名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(683);四間飛車に四枚美濃(中原誠)

2017-10-25 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

(負けましたが)後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20171025
昭和57年10月、中原誠先生と第21期十段戦です。

大山先生の四間飛車に中原先生は天守閣美濃です。

四枚美濃に固める指し方には6筋の位を取るのが急所です。

ここで74歩とすると24歩以下46角と引くのが王手になるので危ないのです。

よって22飛を待って、中原先生は6筋の歩を交換しました。

84歩と突きにくい(57角で取られる)こともあり、大山先生は66歩を打たせてから65歩と合わせます。

互いに飛を移動してから66歩の取り込みですが、中原先生の68飛は必要なんでしょうか?

じっと64歩と打っておいて、大山先生が指しやすそうです。

中原先生は角を移動したので66角同金57桂成という筋が生じています。大山先生はその前に46歩と35歩を入れてから

ということだったのでしょうが、中原先生はその前に55歩から動きだしました。だけど玉の堅さが違うので

77銀の打ち込みが成立するなら大山先生が十分でしょう。

これで飛を取ってもほぼ銀損なのですが

28飛が両取りです。48角打は37桂で無効、38桂の中合いならあったかもしれませんが、ともかく大山先生は駒を取り返せます。

駒損なので中原先生は攻めなければなりません。

65桂は結構受けにくそう。

大山先生は81桂と受けたので53桂成が残ります。でも指しきれなくて69歩では中原先生が悪いです。

端に手を付けられ

53桂成をやって来いと。95竜で負けなのでしょうけれど、

銀を打って飛に逃げられてしまいました。端の嫌味も消えません。

反撃は端だけで

99角で寄せられたらだめですが、上に逃げたら寄せにくそう。大山先生が寄せを手こずっている感じです。寄せに行かないで端を受けておいたら十分でした。

大山先生は飛を切って寄せに出ました。

でも66飛を取らなければ案外に寄りません。逆に詰めろをかけられて

大山先生は角飛を切って

76金と押さえて玉を逃げ出します。(76には銀を打つ方が良いのかと思いましたが。)

47角が好手で、65竜しかなく

詰ましてみろ、と開き直られました。金が無いので詰ましにくいのですが、99銀から入れば詰んでいたみたいです。

大山先生は99角から詰ましに行ったのがまずくて逆転です。投了図。

大山先生がずっと良かったのですが、終盤での逆転です。さすがに終盤力が落ちてきたのでしょうか。形勢が良いのですから、もっとゆっくり指せば、というところです。玉を上に逃げて余すというのは中原先生の指し方のほうが大山先生みたいでした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:中原誠前名人
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 8六歩(87)
18 7二銀(71)
19 8七玉(78)
20 5二金(41)
21 7八銀(79)
22 4三銀(32)
23 5七銀(48)
24 6四歩(63)
25 6六銀(57)
26 4五歩(44)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 7七銀(66)
30 5四銀(43)
31 7九角(88)
32 6五歩(64)
33 5七角(79)
34 6三金(52)
35 3六歩(37)
36 1四歩(13)
37 1六歩(17)
38 2二飛(42)
39 6六歩(67)
40 同 歩(65)
41 同 銀(77)
42 7四歩(73)
43 7七銀(66)
44 7三桂(81)
45 6六歩打
46 6五歩打
47 6七金(58)
48 8四歩(83)
49 9八玉(87)
50 4二飛(22)
51 6八飛(28)
52 6六歩(65)
53 同 銀(77)
54 6五桂(73)
55 4八角(57)
56 6四歩打
57 3七角(48)
58 4六歩(45)
59 同 歩(47)
60 3五歩(34)
61 5五歩(56)
62 同 銀(54)
63 同 銀(66)
64 同 角(33)
65 5六金(67)
66 3六歩(35)
67 2六角(37)
68 7七銀打
69 同 桂(89)
70 同 桂成(65)
71 5五金(56)
72 6八成桂(77)
73 同 金(69)
74 2八飛打
75 7七銀打
76 2六飛成(28)
77 6五歩打
78 2九龍(26)
79 6四歩(65)
80 5四金(63)
81 同 金(55)
82 同 歩(53)
83 6三歩成(64)
84 同 銀(72)
85 6五桂打
86 8一桂打
87 6九歩打
88 9五歩(94)
89 同 歩(96)
90 9六歩打
91 8八玉(98)
92 6七歩打
93 5八金(68)
94 2八龍(29)
95 5九歩打
96 2五龍(28)
97 6六銀打
98 4六飛(42)
99 9六香(99)
100 9七歩打
101 9四歩(95)
102 7二金(61)
103 9三歩成(94)
104 同 香(91)
105 9四歩打
106 同 香(93)
107 同 香(96)
108 9九角打
109 8七玉(88)
110 9八歩成(97)
111 同 玉(87)
112 6六飛(46)
113 9一角打
114 8三玉(82)
115 9七香打
116 9六歩打
117 同 香(97)
118 9七歩打
119 8七玉(98)
120 7七角成(99)
121 同 玉(87)
122 7六飛(66)
123 同 玉(77)
124 7五歩(74)
125 8七玉(76)
126 7六金打
127 8八玉(87)
128 7四玉(83)
129 4七角打
130 6五龍(25)
131 同 角(47)
132 同 玉(74)
133 7七歩打
134 9九角打
135 同 玉(88)
136 8七桂打
137 8九玉(99)
138 9九銀打
139 5六金打
140 投了
まで139手で先手の勝ち


