昭和50年9月、有吉道夫先生と第14期十段戦です。
大山先生の四間飛車ですが、72銀を先にするのは初めてみますね。藤井システムで始まったことではなくて、玉頭位取りの対策だったのです。誰が指し始めたかは知りません。
有吉先生はやはり玉頭位取り、大山先生は石田流を目指します。この時に1手速いというわけです。(それ以外に7筋の逆襲を狙うのもあります。)
63銀の形から歩を交換します。歩は欲しいのですが、玉が薄くなります。
歩をもって24歩が狙いですが、これが問題でした。
2筋を押し込めればよいのですが、46銀がカウンターです。34飛は68角、34銀は44角があります。
飛車をういてさばきを狙ったのですが
44銀からさばいてしまえば、玉の堅い方が有利になりやすいです。これが王手になるのが問題。82玉では61銀か34銀か17桂か。
53銀と補強しましたが、26角が??という手です。(ここで振り飛車は何か待ちたいのですが、61歩か31歩か。)
大山先生は勢いよく王手飛車をかけましたが
王手角で返され
竜の位置がよいですし、玉の堅さが違うので有吉先生が有利です。44角と打つのが好点で
大山先生は粘りに出ます。51に金を引くのは不思議な感じですが、底歩を用意しているのでしょう。
有吉先生はと金を作り
大山先生はどうにか角を封じますが
これで角交換では嬉しくないでしょう。
また有吉先生の44角が好点。62桂成のねらいです。
あとは俗手でよく
桂馬が成れればほぼ終わりです。
投了図。
大山先生はまだ玉頭位取りの対策に苦労している感じです。本譜の作戦は玉が薄いので負ける時はひどくなります。石田流にして1歩手に入れて・・・というのは対策の一つですが、6筋や7筋の歩を切っても後でとがめられることが多いので、あまりうまくいきません。
棋譜並べとしては玉を固めながら強くさばく指し方を学べます。相手の動きを利用してカウンターで攻められれば簡単によくなるという例でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:有吉道夫8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4三銀(32)
9 7八玉(68)
10 4二飛(82)
11 5六歩(57)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5七銀(48)
16 7二銀(71)
17 6八銀(79)
18 7一玉(62)
19 7五歩(76)
20 5二金(41)
21 5八金(49)
22 3五歩(34)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 7七銀(68)
26 3二飛(42)
27 1六歩(17)
28 4二角(33)
29 2六飛(28)
30 5四歩(53)
31 7六銀(77)
32 3四飛(32)
33 6六歩(67)
34 3三桂(21)
35 6八金(69)
36 6四歩(63)
37 6七金(58)
38 1四歩(13)
39 7七角(88)
40 6三銀(72)
41 8八玉(78)
42 7四歩(73)
43 同 歩(75)
44 同 銀(63)
45 7五歩打
46 6三銀(74)
47 7八金(68)
48 7二金(61)
49 6五歩(66)
50 同 歩(64)
51 同 銀(76)
52 7三桂(81)
53 7六銀(65)
54 8四歩(83)
55 6五歩打
56 2四歩(23)
57 同 歩(25)
58 2五歩打
59 2八飛(26)
60 2四飛(34)
61 4六銀(57)
62 2六歩(25)
63 3五銀(46)
64 2五飛(24)
65 4四銀(35)
66 同 銀(43)
67 同 角(77)
68 5三銀打
69 2六角(44)
70 同 飛(25)
71 同 飛(28)
72 4四角打
73 6六銀打
74 2六角(44)
75 2一飛打
76 3一歩打
77 2六飛成(21)
78 3八飛打
79 2二龍(26)
80 6四歩打
81 同 歩(65)
82 同 銀(53)
83 4四角打
84 8二玉(71)
85 6五歩打
86 5三銀(64)
87 3五角(44)
88 5一金(52)
89 2四歩打
90 2八飛成(38)
91 2三歩成(24)
92 4五桂(33)
93 4六歩(47)
94 2一歩打
95 同 龍(22)
96 3七桂(45)
97 同 桂(29)
98 同 龍(28)
99 1七角(35)
100 2六歩打
101 7四桂打
102 8三玉(82)
103 3三歩打
104 2七歩成(26)
105 3二と(23)
106 1七と(27)
107 4二と(32)
108 同 銀(53)
109 3二歩成(33)
110 同 歩(31)
111 4四角打
112 5二桂打
113 1一角成(44)
114 6四歩打
115 4三香打
116 4一歩打
117 4二香成(43)
118 同 金(51)
119 5一銀打
120 6五歩(64)
121 7七銀(66)
122 4六龍(37)
123 6二桂成(74)
124 5三金(42)
125 7二成桂(62)
126 同 玉(83)
127 3二龍(21)
128 6六桂打
129 同 金(67)
130 同 歩(65)
131 6二金打
132 投了
まで131手で先手の勝ち
