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20170413今日の一手(その492);四手角の受け方

2017-04-13 | 今日の一手
20170413今日の一手

3月の東海団体リーグから、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

実際は私が先手で、先手からの一手損角換わりです。一手損ですが、83歩の位置なので先攻できました。65歩同歩84角と据えたら24歩同銀という局面です。
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は28飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は62飛84角で2枚、65銀あるいは65桂とする手を見ているので、もう一枚は加わりそうで、うまくいけば両方加わって4枚になります。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
やや後手の作戦勝ち。というのは83歩が案外に働いているのです。84角にひもがついている、83角(場合によっては83金で角が死ぬ)と打たれない、先々84角とも打たれない、などの意味があります。
間違えやすいのですが、85歩の形ならば84角と打つのではなく、銀桂をさばいてから39角と打つ筋で攻めます。これが相矢倉と違うところ。
ただし後手の作戦勝ちでも、後手から攻めるというのは案外うまくいかないもので、先手玉も堅いので受ける手段はいろいろあります。
受けるなら24歩同銀と歩を渡したのは少し早まったか、というところですが、この1歩は(この場合は)あまり影響はないようです。(後手は6筋と9筋くらいしか歩を使えないので。)さて、受ける手段を考えてみましょう。


× 実戦ではMさんは66角と打ったのですが、65桂

角にひもがついているので、66同角としてもらえず、桂を跳ねられました。77の銀は逃げられず、駒損になりそうです。勢いで44角33銀同角成同金65銀同銀37桂

角も銀も切ってから桂を跳ねるくらいでは攻めが遅いです。問題図で37桂と跳ねてあるのなら考えられなくもない順でしたが、角桂交換で手を渡していては不利です。
75歩45桂43金寄63歩92飛

私は駒得になったので、7筋だけを楽しみに我慢しています。先手は戦力不足で、粘ろうと85銀73角75歩

としたのですが、46角29飛44歩24歩同歩25歩38角

飛車を攻めてしまえば怖いところもなく、私の勝ちで終わりました。

44角と出るところでは、84角

しかないです。77桂成同桂(あるいは77同金直か)84歩73角61飛84角成

銀桂交換でも馬を作って粘れるか。でも49角67歩27銀

とこちらから攻められ、飛角交換(あるいは48飛38角成58飛29馬で桂を取られる)で互いに入玉できるかという将棋になりそうですが、後手のほうが入りやすく、先手不利です。


× 67金直と備えるのは普通の受け方で

後手は65銀か65桂か。65銀には66歩

と受けます(取ると後手の攻め駒が4枚になる)。66同銀同銀同角同金同飛55角69飛成73角成

というのは後手が駒損(攻め駒3枚)なので大変です。66歩74馬42金右79銀67銀55角

というのは先手を持ちたいです。

また、66歩に同銀同銀同飛

というのは飛車を取ってもらえれば十分ですが、72角(83角成をみせた)と催促して、67飛成同金66歩68金67銀

と駒損で攻めさせます。一回清算するかどうか悩みますが、83角成で先手有利になりそうです。

後手としては65桂

と行くほうが良いです。65同銀同銀66歩とするのは、後手が攻めやすい(56銀と73桂が交換できたから)ですし、66歩77桂成同桂(あるいは同金左)というのも駒損。
よって66銀とかわして66同角同金57桂成

と進みます。この時に84角(飛車取りで66金にひもを付ける手)と打てないのが83歩の効果。65歩の受けしかなく、56成桂同金65銀同金同飛47角

後手が大成功、と思ったらこの角は粘りがありますね。62飛73角に67銀

と迫れば後手有利というか優勢です。飛車を逃げていると大変ですが。


○ 先ほどの角を切って57桂成の筋を食らってはいけないようです。こういう時は67金左

と受けるのを覚えておくとよいです。65桂66銀同角同金に57桂成とできませんね。
65桂66銀には73角48飛

と進めるくらい。この時には83の歩は85にあるほうが良いわけで、後手は95歩同歩96歩か。これは全くの互角と思います。


○ もう一つの有力な受けは64歩

と突きだす手です。(私としては65歩同歩を入れないで84角だったのか、と悩むところですが、それはそれで後の65歩が甘いので、45歩から先攻されそう。)
64同飛には67歩

が手堅くて、84角と手放したのに攻めがないようではまずいです。

64歩には65桂

と攻めるしかないです。(65銀同銀同桂は41銀が嫌味で難しい。)
65同銀同銀26桂

というのが反撃の手段。これには25銀打37桂26銀同飛75歩


とするか、銀を打たずに33銀35歩75歩

とするかは後手として悩ましいですが、いずれにせよ先手は攻め合いに持ち込めます。


○ 6筋を放棄するのでちょっと変わった手ですが86銀

と65桂に備えて早逃げする受けもあります。端攻めにも備えていますし、83歩の形をとがめた、という気もします。(せめて84歩の位置なら85歩と突けるということもある。)
65銀同銀同桂41銀

というのが悩ましい銀打です。普通は42金右32銀成同金ですが71角

(場合によっては51角、この場合は後手66角で空振り)に63飛は64歩同飛53角成なので、52飛なら成功でしょう。

41銀を無視して57桂成には52銀成

として、やはり飛車の位置をずらすことができます。57成桂も大きいので難しい形勢ですが。


☆ まとめ
四手角(相矢倉なら31角~64角~73角~84角と4手かかるので四手角と呼ばれる)の受け方が問題でしたが

実戦の66角と打つのは後手の想定していたところで、84角にひもがついているので66同角の一手ではなく、65桂で駒損です。

67金直は57の地点が薄く、65桂から強攻されて後手有利。

67金左を覚えていただきたく、先手玉が薄くなるものの、後手は攻め切れません。

64歩は「大駒は近づけて受けよ」の手筋で、65桂を食いちぎって攻め合いに持ち込めます。

86銀は先にかわしておく手で、95歩や75歩を受けています。

後の方の3つの受け方を比較検討できるようになりたいですね。後手の陣形、83歩の形が生きるかどうか、というのが形勢にかかわってきます。85のほうがよかった、という変化は先手よしになりやすく、83歩で助かった、というのは後手よしになりやすい、というのは当然のようで奥深いです。
また、41銀の割打ちがあるのが狙い目で、金を剥がして51角というのが84角をとがめているわけです。後手としては31玉のまま攻めたほうが良い、という場合も出てきますが、飛車を渡しにくいわけで、その比較も難しいです。



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