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大山将棋研究(682);四間飛車に玉頭位取り(山口英夫)

2017-10-24 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

(負けましたが)後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20171024
昭和57年10月、山口英夫先生と第16回早指し選手権です。

山口先生も振り飛車党のはずですがすんなり譲って大山先生の四間飛車、山口先生は玉頭位取りです。

玉頭位取りの序盤は結構難しくて、この図は失敗です。少し前に吉田先生との将棋を並べましたが同じ失敗です。
正しくは有吉先生の指し方を見てください。

こうなると86角が動かせなくなって、手が詰まります。

大山先生は金を出て85歩。97角には84金から95歩があります。

角金交換で位が消えては山口先生は大失敗です。

金を打って攻めるのですが

角を打たれて

大山先生に大好きな馬を作られました。(46歩同歩47角成というのが筋なんですね。つい歩を取ってしまいそうですが。)

馬を引き付ければ大山先生が十分です。

気持ちの良い歩突きがあり

手順に飛をぶつけて交換します。

前に歩を突き捨てておいた効果でここに歩を垂らせました。

山口先生は角を取り返せましたが

金を2枚打ち付けられて困っています。

どうにか馬と交換してもらえましたが

受けはないですね。

投了図。

玉頭位取りは組むまでの手順が難しいです。これは居飛穴などの持久戦と同じことではありますが、終盤で得をしようと思えば序盤で苦労するのが道理です。振り飛車党が見様見真似でやるとひどいことになる場合があります。
大山先生の馬の使い方、美濃囲いの再構築、46歩の前後、いろいろ学べます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:山口英夫6段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 9六歩(97)
12 9四歩(93)
13 5六歩(57)
14 7二銀(71)
15 5八金(49)
16 7一玉(62)
17 5七銀(48)
18 4三銀(32)
19 6八銀(79)
20 5二金(41)
21 7五歩(76)
22 6四歩(63)
23 7七銀(68)
24 8四歩(83)
25 7六銀(77)
26 8三銀(72)
27 6六歩(67)
28 5四銀(43)
29 6七金(58)
30 6三金(52)
31 7七角(88)
32 7二飛(42)
33 8六角(77)
34 4五歩(44)
35 2五歩(26)
36 3三角(22)
37 6八金(69)
38 7四歩(73)
39 同 歩(75)
40 同 銀(83)
41 7五歩打
42 8三銀(74)
43 1六歩(17)
44 8二玉(71)
45 3六歩(37)
46 7四歩打
47 同 歩(75)
48 同 金(63)
49 7五歩打
50 8五歩(84)
51 7四歩(75)
52 8六歩(85)
53 同 歩(87)
54 7四銀(83)
55 2四歩(25)
56 同 歩(23)
57 3五歩(36)
58 同 歩(34)
59 3四金打
60 5一角(33)
61 3三歩打
62 7五歩打
63 8七銀(76)
64 2五角打
65 4四金(34)
66 4六歩(45)
67 同 歩(47)
68 4七角成(25)
69 2四飛(28)
70 2二歩打
71 2三歩打
72 1四馬(47)
73 2八飛(24)
74 2三馬(14)
75 5三金(44)
76 6三銀(54)
77 4五歩(46)
78 3三馬(23)
79 2三歩打
80 6五歩(64)
81 2二歩成(23)
82 同 飛(72)
83 同 飛成(28)
84 同 馬(33)
85 4三飛打
86 7二銀(63)
87 4一飛成(43)
88 4六歩打
89 5二金(53)
90 同 金(61)
91 同 龍(41)
92 3三馬(22)
93 6二金打
94 同 角(51)
95 同 龍(52)
96 6一金打
97 6四龍(62)
98 6三金打
99 3四歩打
100 6四金(63)
101 3三歩成(34)
102 4九飛打
103 7九歩打
104 4七歩成(46)
105 4二角打
106 6三金(64)
107 4三と(33)
108 2九飛成(49)
109 5五角打
110 7三金(63)
111 投了
まで110手で後手の勝ち
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20171024今日の一手(その590);挟撃で寄せる

2017-10-24 | 今日の一手

20171024今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、AさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

後手が32玉を42に移動して詰めろを避けたところです。

☆ 形勢判断をします。
桂と金歩歩の交換で、馬を作られていますが、先手の駒得です。ただし終盤なので重視しません。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は26飛は数えにくいですが66角と持ち駒金銀銀で4枚あります。
後手の攻め駒は74馬と持ち駒銀銀で3枚。24桂も入れてよさそうで、4枚に近いです。

総合すればやや先手もちです。

☆ 大局観として
先手が駒得なので受けておくのもあります。でも桂馬は取れるので取ってからでしょうね。安全に駒得できるので長期戦ならよしです。
1手前は後手玉が詰めろでしたし、33歩成や33角成がありますから寄せを考えたいです。どうやったら早く詰めろをかけられますか?


