996、999、1098と3世代のDUCATIでスーパーバイクレースのチャンピオンに輝いたトロイ・ベイリス選手(豪州)が、今シーズンをもって引退した。
前日のポルトガルの最終戦を勝利し、DUCATIスタッフ、サプライヤー、ディーラーを招いたパーティー会場にラフな服装で駆け付けたワールドチャンピオン、その気さくで飾らない人柄を表している。
「何故引退を決意したのか」って質問に、「達成しなければならない仕事を終えたと感じた」って答えたベイリスは、言葉に詰まり天井を仰いで男泣きしていた。スポーツ選手が勝者のまま、まして最後のレースを優勝して引退できるなんて、これ以上ない花道に決まってる。
しかも、初年度の1098Rをチャンピオンマシンに導いてから勇退するなんて、DUCATIと共にその輝かしいレース人生を送ったベイリス、自分のプロフェショナリズムを全うしたようだ。
この会場に居合わせただけでも、今回イタリアに来た甲斐もあった。