuesがその著書「The way of a trout with a fly(鱒の毛針に対する振る舞い方)」(1921年)で、Halfordの言うことは確かとし、チョークストリーム(英国南部の石灰岩地帯を流れる流れの静かな川)では5月初からシーズン終わりまで少ない例外の日を除けばレッド・クイルが効果を発揮し、それも、水面下のニンフを捕食する鱒がレッド・クイルを好んで捕食すると述べております。Skues自身は何故鱒がレッド・クイルを捕食するのか理屈が分からないとの理由でレッド・クイルを使うのを拒否しておりますが、我々凡人釣り師は釣れると言われる毛針を拒否する必要はないでしょう。

Halfordはボディのピーコック・クイルを赤系統の色で染めますが、その後のレシピではナチュラルなピーコック・クイルでOK。ハックルも入手が難しいものではなく、簡単に巻ける古典的な毛針です。さらに、私はいつもスターリング・クイルを二重に巻き強度を増しておりますが、二重のクイルを鉤に結ぶと自然に左右に分かれて開くので8の字結びをする必要すらなく簡単に結べてしまいます。最近はスターリングの入手が難しくなっている様ですが、それさえ手に入ったら簡単に巻ける毛針。

老眼に鞭打って巻いた毛針。帰国してからスターリング・クイルの毛針を含め毛針を殆ど巻いていなかったので何時に増して不恰好です。

右上のレッド・クイルの他に、20世紀前半の英国の本物のブルー・ダンを巻いた毛針、Frank Elder氏のオフ・カラーのハックルを巻いた毛針を、英国南西部Devonの毛針Blue Uprightに習い、ダウン・アイのスネック鉤に巻いて見ました。シーズン初めの毛針としてはこんなもので良いでしょうか。。。
コメント (2)
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