△ 自然な手は33歩成で

52玉に23と

から24桂を取って入玉狙いでどうか。例えば47銀39金36銀成24飛47馬38歩

入玉できそうでもありますが、まだはっきりしません。

もっと駒得ではなくて、寄せを考えるほうが良いのでしょう。43と

あるいは55桂54銀43と

で寄せを考えます。74馬の利きが41金まで届いているのに注意しなければいけませんが、先手が指せるはず。

戻って後手は51玉

と逃げておくほうが優ります。ここまで来れば71銀72飛82金

という手が見えやすくなると思います。金は82から打ってください。62から打って二枚換えで飛を取っても寄せにくいです。
47銀39金82飛同銀成38金18玉

先手玉に詰めろがかからず、後手玉は42銀からの詰めろです。(この追い方は2手違いですが、飛を渡すと詰めろなのでは先手の勝ち筋です。)

ということはやはり後手としては危なくても52に逃げて43と

のほうを検討したほうが良いのでしょうか。(43と ではなくて71銀72飛82金は同飛同銀成の時に後手玉が詰めろになっていない。)43同玉に46飛は寄りそうで寄らないので、黙って11角成としておきます。

先手よしですがまだはっきり勝勢にはなっていません。


△ 33角成も自然な手で

52玉71銀72飛82金

を見つけられれば先手優勢です。とはいえ先手玉に詰めろが続かないというのが前提で、(47銀39金82飛同銀成38金17玉39金に)55桂

としばって勝ち、ということになるのでまだ気が抜けませんが。


○ 実戦は71銀で

王手をかけないで銀を打つのが正しいのです。

45桂(ここまでは実戦)に82銀成

が一番強い勝ち方です。後手玉は詰めろ、先手玉は詰みなしです。

実戦は45桂に56歩と受けたのですが、72飛には62金

が簡明だったはず。後手玉は詰めろで一手一手の寄りです。

これを逃して33歩成52玉に82銀打?

多分秒読みに追われて金銀を打ち間違えたのでしょう。これで泥仕合になりました。35銀34金26銀43と63玉

と進んで後手の1手勝ちコースです。

後手の工夫は45桂ではなくて47銀

が何度か出てきた詰めろなのですが、受ける余地もありますし、47同金同馬に33角成52玉63銀

以下後手玉を上に追うのですが詰みがあります。


△ 左右挟撃なら72歩

は考えられます。72同飛には61銀

がかなり厳しいです。わずかに詰めろになっていないようですが。
45桂に62金が詰めろ、54歩に63銀

と絡んでおいて勝ち筋ですが、後手玉は詰めろではないので怪しい勝ち方です。


× 他に攻めるなら44歩

ですがかなりひねった指し方です。47銀43歩成51玉39金38銀打

33歩成51玉43と と指したよりも損をしている(桂を取っていない)ですし、43と自体が厳しくありません。


△ 受ける手は悪い手ではなく、47歩とか


47銀とか

33歩成か33角成の後で指す手かもしれませんが、先手やや有利ではあります。


☆ まとめ
すでに先手の攻め駒は4枚ありますから、さらに駒を取る33歩成や33角成は絶対手ではないです。
後手玉を6,7筋に逃がしてしまうとお手伝いになるかもしれません。

取らずに71銀が一番良い手です。72飛には62金と打てます。
もし手駒不足ならば72歩と節約するのですが、この場合は銀を打ったほうがはっきりしています。

33歩成や33角成と追った後でも、71銀72飛に82金と指せれば勝てます。まだ左右挟撃にできました。先手玉に案外詰めろが続かなかったためではありますが。

少し戦力不足の時は(この場合は26飛が攻めに働いていない)左右挟撃あるいは上から押さえる寄せを目指します。

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大山将棋研究(681);四間飛車に中央位取り(勝浦修)

2017-10-23 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番内藤先生の次の手は?

☆ 今日の棋譜20171023
昭和57年10月、勝浦修先生と第15回連盟杯争奪戦です。

大山先生の四間飛車に、勝浦先生は36歩を突いてから中央位取りです。石田流を嫌ったのでしょうか。

大山先生はそれが欲張りだと、中央から反発します。

もちろん銀を引くわけはなく、ぶつけて

歩をかすめます。この銀は死にそうなのですが

端角があるので

桂歩と銀の交換、馬を作っているので大山先生の駒得です。

陣容整備に入るのですが、64桂は打たないで馬を自陣に引き上げることを考えたほうが無難です。

勝浦先生は47金を利かして銀を逃げ

中央突破を狙います。大山先生は56歩とか、もっと前に謝るとかもあるのですが

と金を作り53銀を打たせます。

51金打が手堅いので長期戦でしょうか。でも57歩から寄せ合いのほうが紛れが少ないかも。

端を詰められ桂馬が逃げにくくて、差が詰まっていきます。

端に桂馬を放り込まれて、かなり嫌な感じです。

端は放置して と金や馬を使いました。

底歩を打ってかなり堅そうなのですが(57歩など上から受けたほうが良いのか)

飛車を切られて?

これが両取りなんですね。私には見えません。

それでも駒の損得はあまりありません。まだまだ。

竜と馬を取り合って、74同歩には63金でしょうか。

それを嫌って72玉に54歩。これが投了図です。54同銀に53金で悪いとはいえ、まだまだ指せそうなのですが、大山先生はもとが優勢だと思っていて嫌になったのでしょう。そんなことは滅多にないと思うのですが。

