今日の棋譜20180313
昭和60年9月、米長邦雄先生と第44期A級順位戦です。久しぶりの大山米長戦ですね。

大山先生の先手三間飛車ですが、米長先生は73桂を跳ねての急戦です。

この戦型だけですが、47金と上がるのが中途半端なようでも急戦の備えになっています。後手は55歩から攻めてくるので56金で受ける余地があるので攻めにくいというわけ。

米長先生も当然知っているはずで、単に5筋の歩を交換しました。

二枚銀になって

55歩に54歩と合わせて

この後手の陣形が古い対振り飛車の急戦の構えです。古いというのは50年は前か、急戦定跡がいろいろ考案される前の話です。

大山先生は7筋を攻めて

7筋に傷を作ったのですが、持ち歩を渡して攻められるのはちょっと損な感じがします。

米長先生の攻めが続くようになり

馬を作られました。55歩から

桂を取れば桂を取られます。

64歩と打ちたくなりますが、74銀では損なのでしょう。大山先生が角を使うのがさすがの指し回しです。

64歩の銀取りに55角が間に合いました。

この桂馬は打ちたくはないですが仕方のないところ。

銀を取られたら取り返して、まあ91桂成くらいでしょう。

72に銀を打って香を取る、というのは駒得だとは言えないです。72銀が遊ぶので、まだ74から打つものではないかという気はしますが、打たない方が良いでしょう。

米長先生の飛車がさばけるかどうか。馬を追って74飛や84飛を狙います。大山先生は55香から

馬飛の取り合いです。金取りで悪くは見えないのですが

62金71銀不成63金、と逃げるのが米長先生自慢の手順で

54香を取り切りました。

大山先生の37銀~72竜は王手竜取りを避けて73銀を取るための手順です。

端を謝るのが普通だと思うのですが、この二人の対局ならなおのこと、意地を張りますから受けません。

受けないで寄せ合いになりました。48飛の横利きがあるので端を攻められてもまだ何とかなるのでしょう。

米長先生に攻防の受けがあり

38金に67歩成~58歩成があっては後手有利。38金では代わりに何かなかったのかなあというところなのですが。

大山先生は飛車を見切って攻めます。

これで角を取って千日手ねらいでどうか。悪そうなのでそれしかなさそうに見えますが。

16香から受けに回りますが、米長先生の攻めはうるさいです。

やはり千日手ねらいしかなさそうに見えます。

42角を逃げられて、受けが無くなりました。
73桂はともかく、72銀は筋の悪い手、効率の悪い不自然な手です。その後の米長先生の88手目62銀以降をずいぶん考えたのだろうなあ、と想像します。力のこもった攻防を見られました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:米長邦雄十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八銀(39)
14 5二金(61)
15 3九玉(48)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 4二銀(31)
19 5八金(69)
20 7四歩(73)
21 2八玉(39)
22 6四歩(63)
23 4六歩(47)
24 7三桂(81)
25 8八飛(78)
26 5三銀(42)
27 4七金(58)
28 5五歩(54)
29 同 歩(56)
30 同 角(22)
31 6七銀(68)
32 2二角(55)
33 5八飛(88)
34 6三銀(62)
35 1六歩(17)
36 1四歩(13)
37 3六歩(37)
38 4二金(41)
39 5五歩打
40 8六歩(85)
41 同 歩(87)
42 5四歩打
43 同 歩(55)
44 同 銀(53)
45 7五歩(76)
46 5五歩打
47 7四歩(75)
48 同 銀(63)
49 7五歩打
50 6三銀(74)
51 9八香(99)
52 6五歩(64)
53 同 歩(66)
54 同 桂(73)
55 5九角(77)
56 5六歩(55)
57 同 銀(67)
58 5七歩打
59 4八飛(58)
60 9九角成(22)
61 5五歩打
62 同 銀(54)
63 6五銀(56)
64 8九馬(99)
65 7四歩(75)
66 7二飛(82)
67 5六歩打
68 4四銀(55)
69 4五歩(46)
70 3三銀(44)
71 7七角(59)
72 6四歩打
73 5五角(77)
74 7一飛(72)
75 8三桂打
76 6一飛(71)
77 7三歩成(74)
78 6五歩(64)
79 6三と(73)
80 同 飛(61)
81 7二銀打
82 5三飛(63)
83 9一角成(55)
84 6六歩(65)
85 6八歩打
86 5四飛(53)
87 7三馬(91)
88 6二銀打
89 5五香打
90 7三銀(62)
91 5四香(55)
92 6二金(52)
93 7一銀(72)
94 6三金(62)
95 5一飛打
96 4一金(42)
97 6一飛成(51)
98 5四金(63)
99 3七銀(38)
100 1五歩(14)
101 7二龍(61)
102 4二金(41)
103 7三龍(72)
104 1六歩(15)
105 7二龍(73)
106 2四香打
107 5一銀打
108 1五桂打
109 2六歩(27)
110 6四角打
111 3八金(49)
112 6七歩成(66)
113 3五歩(36)
114 5八歩成(57)
115 3四歩(35)
116 同 銀(33)
117 4二銀成(51)
118 同 角(64)
119 5二金打
120 3一銀打
121 1六香(19)
122 4八と(58)
123 同 金(47)
124 5八と(67)
125 4七金(48)
126 3六歩打
127 同 銀(37)
128 2六香(24)
129 2七歩打
130 3五歩打
131 2六歩(27)
132 3六歩(35)
133 3五歩打
134 6四角(42)
135 4六香打
136 4八と(58)
137 投了
まで136手で後手の勝ち
昭和60年9月、米長邦雄先生と第44期A級順位戦です。久しぶりの大山米長戦ですね。

