棋譜並べの効率的な方法について
Nさんからコメントを何度かいただいて、あれこれ考えてみました。
☆ 盤駒を使って並べるか、パソコンで並べるか、頭の中で並べるか
この頃だとヴァーチャルリアリティ(VR)が(また)話題になっていますが、人間の大脳で認識する、ということなら、実際の体験と頭の中での体験というのは同じことだそうです。
つまり盤駒を使っても、パソコンソフトの上で並べても、あるいは頭の中だけで並べても、経験としては同じだと。
ただしリアルに盤駒を使うと、手を使うということがプラスになります。郷田先生はよい手は(自分の)手が知っているといい、何度も並べることで自然に右手が正しいところにいくのだ、ということなのでしょう。私はどちらの手でも将棋を指せるようにしていますが、もちろん右手と左手で指す手が違うということはありません。これは反復練習することで、小脳だけで、(大脳を経由しなくても)反射的に動かせるようになった、ということなのでしょう。
また、複数のプロの先生が、棋譜のデータベースをパソコンで見ていても、気になる棋譜は印刷して実際に並べるとも言います。
こういう話を聞くと判断が揺らぐのですが、脳科学的には盤駒でもパソコンでも同じです。
私自身、ここ何年も盤駒を取り出していなくて、もっぱらパソコンで並べています。というのは、入力再生の早さはパソコンが圧倒的に速いのです。打ち込むだけなら10分、再生は2,3分でもできます。盤の上下をひっくり返して再生する手間も一緒です。また、気になる変化を枝分かれで記録しておくこともできます。後で並べなおすのも簡単です。
盤駒を使っていたころは、並べるのに15分、なるべく棋譜を見ないでもう一回、上下ひっくり返してもう一回、とやっていると1時間半くらいはかかります。右手ばかり使っていると疲れるので、左ても使うようになり、左手でも指せるようになりました。変化を考えているともっと時間がかかります。毎日できる時間のレベルではありませんでした。
私はプロの棋譜を並べるかどうかを取捨選択する際に、頭の中で並べて判断しています。頭の中で9×9の盤面と持ち駒まできれいに並ぶとよいのですが、そのレベルには達していません。でもまあ部分だけでも動いているところは追えるのでまあいいいか、と気楽にやっています。少しは読みを鍛える効果があります。
この頃は眠る時にその日並べた棋譜を思い出しながら眠ります。つまり頭の中だけでも並べる効果は同じだとして活用しているわけです。
これはスポーツ選手も行うところのイメージ訓練です。
つまりどの方法でもよいから(どれでも効果があるから)自分の気に入った方法で続けるのが良いというのを結論にします。
☆ 並べる速さをどうするか
これはその人の将棋の能力が、読みを中心としているか、ひらめきを中心としているかに関係します。
読みを中心とするなら時間をかけて確認していくほうが良いです。自分の読む速さに合わせて盤駒を動かすか、ソフトを動かす(入力する、再生する)か、早くしなければいけない何ていうことはありません。自分の読みの速さに合わせて動かせばよいのです。
ひらめきを中心としているなら、速さを意識します。盤駒で並べているうちは限界がありますが、パソコンソフトで再生するならどんな速さでもできるので、たまには思い切って高速で再生してみるのも面白いです。
ひらめきの本質は検索能力ですから、速く再生することにも意味がありますし、大量にインプットすることにも効果があります。
お勧めは自分で心地よく思える速さです。目安として、次の日でもなんとなく覚えている位の回数を繰り返すとよいと思います。できれば24時間後に並べなおすと、記憶が定着します。(短期記憶が長期記憶になる。)
☆ 同じ棋譜を繰り返すか、新しいものを使うか
これも得意な能力によります。(鍛える方法を変えるほうが良いという意味で。)
読みを中心とするなら、形勢の差が少ないよい勝負のもの、質の高いものを選び、気になる変化を思いきり検討します。つまり「量より質」でよいです。昔検討した棋譜を、忘れたころに検討しなおす、というのも良さそうです。
ひらめきを中心としているなら、「質より量」です。へぼ将棋を何度も並べると悪い癖がつくかもしれませんが、まあプロの棋譜ならよいでしょう。ただし自分の好きな戦型があるなら、それを選んでいくつも並べてみることをお勧めします。こういう時にはこういう手を指すものだという感覚がわかってきやすいと思います。
解説がある棋譜を並べ、この手が良かった、悪かった、とあればそれを理解し、その悪い手のためにこういう流れになった、というのも意識してみると面白いです。ひらめきは正確さを大局観で補っておくとよいです。
棋譜並べは万能の勉強方法で、たとえ詰め将棋が苦手でも、これなら楽しく続けられるのです。
盤駒を使わなくてもよい時代になってきました。棋譜も入手しやすいです。好きな方法で、好きな速さで、好きなだけやってみるとよいです。好き、楽しいというのがキーワードで、それはあなたの脳が、心地よく刺激を受けている証拠です。
Nさんからコメントを何度かいただいて、あれこれ考えてみました。
☆ 盤駒を使って並べるか、パソコンで並べるか、頭の中で並べるか