安全な勝ち方とは何か、並べながら考えてみると良いです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:勝浦修8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 8二玉(72)
19 5七銀(48)
20 7二銀(71)
21 5五歩(56)
22 5二飛(42)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 5六銀(57)
26 5四歩(53)
27 同 歩(55)
28 同 銀(43)
29 5五歩打
30 4五銀(54)
31 5七金(58)
32 3六銀(45)
33 4六歩(47)
34 1五角(33)
35 1六歩(17)
36 3七銀成(36)
37 1八飛(28)
38 2六角(15)
39 3七桂(29)
40 同 角成(26)
41 6八銀(79)
42 4二金(41)
43 7九金(69)
44 3三桂(21)
45 6六角(88)
46 6四桂打
47 4七金(57)
48 2七馬(37)
49 6五銀(56)
50 3五歩(34)
51 5八飛(18)
52 3六歩(35)
53 5四歩(55)
54 3七歩成(36)
55 5三銀打
56 4七と(37)
57 5五飛(58)
58 5一金打
59 9五歩(96)
60 4六と(47)
61 9四歩(95)
62 9二歩打
63 5二銀成(53)
64 同 金(51)
65 3四歩打
66 3二歩打
67 3三歩成(34)
68 同 歩(32)
69 9三桂打
70 4五と(46)
71 5九飛(55)
72 3八馬(27)
73 6四銀(65)
74 同 歩(63)
75 3一飛打
76 5一歩打
77 8一桂成(93)
78 同 銀(72)
79 5三歩成(54)
80 同 金(42)
81 同 飛成(59)
82 同 金(52)
83 3三飛成(31)
84 7四馬(38)
85 5三龍(33)
86 6二銀打
87 8六桂打
88 5三銀(62)
89 7四桂(86)
90 7二玉(82)
91 5四歩打
92 投了
まで91手で先手の勝ち


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第178回名南将棋大会(壱)速報

2017-10-22 | 名南将棋大会
今日は第178回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。

またも台風接近で参加者半減ですが、特別に大雨というほどでもなく無事終えました。

A級優勝
宮堂力旗さん


B級優勝
丹羽拓郎さん



優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。

過去12か月分の優勝者のまとめです。
(C級D級は繰り上げました)



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大山将棋研究(680);四間飛車に中央位取り(内藤国雄)

2017-10-22 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

(負けましたが)後手番大山先生の次の手は?

☆ 今日の棋譜20171022
昭和57年10月、内藤国雄先生と第30回王座戦第2局です。

大山先生の四間飛車に内藤先生は右64銀の急戦のようでしたが、右桂を跳ねました。とりあえずは65桂同歩77角成同桂86歩という狙いです。78銀と受けたら64銀もできるのですが

大山先生は56銀と受けたので中央位取りに。78銀でも中央位取りにすれば2手得ですね。最初から位を取るつもりだったのかも。

駒組みの後、内藤先生は4筋の歩を交換し

大山先生は7筋の歩を交換します。

大山先生は玉を堅くしておいて、なんとかさばこうという作戦です。72歩から と金つくりはその現われなのですが、この歩は形勢を悪化させることのほうが多いのだと思うのです。

と金を使うまでには手数がかかりますし、その間に内藤先生は角をさばくことができます。

57歩のたたきはいれるかどうか悩むところですが、本譜は57歩68金を入れてから歩を成り捨てて

角を成り、さらに桂を跳ねて好調です。もし57歩を入れていないと55歩から飛を使われるところでした。ということは57歩は好手だったと。

角を追って香を取れば駒得で

大山先生は桂馬を取ることでカバーするのですが、89馬から桂金の取り合いにしかなりません。

ここで63歩成97竜53と 以下手が続けばよいのですが、うまく72と を使えないので続きません。仕方なく88金と打って

竜を引き上げられたところでははっきり悪くなりました。

あとは と金を使っていくくらいしかないですが

角を殺され

97金が寂しく残っています。

あとは形つくりだけで

歩切れを突いた内藤先生の24香も光りました。

投了図。

内藤先生の快勝譜。当時王位でしたが、ノンタイトルとはいえ王座も獲得です。
玉を堅く構えて、あとはさばくだけ、という将棋は難しいですね。戦力不足だし、駒損になると先の見込みが悪くなります。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王座
後手:内藤国雄王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 6二銀(71)
5 7八銀(79)
6 4二玉(51)
7 6七銀(78)
8 3二玉(42)
9 6八飛(28)
10 1四歩(13)
11 1六歩(17)
12 5二金(61)
13 4八玉(59)
14 8四歩(83)
15 3八玉(48)
16 5四歩(53)
17 2八玉(38)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 4二銀(31)
21 4六歩(47)
22 5三銀(62)
23 5八金(69)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 9四歩(93)
27 3六歩(37)
28 7三桂(81)
29 5六銀(67)
30 5五歩(54)
31 4七銀(56)
32 5四銀(53)
33 6九飛(68)
34 6四歩(63)
35 9八香(99)
36 8四飛(82)
37 5九角(77)
38 5三銀(42)
39 2六歩(27)
40 4二金(41)
41 9六歩(97)
42 4四歩(43)
43 7九飛(69)
44 4五歩(44)
45 同 歩(46)
46 同 銀(54)
47 4六歩打
48 5四銀(45)
49 7五歩(76)
50 同 歩(74)
51 同 飛(79)
52 7四歩打
53 7九飛(75)
54 6五歩(64)
55 7二歩打
56 6六歩(65)
57 7一歩成(72)
58 8六歩(85)
59 同 角(59)
60 5六歩(55)
61 同 歩(57)
62 5七歩打
63 6八金(58)
64 6七歩成(66)
65 同 金(68)
66 8八角成(22)
67 5九飛(79)
68 6五桂(73)
69 7二と(71)
70 8七馬(88)
71 9七角(86)
72 9八馬(87)
73 5五歩(56)
74 4三銀(54)
75 6三歩打
76 同 金(52)
77 6四歩打
78 同 金(63)
79 6六歩打
80 8九馬(98)
81 6五歩(66)
82 6七馬(89)
83 6四歩(65)
84 8七飛成(84)
85 8八金打
86 8三龍(87)
87 4五桂打
88 4四銀(53)
89 6二と(72)
90 2四香打
91 3七銀(38)
92 8六金打
93 3八金(49)
94 9七金(86)
95 同 金(88)
96 8八龍(83)
97 6三歩成(64)
98 6五角打
99 5二と(62)
100 4七角成(65)
101 4二と(52)
102 同 玉(32)
103 4八金打
104 2六香(24)
105 同 銀(37)
106 4八馬(47)
107 同 金(38)
108 同 龍(88)
109 3八金打
110 3五桂打
111 5三と(63)
112 3一玉(42)
113 投了
まで112手で後手の勝ち
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20171022今日の一手(その589);中盤の好手探し

