名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20210826

2021-08-26 | 大山将棋研究

先手番加藤先生の手を考えます。

第1問

 

こんなところに目をつけるとは。

A 66歩  B 56歩  C 36銀

 

第2問

 

この手が入れば先手有利でしょう。

A 64歩  B 77桂  C 44歩

 

第3問

 

強い受けが出ました。慎重に攻めます。

A 43同銀成  B 35飛  C 32歩成

 

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大山将棋研究(2085);矢倉(加藤一二三)

2021-08-26 | 大山将棋研究

今日の棋譜20210826

昭和35年4月、加藤一二三先生と第19期名人戦第1局です。二十歳の名人挑戦者として有名になりました。まさに弱冠です。(一時期弱冠という言い回しが流行りましたが、拡大して二十歳前後に適用するのは誤りです。古代中国で男子が二十歳、もちろん数え歳ですが、に成人して冠をつける習慣から来ていて、弱の文字左半分右半分に十の意味があります。)

加藤先生の先手で矢倉です。

5筋を突き合う矢倉が主流になっています。

大山先生の53銀右は何かねらっている手です。

25歩に33銀と受けましたが、その銀が前に出てきます。

これは「中央に銀二枚を並べる戦型」です。相矢倉が流行する前に指されていたのですが、久しぶりに見ます。

加藤先生は2筋の歩を切って25飛(高飛車)で受けます。

桂を跳ねて先攻しようという形です。

左銀を66に出るのは後手陣とのバランスでしょうか。66歩から矢倉に入るのは、後手から攻められそうでした。単に45銀同銀直同歩もありそうでしたし、この辺りは好みの問題かもしれません。

55歩に47銀と引けばゆっくりした流れです。

互いに銀を押し戻されて

7筋3筋の歩を角で交換します。違いは、加藤先生が2筋と5筋の歩を手持ちにしていることです。

このまま進むと先手の作戦勝ちになるでしょう。大山先生は玉を左に囲っても堅くないので中住まいに。

加藤先生は矢倉に入城します。持ち歩が3対1ですから、やはり先手が指しやすいか。右桂を使えているということもプラスです。

94歩に66歩突きにくい歩ですが、66同歩同銀76飛67金右72飛65歩・・・と抑え込んでしまえば先手有利になりそうです。

86歩同銀を入れて、大山先生は44歩、先手の角を追いたいのですが、危ない感じの手です。

75銀73角が入ったというのが大きくて、先手有利になっているかもしれません。

加藤先生はもち歩が多いので、25桂42銀33歩、桂を交換しに行って

65歩を取れば64桂があります。

65同銀に53歩、同玉は77桂76銀65桂打が利きます。43玉は大山先生らしい粘りですが。

64歩を取れなくて62金、まだ駒損ではありませんが、差が広がっています。後手の飛角に働きがないのです。

44歩同銀45歩同銀55角、加藤先生は角をさばき

44歩に57桂で両取り。

54銀右77角85桂、角を逃げても良いのですが、

銀角桂桂を取り合います。先手の駒損になりましたが、64歩と53歩の拠点がありますし、2~4筋に歩を打てるので3枚の攻め駒でもなんとかなりそうです。

44歩同玉36桂33玉44銀、後手玉の守りの駒が少ないので、押さえつけていけば寄りそうです。

43玉33歩22金に24歩

24同歩に同桂もありそうでしたが、24同飛から横歩を取ります。これで43歩ねらい。

43角もすごい受け方ですが(61角が普通ですが43歩同角を思えばおなじことか)、32歩成、同金には同飛成同角34歩で寄りです。

32同角に43歩、これは33歩を消去したということになるのですが、43同角同銀成同銀31角と寄せるのでしょう。

43同銀だったのですが、銀交換して51銀まで。51同玉31飛成41銀22竜と進めば63歩成などがあります。

 

私は「中央に銀二枚を並べる戦型」と書いていますが、この戦法の勝率は悪いです。戦前の中央志向の名残なのでしょうね。

加藤先生の快勝で、当時はかなり話題になっていたようです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1960/04/15
手合割:平手  
先手:加藤一二三8段
後手:大山名人
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 8四歩(83)  
   3 6八銀(79)  
   4 3四歩(33)  
   5 7七銀(68)  
   6 4二銀(31)  
   7 2六歩(27)  
   8 6二銀(71)  
   9 4八銀(39)  
  10 3二金(41)  
  11 7八金(69)  
  12 4一玉(51)  
  13 5六歩(57)  
  14 5四歩(53)  
  15 6九玉(59)  
  16 5二金(61)  
  17 3六歩(37)  
  18 7四歩(73)  
  19 5八金(49)  
  20 5三銀(62)  
  21 2五歩(26)  
  22 3三銀(42)  
  23 7九角(88)  
  24 4四銀(33)  
  25 4六歩(47)  
  26 5五歩(54)  
  27 4七銀(48)  
  28 5四銀(53)  
  29 2四歩(25)  
  30 同 歩(23)  
  31 同 飛(28)  
  32 2三歩打    
  33 2五飛(24)  
  34 5六歩(55)  
  35 同 銀(47)  
  36 6四歩(63)  
  37 3七桂(29)  
  38 8五歩(84)  
  39 6八角(79)  
  40 6三金(52)  
  41 6六銀(77)  
  42 5五歩打    
  43 4七銀(56)  
  44 6五歩(64)  
  45 7七銀(66)  
  46 3一角(22)  
  47 4五歩(46)  
  48 3三銀(44)  
  49 2九飛(25)  
  50 7五歩(74)  
  51 同 歩(76)  
  52 同 角(31)  
  53 3五歩(36)  
  54 同 歩(34)  
  55 同 角(68)  
  56 7二飛(82)  
  57 4六角(35)  
  58 6四角(75)  
  59 7六歩打    
  60 5二玉(41)  
  61 7九玉(69)  
  62 3四歩打    
  63 8八玉(79)  
  64 9四歩(93)  
  65 6六歩(67)  
  66 8六歩(85)  
  67 同 銀(77)  
  68 4四歩(43)  
  69 7五銀(86)  
  70 7三角(64)  
  71 2五桂(37)  
  72 4二銀(33)  
  73 3三歩打    
  74 同 桂(21)  
  75 同 桂成(25)
  76 同 銀(42)  
  77 6五歩(66)  
  78 同 銀(54)  
  79 5三歩打    
  80 4三玉(52)  
  81 6四歩打    
  82 6二金(63)  
  83 4四歩(45)  
  84 同 銀(33)  
  85 4五歩打    
  86 同 銀(44)  
  87 5五角(46)  
  88 4四歩打    
  89 5七桂打    
  90 5四銀(65)  
  91 7七角(55)  
  92 8五桂打    
  93 4五桂(57)  
  94 7七桂成(85)
  95 同 桂(89)  
  96 4五歩(44)  
  97 4四歩打    
  98 同 玉(43)  
  99 3六桂打    
 100 3三玉(44)  
 101 4四銀打    
 102 4二玉(33)  
 103 3三歩打    
 104 2二金(32)  
 105 2四歩打    
 106 同 歩(23)  
 107 同 飛(29)  
 108 2三歩打    
 109 3四飛(24)  
 110 4三角打    
 111 3二歩成(33)
 112 同 角(43)  
 113 4三歩打    
 114 同 銀(54)  
 115 同 銀成(44)
 116 同 角(32)  
 117 5一銀打    
 118 投了        
まで117手で先手の勝ち

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