大山先生の先手三間飛車ですが、米長先生は73桂を跳ねての急戦です。

この戦型だけですが、47金と上がるのが中途半端なようでも急戦の備えになっています。後手は55歩から攻めてくるので56金で受ける余地があるので攻めにくいというわけ。

米長先生も当然知っているはずで、単に5筋の歩を交換しました。

二枚銀になって

55歩に54歩と合わせて

この後手の陣形が古い対振り飛車の急戦の構えです。古いというのは50年は前か、急戦定跡がいろいろ考案される前の話です。

大山先生は7筋を攻めて

7筋に傷を作ったのですが、持ち歩を渡して攻められるのはちょっと損な感じがします。

米長先生の攻めが続くようになり

馬を作られました。55歩から

桂を取れば桂を取られます。

64歩と打ちたくなりますが、74銀では損なのでしょう。大山先生が角を使うのがさすがの指し回しです。

64歩の銀取りに55角が間に合いました。

この桂馬は打ちたくはないですが仕方のないところ。

銀を取られたら取り返して、まあ91桂成くらいでしょう。

72に銀を打って香を取る、というのは駒得だとは言えないです。72銀が遊ぶので、まだ74から打つものではないかという気はしますが、打たない方が良いでしょう。

米長先生の飛車がさばけるかどうか。馬を追って74飛や84飛を狙います。大山先生は55香から

馬飛の取り合いです。金取りで悪くは見えないのですが

62金71銀不成63金、と逃げるのが米長先生自慢の手順で

54香を取り切りました。

大山先生の37銀~72竜は王手竜取りを避けて73銀を取るための手順です。

端を謝るのが普通だと思うのですが、この二人の対局ならなおのこと、意地を張りますから受けません。

受けないで寄せ合いになりました。48飛の横利きがあるので端を攻められてもまだ何とかなるのでしょう。

米長先生に攻防の受けがあり

38金に67歩成~58歩成があっては後手有利。38金では代わりに何かなかったのかなあというところなのですが。

大山先生は飛車を見切って攻めます。

これで角を取って千日手ねらいでどうか。悪そうなのでそれしかなさそうに見えますが。

16香から受けに回りますが、米長先生の攻めはうるさいです。

やはり千日手ねらいしかなさそうに見えます。

42角を逃げられて、受けが無くなりました。
73桂はともかく、72銀は筋の悪い手、効率の悪い不自然な手です。その後の米長先生の88手目62銀以降をずいぶん考えたのだろうなあ、と想像します。力のこもった攻防を見られました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:米長邦雄十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八銀(39)
14 5二金(61)
15 3九玉(48)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 4二銀(31)
19 5八金(69)
20 7四歩(73)
21 2八玉(39)
22 6四歩(63)
23 4六歩(47)
24 7三桂(81)
25 8八飛(78)
26 5三銀(42)
27 4七金(58)
28 5五歩(54)
29 同 歩(56)
30 同 角(22)
31 6七銀(68)
32 2二角(55)
33 5八飛(88)
34 6三銀(62)
35 1六歩(17)
36 1四歩(13)
37 3六歩(37)
38 4二金(41)
39 5五歩打
40 8六歩(85)
41 同 歩(87)
42 5四歩打
43 同 歩(55)
44 同 銀(53)
45 7五歩(76)
46 5五歩打
47 7四歩(75)
48 同 銀(63)
49 7五歩打
50 6三銀(74)
51 9八香(99)
52 6五歩(64)
53 同 歩(66)
54 同 桂(73)
55 5九角(77)
56 5六歩(55)
57 同 銀(67)
58 5七歩打
59 4八飛(58)
60 9九角成(22)
61 5五歩打
62 同 銀(54)
63 6五銀(56)
64 8九馬(99)
65 7四歩(75)
66 7二飛(82)
67 5六歩打
68 4四銀(55)
69 4五歩(46)
70 3三銀(44)
71 7七角(59)
72 6四歩打
73 5五角(77)
74 7一飛(72)
75 8三桂打
76 6一飛(71)
77 7三歩成(74)
78 6五歩(64)
79 6三と(73)
80 同 飛(61)
81 7二銀打
82 5三飛(63)
83 9一角成(55)
84 6六歩(65)
85 6八歩打
86 5四飛(53)
87 7三馬(91)
88 6二銀打
89 5五香打
90 7三銀(62)
91 5四香(55)
92 6二金(52)
93 7一銀(72)
94 6三金(62)
95 5一飛打
96 4一金(42)
97 6一飛成(51)
98 5四金(63)
99 3七銀(38)
100 1五歩(14)
101 7二龍(61)
102 4二金(41)
103 7三龍(72)
104 1六歩(15)
105 7二龍(73)
106 2四香打
107 5一銀打
108 1五桂打
109 2六歩(27)
110 6四角打
111 3八金(49)
112 6七歩成(66)
113 3五歩(36)
114 5八歩成(57)
115 3四歩(35)
116 同 銀(33)
117 4二銀成(51)
118 同 角(64)
119 5二金打
120 3一銀打
121 1六香(19)
122 4八と(58)
123 同 金(47)
124 5八と(67)
125 4七金(48)
126 3六歩打
127 同 銀(37)
128 2六香(24)
129 2七歩打
130 3五歩打
131 2六歩(27)
132 3六歩(35)
133 3五歩打
134 6四角(42)
135 4六香打
136 4八と(58)
137 投了
まで136手で後手の勝ち
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