2017-10-22 | 今日の一手

20171022今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、TさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

少し前から見てみます。

先手の角換わり右玉で後手は棒銀でした。しばらく進んで

29飛を69に回り、6筋を制圧したところでは先手よしのはず。後手は逆転狙いで端を突きました。
ここで74歩62銀64角とか、64歩とか、先手が十分に指せたのですが、
56銀引64歩74歩同銀64飛63銀69飛64歩と進み端に手を戻した15歩17歩で問題図です。

一つ前の図と比べると、後手の73銀が63に移動して位置が良くなって、64歩56銀が入った格好ですから、後手が得したのです。

☆ 形勢判断をします。
後手は持ち歩を使い切って端を攻めましたから、先手の2歩得です。
玉の堅さはやや後手のほうが堅いか。
先手の攻め駒は69飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は82飛11香と持ち駒角で3枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
端を攻められたのですから、まずは受ける手があるかどうか考えます。
先手玉は4筋ですから、端はたいしたことがないとみて攻め合うのも考えられます。
あまりゆっくりできないので、方針を決めなければなりません。
受けますか?攻めますか?どの筋に目が行くでしょうか?


× 17同香は28角

ですね。39角と打てば馬を作られるだけなのですが、そのあとに角を使えませんから、難しい局面とは言え好んで指したくはありません。


× 38銀15香27銀

と銀を持って来れば受かるのかと思いましたが、18歩成同香17歩

受けたのに駒損ではつまりません。(16歩にも同香以下損失を取り返せない。)


△ 38玉15香27玉と

玉を持って来れば受かります。18歩成同香同香成同玉

後手は角香だけ(33銀が進出していたりすると面倒ですが)なので収まります。ただ先手は1,2筋に手を入れなければいけないので損しているのかも。


○ 14歩と伸ばすと

14同香に12歩

と逆に攻めます。22銀は利かされで45歩

が良い調子になります。

また、13から歩を打つのもあって

22金なら大きな利かしです。
12歩か13歩を手抜くと同じ図になるのですが、18歩成12歩成(か11歩成)19と21と

という取り合いです。この時に19と よりも21と のほうが働いています。例えば17香成25桂24銀11角

と進めば先手有利です。


△か× 25桂は22銀

と引かれた時に24歩が残るので忙しくなります。14歩と突きだせば死なないのですが、やや指し過ぎではないかと。
25桂に24銀と応じてもらえるならやや得だとは思います。


△か○ 実戦は45歩で

先に56銀引としたのですから、4筋を攻めるのは手の流れからは当然です。後手は手抜きも考えられましたが、15香には12歩か13歩を打てば良いです。
よって45同歩に同桂44銀77角43金右46歩

自陣角で攻めたのですが、最後に46歩と打つのがしゃくなんですよね。打たないで65歩があったかどうか。
ここから15香65歩62飛55銀

と攻め、55同銀同角54銀63歩成

と歩を成り捨てたのが軽かったか。63銀と打ちこむほうが普通です。ここから飛交換になり打ちあって

こういう図です。先手玉が左に逃げきれず悪くなってしまいました。

戻って、45歩を取ってもらえたら65歩

自陣角(77角)を打つ前に65歩のほうが受けにくかったはず。狙いは65同歩55角73歩45桂

です。角打ちが先手で入れば良くなります。


○ 65歩は

手の流れはおかしいのですが、65同歩同銀15香64歩72銀13歩

6筋を押さえこんで端を逆用すればかなり指しやすくなっています。(後手は他の応手もあるようでないのです。)


○ 55銀も同じような意味で

64の地点を狙っています。15香に13歩

というのは同じことで先手よし。

後手は86飛87歩84飛

と受けるくらいか。66角(45歩54歩に決行するのもある)74飛75歩84飛44銀

65歩33銀成同桂55角64銀

じっと88角と引いて35歩ねらいで先手よしです。


△ 74歩は

しゃれた感じです。74同銀に64飛では千日手(63銀69飛64歩)かもしれませんが、45歩同歩同桂

と攻めて64飛が狙えます。
ただ後手は74同銀の一手ではないのですが、攻めの幅が広がるので良さそうに思えます。


○ 最後は77桂

と使う手で、86飛には65歩同歩97角

と後手玉をにらみながら6筋を攻めます。82飛64歩54銀65銀

と進めば先手よしか。

77桂に15香だと

76歩の傷があるので13歩とか12歩で良しとは言いにくいのですが、65歩76歩85桂18歩成64歩54銀74歩

後手の端攻めよりは6,7筋を遊んでいた桂馬で攻める方が速くなってしまいました。


☆ まとめ
形勢互角ですから何か好手が欲しいです。その好手は15香に13歩や12歩という返し技。これが見えていれば端を攻められるのは歓迎でした。
右玉に対しての端攻めは急所ではあるのですが、ここでは後手陣に不備がありました。