大山先生の四間飛車ですが、72銀を先にするのは初めてみますね。藤井システムで始まったことではなくて、玉頭位取りの対策だったのです。誰が指し始めたかは知りません。
有吉先生はやはり玉頭位取り、大山先生は石田流を目指します。この時に1手速いというわけです。(それ以外に7筋の逆襲を狙うのもあります。)
63銀の形から歩を交換します。歩は欲しいのですが、玉が薄くなります。
歩をもって24歩が狙いですが、これが問題でした。
2筋を押し込めればよいのですが、46銀がカウンターです。34飛は68角、34銀は44角があります。
飛車をういてさばきを狙ったのですが
44銀からさばいてしまえば、玉の堅い方が有利になりやすいです。これが王手になるのが問題。82玉では61銀か34銀か17桂か。
53銀と補強しましたが、26角が??という手です。(ここで振り飛車は何か待ちたいのですが、61歩か31歩か。)
大山先生は勢いよく王手飛車をかけましたが
王手角で返され
竜の位置がよいですし、玉の堅さが違うので有吉先生が有利です。44角と打つのが好点で
大山先生は粘りに出ます。51に金を引くのは不思議な感じですが、底歩を用意しているのでしょう。
有吉先生はと金を作り
大山先生はどうにか角を封じますが
これで角交換では嬉しくないでしょう。
また有吉先生の44角が好点。62桂成のねらいです。
あとは俗手でよく
桂馬が成れればほぼ終わりです。
投了図。
大山先生はまだ玉頭位取りの対策に苦労している感じです。本譜の作戦は玉が薄いので負ける時はひどくなります。石田流にして1歩手に入れて・・・というのは対策の一つですが、6筋や7筋の歩を切っても後でとがめられることが多いので、あまりうまくいきません。
棋譜並べとしては玉を固めながら強くさばく指し方を学べます。相手の動きを利用してカウンターで攻められれば簡単によくなるという例でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:有吉道夫8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4三銀(32)
9 7八玉(68)
10 4二飛(82)
11 5六歩(57)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5七銀(48)
16 7二銀(71)
17 6八銀(79)
18 7一玉(62)
19 7五歩(76)
20 5二金(41)
21 5八金(49)
22 3五歩(34)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 7七銀(68)
26 3二飛(42)
27 1六歩(17)
28 4二角(33)
29 2六飛(28)
30 5四歩(53)
31 7六銀(77)
32 3四飛(32)
33 6六歩(67)
34 3三桂(21)
35 6八金(69)
36 6四歩(63)
37 6七金(58)
38 1四歩(13)
39 7七角(88)
40 6三銀(72)
41 8八玉(78)
42 7四歩(73)
43 同 歩(75)
44 同 銀(63)
45 7五歩打
46 6三銀(74)
47 7八金(68)
48 7二金(61)
49 6五歩(66)
50 同 歩(64)
51 同 銀(76)
52 7三桂(81)
53 7六銀(65)
54 8四歩(83)
55 6五歩打
56 2四歩(23)
57 同 歩(25)
58 2五歩打
59 2八飛(26)
60 2四飛(34)
61 4六銀(57)
62 2六歩(25)
63 3五銀(46)
64 2五飛(24)
65 4四銀(35)
66 同 銀(43)
67 同 角(77)
68 5三銀打
69 2六角(44)
70 同 飛(25)
71 同 飛(28)
72 4四角打
73 6六銀打
74 2六角(44)
75 2一飛打
76 3一歩打
77 2六飛成(21)
78 3八飛打
79 2二龍(26)
80 6四歩打
81 同 歩(65)
82 同 銀(53)
83 4四角打
84 8二玉(71)
85 6五歩打
86 5三銀(64)
87 3五角(44)
88 5一金(52)
89 2四歩打
90 2八飛成(38)
91 2三歩成(24)
92 4五桂(33)
93 4六歩(47)
94 2一歩打
95 同 龍(22)
96 3七桂(45)
97 同 桂(29)
98 同 龍(28)
99 1七角(35)
100 2六歩打
101 7四桂打
102 8三玉(82)
103 3三歩打
104 2七歩成(26)
105 3二と(23)
106 1七と(27)
107 4二と(32)
108 同 銀(53)
109 3二歩成(33)
110 同 歩(31)
111 4四角打
112 5二桂打
113 1一角成(44)
114 6四歩打
115 4三香打
116 4一歩打
117 4二香成(43)
118 同 金(51)
119 5一銀打
120 6五歩(64)
121 7七銀(66)
122 4六龍(37)
123 6二桂成(74)
124 5三金(42)
125 7二成桂(62)
126 同 玉(83)
127 3二龍(21)
128 6六桂打
129 同 金(67)
130 同 歩(65)
131 6二金打
132 投了
まで131手で先手の勝ち
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