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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20180717今日の一手(その724);玉頭戦のコツ

2018-07-17 | 今日の一手

20180717今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、OさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。手順前後も同じようになりますが、できれば少し先まで。


一昨日の一手の回答

2手前の図

で44金から追えば後手玉に詰みがありました。42角成34玉と詰み逃しをしたのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はほとんどなくて、先手が馬を作っているだけの得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は42馬53銀37桂と持ち駒金で4枚。
後手の攻め駒は21飛36金と持ち駒角金銀で5枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として

何手で詰めろになるかを数えるのが難しいです。それは互いの玉が近づいているので、攻防の手が出やすいからです。元は相振り飛車だったのですが、玉頭戦になったようです。
玉頭戦では少々の駒の損得は関係なくなり、どちらが互いの玉の上を制圧するかが勝敗を分けます。
今のところは後手の36金21飛が働いています。これらの駒を消去するか働かなくさせる手段を考えます。


× 実戦は47飛、歩を払ったのですが27歩

47歩をを取るならば42角成34玉を決める前ならば王手だったのです。47飛は詰めろですが、27歩は痛いです。39玉47金

と進んで詰めろ。47同銀27銀とも詰まされますから受けなしです。35歩には23玉でも35同玉36歩26玉でも勝てません。

27歩に同銀としても

27同金同玉26飛同玉35角27玉36銀38玉27金39玉28銀

以下詰みがあります。詰みがなくても(逃してもらえても)35角が攻防で入り、37桂を外されて玉頭を制せられると勝ち目がありません。


× 47銀も26飛

簡単に詰んでいます。


× 飛車を逃げるならば58飛

が詰めろですが、やはり27歩同銀同金同玉26飛同玉35角

以下27玉26銀38玉27銀打47玉36銀成

ならば詰んでいますし、詰みを逃してもらっても勝てません。


○ 玉頭戦では27金打

とにかく駒を互いの玉の間に打つのが好手になりやすいです。27同金同銀48歩成35歩同玉33馬

でも勝てそうですが、38金以下入玉される(けれど単独トライなので捕まえられそう)のは嫌な感じです。

と金を払っておくほう

を勧めます。88飛には58歩や49歩で受けられます。

27金には46金打

がややこしくて、金を取って打っての千日手含みで粘られます。打開は47飛27金同銀47金

実戦と違うのは後手から27歩を打たれないことにあります。だから27銀が残るのです。35歩同玉36金34玉35歩23玉48歩

というのは先手の勝ち筋です。玉頭戦を制したというのがわかりますね。

後手は35歩に23玉

と逃げるのが難解です。

先手は35歩のタイミングに気をつけねばならず、47飛の前に35歩

が正しいようです。35同金には47銀で勝ち筋。24玉は金を取って詰めろ、23玉は36金同金34金12玉33馬

後手玉が移動して33桂が無くなれば27歩同銀同金以下も詰み筋が消えています。

35歩には同玉47飛同金直

が余計な変化になるのですが(35歩同玉が入っていなければ36金と取って簡単でした)、36金同玉27金46玉47銀同玉33馬

後手玉は裸ですから捕まります。


○ 最初に35歩

としても、先ほど27金46金打で35歩と打つ場合と同じ変化になります。


○ 52馬の王手は

43歩を打てないタイミングです。43銀同馬同玉44金32玉34歩

後手玉が移動したので先手玉は詰まず、受けもないので先手の勝ちです。

後手は合駒を打てず、35玉とかわして27金打

というのがやはり好手で、46金打の時に47飛27金同銀47金

36金24玉48歩

というのは同じようなもので先手の勝ち。

47飛に同金直は

36金同玉27金46玉・・・というときに33桂を取れないわけですが(取れなくても34馬で詰めろになる)、36金同玉47銀同玉48歩

以下34馬と引けるので即詰みもあります。


△ 43馬と捨てて

43同玉44金32玉34歩

これは後手玉の位置が変わったので先手玉が安全になったという気がするのですが、24銀と受けられて33歩成同銀同金同玉25桂打24玉27銀打

というのが進行例で、よくわからない攻防です。


× 44金35玉

と追っても詰みませんし受けが無くなります。


△ 33馬と切ると

33同玉25桂打に34玉35歩

というのは難解です。

25桂打に23玉44銀不成24角

というのも難しいです。飛車取りが残っているので調べれば後手が良いような感じです。


☆ まとめ

玉頭戦というのは対抗型の位取りとか銀冠の対抗とかで起こりやすいのですが、互いの玉の間に自分の駒を多く残すことが大事です。少し駒損になっても、王手も交えつつ自分の持ち駒をべたべた打っていけば有利になりやすいものです。さばく感覚とは正反対の感じです。要所にある盤上の駒のほうが手駒よりも価値が高いのが玉頭戦です。

だから27金と打つのが本線で、その前に52馬や35歩を入れるかどうか。相手玉を呼びこんでから制圧したほうがより勝ちやすいということもあります。



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