その筋が分かっていれば、わざわざ14歩と突きださなくても、なにか有効な手を指して待っていればよいわけで、65歩や55銀なのでしょう。
65歩は同歩同銀と進めば先手が得をしています。
55銀は力をためて64銀や45歩をみせています。

実戦の45歩も悪くはないです。ただし45同歩の時にどうするかを悩みます。強く攻めてしまうと後手の15香を期待できないというジレンマがあります。それでも65歩同歩55角(これが好手になる)とすれば、中央で戦って十分に指せました。

他の好手としては77桂で、後手が歩切れですし、1歩手に入れられてもまだ死なないのです。跳ねるチャンスでした。65に跳ねられたら文句なしですが、85に跳ねて82飛の動きを制するのも十分な使い方です。

ということで、端を逆用する筋、両狙いの55角、遊び駒を攻め駒に使う77桂、どれかの好手が実現すれば形勢が良くなります。
問題図では形勢互角、あれこれ考えて良い手がひらめいて実現する、中盤ではこういうのが楽しいのですよね。

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大山将棋研究(679);中飛車に居飛車穴熊(加藤一二三)

2017-10-21 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?

☆ 今日の棋譜20171021
昭和57年10月、加藤一二三先生(当時名人)と第24期王位戦です。

大山先生の四間飛車に加藤先生は居飛車穴熊です。まだいろいろな戦法を指していた時期です。たまには居飛穴もありました。

ここで現代なら44角~33角の千日手ねらいでしょうか。大山先生はやりませんが。44角に36飛32飛~35歩26飛36歩、という指し方を見たことがあります。今なら居飛穴が堅くないと。

組上がりは居飛穴のほうが早くなって、加藤先生が仕掛けます。

1歩持てば十分な序盤と言えるでしょう。

32歩よりは36飛の揺さぶりのほうが良いのかも。

大山先生は金を守りに使います。そのつもりでこれまで52金のままだったのでしょう。

銀金交換でさばきあいです。

加藤先生は素直に21飛成ではありませんね。52飛を嫌がりましたか。でも31飛22飛成71飛はあまり良いとは思いませんが。

大山先生は香のほうを守ったので飛を封じられました。

銀を投入して受けに回ります。52金なら26馬でしょう。

加藤先生は33金から34の歩を払います。ゆっくりした手ですが

角を35に使おうという意味でした。でも穴熊を薄くされるのも嫌なものですが。

大山先生は桂を渡すのを嫌って銀に逃げられてしまいました。ならばここで75歩としておくものですが

桂を取られては大損していると思います。

後から手をかけて銀を取りに行くのでは変調で

加藤先生はその間に と金を作りました。

絡まれて受けにくそうでも

金を取れて

打ってしまうのが強い受けです。

二枚換えでも馬を消して68歩の味が良く(こんなことなら銀不成のほうが76銀成と使えたか)

大山先生は適当な手がありません。成銀を捨てて迫るのは形つくりです。

投了図。

組上がりは穴熊が十分なのですが、振り飛車が普通に組んでも結構戦えるものですね。加藤先生がうまく攻めたというよりは、大山先生が少し間違えている感じで、一手負けになってしまいました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:加藤一二三名人
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 5七銀(48)
16 7二銀(71)
17 7七角(88)
18 5四歩(53)
19 8八玉(78)
20 5三銀(42)
21 9八香(99)
22 6四銀(53)
23 6六銀(57)
24 4五歩(44)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 9九玉(88)
28 4二飛(52)
29 2六飛(28)
30 5二金(41)
31 8八銀(79)
32 9四歩(93)
33 7九金(69)
34 7四歩(73)
35 6八金(58)
36 8四歩(83)
37 7八金(68)
38 8三銀(72)
39 6八角(77)
40 7二金(61)
41 3六歩(37)
42 9五歩(94)
43 3七桂(29)
44 8五歩(84)
45 2四歩(25)
46 同 歩(23)
47 3五歩(36)
48 同 歩(34)
49 同 角(68)
50 3四歩打
51 6八角(35)
52 1四歩(13)
53 3二歩打
54 同 飛(42)
55 5五歩(56)
56 4三金(52)
57 5四歩(55)
58 同 金(43)
59 5五歩打
60 同 金(54)
61 同 銀(66)
62 同 角(33)
63 2四飛(26)
64 3七角成(55)
65 4三金打
66 1二飛(32)
67 2一飛成(24)
68 1九馬(37)
69 2四歩打
70 2二歩打
71 7七角(68)
72 5五歩打
73 5四桂打
74 3七馬(19)
75 5一龍(21)
76 7三銀打
77 3三金(43)
78 1五歩(14)
79 3四金(33)
80 8四桂打
81 6八角(77)
82 7六桂(84)
83 3五角(68)
84 5三香打
85 7七銀(88)
86 5六歩(55)
87 4二桂成(54)
88 5七歩成(56)
89 7六銀(77)
90 5五馬(37)
91 8八金(79)
92 7五歩(74)
93 8五銀(76)
94 8四歩打
95 5四歩打
96 8五歩(84)
97 5三歩成(54)
98 6七と(57)
99 同 金(78)
100 7八銀打
101 6三と(53)
102 5三歩打
103 7二と(63)
104 同 銀(83)
105 6六金打
106 6七銀成(78)
107 5五金(66)
108 同 銀(64)
109 7四歩打
110 同 銀(73)
111 5三龍(51)
112 6三歩打
113 6八歩打
114 8六歩(85)
115 6七歩(68)
116 8七歩成(86)
117 同 金(88)
118 8六歩打
119 8四銀打
120 8七歩成(86)
121 7一角打
122 投了
まで121手で先手の勝ち

