ぶらっと散歩

訪れた町や集落を再度訪ね歩いています。

周南市大向はダムで移転した集落 

2022年02月14日 | 山口県周南市

        
                  この地図は、国土地理院の2万5千分の1地形図を複製・加工したものである。
         大向(おおむかい)は金峰山(みたけさん)の南西麓に位置し、地内に向道ダムがある。地名の
        由来は、地下(じげ)上申に「大水出之時分は うら向遠相見申候につき 大向と申し候」と
        ある。(歩行約2㎞)

        
         JR新南陽駅(9:29)から防長バス「コアプラザかの」行き約35分、大向バス停で下車。

        
         バス停前(大向市民センター)から国道筋を引き返す。

        
         錦川は周南市鹿野町を水源とし、大向地区を南東に流下した後、向道ダムを経て長穂地
        区で北へ向きを変えて菅野ダムへ流れ込む。

        
        
         青尾にある曹洞宗の西方寺(さいほうじ)は、室町期の1441(嘉吉元)年創建と伝える。

        
         こじんまりした小さな町(集落) 

        
         国道の山手側に集落道。

        
         大向小学校の校舎とグラウンド。

        
         明治初期頃に大向小学として創立され、1878(明治11)年青苧地区に校舎を新築する。
        1940(昭和15)年ダム建設により現在地へ移転して、1977(昭和52)年現校舎の新築
        が行われたが、児童減少などもあって、2009(平成21)年休校となる。

        
        
         学校の思い出が懐古展として窓に写真が展示されているが、その中の1枚を借用する。

        
         二俣神社は平安期の延喜式神明帳に「都濃郡一座二俣神社」と記されるが、当神社と推
        定される。

        
        
         境内入口に狛犬と左右に長い石垣と玉垣。 

        
         社伝によると、弥生時代後期の189年創建といい、旧社地は東方の金峰山麓あったと
        いう。最も古い棟札は室町期の1489(延徳元)年で、その他いくつかの棟札が残るようだ
        が、1782(天明2)年頃現在地に遷座したという。

        
         同じ敷地内に出雲大社大向教会所 

        
         1889(明治22)年町村制の施行により、大向村と大道理村の区域をもって向道村が発
        足する。村役場は大向とされたが、大道理から遠いため中間付近の横瀬に移転するなど、
        発足当初から村政に関して紛争が起こり、二村分離の村会決議がなされたが、分離は食い
        止められた。このような両地区の関係もあって、小学校は統合されることなく2校に分け
        て運営された。(この先で道は国道と合わす) 

        
         二俣橋から見る上流の国道筋。

        
         1938(昭和13)年に着手された向道ダムにより、村の中心だった青苧地区は湖底に埋
        没する。
         そのため、150戸の地区民は二俣やその他の地に移り、内、28戸は村外に移転した
        という。(橋下流の町並み)

        
         二俣神社参道で引き返して大向バス停に戻る。