この頃だとヴァーチャルリアリティ(VR)が(また)話題になっていますが、人間の大脳で認識する、ということなら、実際の体験と頭の中での体験というのは同じことだそうです。
つまり盤駒を使っても、パソコンソフトの上で並べても、あるいは頭の中だけで並べても、経験としては同じだと。
ただしリアルに盤駒を使うと、手を使うということがプラスになります。郷田先生はよい手は(自分の)手が知っているといい、何度も並べることで自然に右手が正しいところにいくのだ、ということなのでしょう。私はどちらの手でも将棋を指せるようにしていますが、もちろん右手と左手で指す手が違うということはありません。これは反復練習することで、小脳だけで、(大脳を経由しなくても)反射的に動かせるようになった、ということなのでしょう。
また、複数のプロの先生が、棋譜のデータベースをパソコンで見ていても、気になる棋譜は印刷して実際に並べるとも言います。
こういう話を聞くと判断が揺らぐのですが、脳科学的には盤駒でもパソコンでも同じです。
私自身、ここ何年も盤駒を取り出していなくて、もっぱらパソコンで並べています。というのは、入力再生の早さはパソコンが圧倒的に速いのです。打ち込むだけなら10分、再生は2,3分でもできます。盤の上下をひっくり返して再生する手間も一緒です。また、気になる変化を枝分かれで記録しておくこともできます。後で並べなおすのも簡単です。
盤駒を使っていたころは、並べるのに15分、なるべく棋譜を見ないでもう一回、上下ひっくり返してもう一回、とやっていると1時間半くらいはかかります。右手ばかり使っていると疲れるので、左ても使うようになり、左手でも指せるようになりました。変化を考えているともっと時間がかかります。毎日できる時間のレベルではありませんでした。
私はプロの棋譜を並べるかどうかを取捨選択する際に、頭の中で並べて判断しています。頭の中で9×9の盤面と持ち駒まできれいに並ぶとよいのですが、そのレベルには達していません。でもまあ部分だけでも動いているところは追えるのでまあいいいか、と気楽にやっています。少しは読みを鍛える効果があります。
この頃は眠る時にその日並べた棋譜を思い出しながら眠ります。つまり頭の中だけでも並べる効果は同じだとして活用しているわけです。
これはスポーツ選手も行うところのイメージ訓練です。
つまりどの方法でもよいから(どれでも効果があるから)自分の気に入った方法で続けるのが良いというのを結論にします。
☆ 並べる速さをどうするか
これはその人の将棋の能力が、読みを中心としているか、ひらめきを中心としているかに関係します。
読みを中心とするなら時間をかけて確認していくほうが良いです。自分の読む速さに合わせて盤駒を動かすか、ソフトを動かす(入力する、再生する)か、早くしなければいけない何ていうことはありません。自分の読みの速さに合わせて動かせばよいのです。
ひらめきを中心としているなら、速さを意識します。盤駒で並べているうちは限界がありますが、パソコンソフトで再生するならどんな速さでもできるので、たまには思い切って高速で再生してみるのも面白いです。
ひらめきの本質は検索能力ですから、速く再生することにも意味がありますし、大量にインプットすることにも効果があります。
お勧めは自分で心地よく思える速さです。目安として、次の日でもなんとなく覚えている位の回数を繰り返すとよいと思います。できれば24時間後に並べなおすと、記憶が定着します。(短期記憶が長期記憶になる。)
☆ 同じ棋譜を繰り返すか、新しいものを使うか
これも得意な能力によります。(鍛える方法を変えるほうが良いという意味で。)
読みを中心とするなら、形勢の差が少ないよい勝負のもの、質の高いものを選び、気になる変化を思いきり検討します。つまり「量より質」でよいです。昔検討した棋譜を、忘れたころに検討しなおす、というのも良さそうです。
ひらめきを中心としているなら、「質より量」です。へぼ将棋を何度も並べると悪い癖がつくかもしれませんが、まあプロの棋譜ならよいでしょう。ただし自分の好きな戦型があるなら、それを選んでいくつも並べてみることをお勧めします。こういう時にはこういう手を指すものだという感覚がわかってきやすいと思います。
解説がある棋譜を並べ、この手が良かった、悪かった、とあればそれを理解し、その悪い手のためにこういう流れになった、というのも意識してみると面白いです。ひらめきは正確さを大局観で補っておくとよいです。
棋譜並べは万能の勉強方法で、たとえ詰め将棋が苦手でも、これなら楽しく続けられるのです。
盤駒を使わなくてもよい時代になってきました。棋譜も入手しやすいです。好きな方法で、好きな速さで、好きなだけやってみるとよいです。好き、楽しいというのがキーワードで、それはあなたの脳が、心地よく刺激を受けている証拠です。
再度丁寧に読ませていただきます。
流し見としてネットでの棋譜は見ていたのですが、あくまで観戦という気分だったので、記憶があまりなかったのかもしれません。
せっかく名局集があるので、関さんの方法を今日から使わせていただきます。
ありがとうございました!
また質問させてください。