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大山将棋研究(678);三間飛車に45歩急戦(石田和雄)

2017-10-20 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20171020
昭和57年9月、石田和雄先生と第9回名将戦です。

大山先生の後手三間飛車というのが珍しいです。これは急戦を仕掛けられるからで、石田先生なら当然。大山先生は早囲いから

とりあえず45歩に備えます。22飛と52金左が間に合えばよいです。

57銀左までもっていって55歩から仕掛けるというのが定跡です。ただし大山先生は金美濃で違いがどこに出るか。

55同歩に45歩、45同歩は同桂44角54歩で居飛車よし。

43銀に46銀と出るというのが57銀左まで持っていった効果です。56歩もありますが

大山先生は54銀の方でした。石田先生は当然銀をぶつけて交換になり

金を上がって45歩には55銀44銀同金(44歩と打つよりも1歩節約して)23歩

23同飛に変な筋ですが32銀22飛21銀成。後に23飛と修正された(15桂と打たせて21飛と取る)のですが、当時は最新でしょう、21同飛に

45桂。21桂を消去したので桂馬を跳ねられるという意味でした。

これで金を取れば先手優勢というわけではなく、41飛と返されます。42歩同飛11角成から

飛車をさばいてひと段落です。新しい(といっても20年くらい前ですが)定跡は居飛車が15桂を無駄打ちしているので振り飛車よしです。この場合は桂が手持ちなので少し居飛車が良いでしょう。
さて重いようでも52金が正しいのだと思いますが

石田先生は54桂から52香。これで角を取れるので良さそうな手順ではあるのです。

大山先生は飛を引いて桂を取り

二枚換え。これは52金なら金と角を交換できたのですが、桂香で角を取っているわけですから石田先生は少し損をしています。

手順に飛をいじめて香を打たせた、ともいえるのですが、黙って飛をさばくか、馬を引いておくほうが良いのではないかという気はします。

24飛とさばいて馬飛の交換、そこで32銀打というのが良い粘りの手でした。石田先生はここで難しいと思いなおしたのではないかと。

44角が好点で

底歩を打てば後手玉が遠くなりました。すると石田先生は受けなければなりません。

角を合わせてのやりとりで77桂66歩を強いられたのですが、どこかで駒得を生かすために持ち駒の金を投入すべきでした。この図あたりでは逆転しています。

形勢が良くなると大山先生に気持ちの良い手が出てきます。84桂が入り

55桂が入り

さらに26角がうまく受けられなくて、石田先生は寄せ合いを選びます。

しかし大山先生に金を打たれてはそれまで。

投了図です。

この定跡は私も指したことがありまして、20年くらい前でしょうか。その時はは居飛車よしだったけれど振り飛車から新しい変化が出されて、今ではどちらが良いとなっているか。当然後手三間飛車を指す先生は研究しているわけで、自信があるのでしょう。定跡本を参照してください。
終盤に入って大山先生の76手目32銀打以下は振り飛車党なら是非並べてほしいです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:石田和雄8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 5六歩(57)
16 5四歩(53)
17 3六歩(37)
18 6二銀(71)
19 4六歩(47)
20 5二金(41)
21 3七桂(29)
22 2二飛(32)
23 6八銀(79)
24 8二玉(72)
25 5七銀(68)
26 7二金(61)
27 5五歩(56)
28 同 歩(54)
29 4五歩(46)
30 4三銀(42)
31 4六銀(57)
32 5四銀(43)
33 2四歩(25)
34 同 歩(23)
35 5五銀(46)
36 同 銀(54)
37 同 角(88)
38 4三金(52)
39 7七角(55)
40 4五歩(44)
41 5五銀打
42 4四銀打
43 同 銀(55)
44 同 金(43)
45 2三歩打
46 同 飛(22)
47 3二銀打
48 2二飛(23)
49 2一銀成(32)
50 同 飛(22)
51 4五桂(37)
52 5一角(33)
53 4四角(77)
54 4一飛(21)
55 4二歩打
56 同 飛(41)
57 1一角成(44)
58 4五飛(42)
59 5四桂打
60 5三銀(62)
61 5二香打
62 4一飛(45)
63 2二馬(11)
64 5四銀(53)
65 5一香成(52)
66 同 飛(41)
67 3三馬(22)
68 5三飛(51)
69 4四馬(33)
70 5一香打
71 2四飛(28)
72 4三銀(54)
73 5三馬(44)
74 同 香(51)
75 5七歩打
76 3二銀打
77 2二飛成(24)
78 4四角打
79 3一龍(22)
80 4一歩打
81 7七角打
82 同 角成(44)
83 同 桂(89)
84 5五角打
85 6六角打
86 同 角(55)
87 同 歩(67)
88 4五角打
89 8八玉(78)
90 8四桂打
91 6七角打
92 同 角成(45)
93 同 金(58)
94 5五桂打
95 5八角打
96 2六角打
97 2二飛打
98 4八角成(26)
99 3二龍(31)
100 同 銀(43)
101 同 飛成(22)
102 6七桂成(55)
103 同 角(58)
104 4二金打
105 6五桂(77)
106 5七香成(53)
107 投了
まで106手で後手の勝ち




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20171020今日の一手(その588);守る時には駒得

2017-10-20 | 今日の一手

20171020今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、KさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の3歩得です。後手の持ち歩がなくなりましたから、先手の駒得だと言えます。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は28飛68角で2枚。
後手の攻め駒は82飛22角65銀で3枚。

総合すれば後手が指しやすそうです。

☆ 大局観として
後手は流行の対矢倉左美濃の急戦ですね。こういうのもあって矢倉の将棋が減っています。(矢倉が減っているのでは流行しているとも言えませんね。)
後手は玉を囲って63金は上がりたくなかったとは思いますが、それでも先手玉よりは堅い状況で先行しました。
先手としては手堅く矢倉に囲ってから攻めたかったのですが、まだ居玉で攻められるのは嫌なものです。
さて、問題図は実質2通りの選択肢しかありません。65歩と取るか、76歩を取るか(これはどちらで取っても同じことになります)どちらを選びましたか?


× それ以外の選択肢は24歩同歩

これくらいは入りますが、さらに23歩から攻めるというわけにもいかないでしょう。手が戻るなら1歩渡しているだけ損をしています。


× あるいは88銀

と逃げる手か。66銀76金で収まればよいですが、67銀不成

で駒損になってしまいます。

となれば66同金

は仕方なく、66同角67銀75角

この歩をかすめ取られるのは損でしょう。


○ ということで2つのうちどちらか。65歩を見てみると

77歩成に同桂は86飛87歩84飛

右銀を使いたいのですが57銀は85桂

と跳ねられて、85同桂は99角成ですし、66銀77桂成同角54桂

と攻められるのも嫌な感じです。

ならば76銀

と投入して57銀~66銀までできれば十分指せるのですが、66歩57金54金

というのは後手の調子が良いです。36歩67銀同銀同歩成同金寄65桂66歩77桂成同金直

後手の攻め駒が増えた(持ち駒になった)わけで、また65歩同歩同金66歩76歩というのでもよさそうです。85桂も受けにくそう。

戻って77歩成を同角

と取るほうが良いでしょう。先ほどの変化は先手の角が使えていなかったので交換してしまいます。77同角成同桂86飛87歩

後手から89角がありますが、68金引

でどうにか耐えているか。

87歩に82飛なら55角

で64歩を狙います。44銀と打たせて46角

か66角か悩むところですが、2つの位が生きていて、突き出しで反撃できそうです。これなら先手も十分指せます。


△ 実戦は76同銀と取って

66銀同金同角、という順ですが

△ 76同金

76同銀同銀66角でも同じ図です。

そして77銀

先手が居玉なので48銀にひもがついているのが幸いして、27金という攻め筋は無効です。
33角に74歩同金75歩という反撃が連続疑問手でした。65金

と出られて、歩を渡して後手の攻め駒を増やしてしまった、という図です。遅ればせながら46角とけん制しましたが、76金73角成67金打で

(ここは77金82馬78金でも指せましたが)詰めろ、67同金同金58銀同金同玉77角成同桂86飛

とさばいて後手の勝勢です。22歩に88飛成68歩67歩

と攻めれば一手一手の寄りです。

さて74歩と呼び込んだのは疑問手ですが、普通は66歩と守ります。

85歩同歩同桂88銀66角

と手順に攻められるては後手有利でしょう。変化はありそう(85歩を手抜くとか)ですが、先手がうまくはありません。

46角と角を使う

のが最善です。45金は気になっても、64歩62金74歩

構わず桂を攻めて、46金73歩成同金46歩

金は後で取り返せば良いだけです。こういう二枚換えなら先手よし。

46角には84飛

と備えられてこれから。なのですが先手は持ち歩が多い(得している)とはいえ金銀交換で銀を打たされています。48の銀が67にあれば指せますが、持っていくのは大変です。
現状は互角でも後手が指しやすいのでしょう。


☆ まとめ
65歩と取ってこの図

くらいまで読んでおきます。
角の交換は攻めている後手の得、ということも多いですが、どうせ守りには役立っていないのですから交換したほうがすっきりしています。攻めの銀と守りの銀を交換したのは損ですが、65歩75歩を生かす展開にならないかなあ、と考えます。何よりもこの図は先手が駒損していないのです。

76同銀か同金はこの図

で角を引かせたくらいまで読んでおきます。
守りの金を攻めの銀と交換させられて、その銀を自陣に打つ、というのは損です。駒損で長期戦を考えているということにつながりますし。
この図は駒損(たいした損ではないですが、金銀交換は守りの金が無くなっていることになります)で攻め筋がないです。46角と使って互角になるかどうか。

みなさんこの2つの図(の1手先)くらいを読んで比較したと思うのですが、どちらが得か分かったでしょうか。
守っているのに駒損は避けたいです。それが金銀交換や銀桂交換くらいであっても。相手が駒得で攻めていれば自分が悪い、と判断してください。ほぼ間違いはないです。
もっとも駒得でも安心できるわけではないというのがつらいところで、攻められている場合のほうが形勢判断は難しくなります。逆に攻めている方は駒損になるのが普通ですから、攻めが細くなり、攻め切れるか、あるいは駒を渡して反撃がきつくなるか、ということがつらいでしょう。



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