名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(604);三間飛車に居飛穴(佐藤義則)

2017-08-07 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

負けましたが、後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170807
昭和56年8月、佐藤義則先生と第14回連盟杯争奪戦です。


大山先生が後手三間飛車、これはかなり珍しいです。急戦の時にどうするのかと期待していたら(43金とかでごまかすのでしょうか)、佐藤先生は持久戦でがっかり。

居飛穴になりました。

大山先生は65の位を取ります。

佐藤先生は46角と少し反発して銀を引きます。

こうなると居飛穴は手を作りにくいのです。作戦負けでしょう。

大山先生は84の歩を取らせて

銀を使い飛の横利きも通しました。

佐藤先生はとにかく動きたいのですが、端の突き捨ては指しすぎか。

ここだけ見れば上手く指しているようなのですが

大山先生は26飛を追って金を立つ、バラバラなのですが先手の攻め駒が少ないので大丈夫だとみています。

銀を追い返して

抑え込みの体制です。

佐藤先生は2筋から手を作りますが

大山先生は角を配置して

端を攻めるのがかなりの厳しさです。

76の銀が取れることになり

2筋方面を攻められても無視できて

これで必至です。

投了図。

居飛穴退治の見本みたいな将棋です。佐藤先生としては三間飛車相手なので、66銀と左に使って35歩と位を取られたところ(32手目)でもう勝ちにくくなっていると思います。右からの動きを見せておきながら囲うほうが良かったでしょう。当時はわかっていなかったのですが。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:佐藤義則6段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5六歩(57)
14 7二玉(62)
15 7七角(88)
16 5二金(41)
17 8八玉(78)
18 5四歩(53)
19 9八香(99)
20 5三銀(42)
21 5七銀(48)
22 8二玉(72)
23 9九玉(88)
24 7二銀(71)
25 8八銀(79)
26 9四歩(93)
27 9六歩(97)
28 7四歩(73)
29 7九金(69)
30 6四歩(63)
31 6六銀(57)
32 3五歩(34)
33 6八角(77)
34 5一角(33)
35 5九金(49)
36 6三金(52)
37 6九金(59)
38 6五歩(64)
39 4六角(68)
40 7三桂(81)
41 7七銀(66)
42 6四銀(53)
43 2六飛(28)
44 3四飛(32)
45 1六歩(17)
46 8四歩(83)
47 7八金(69)
48 6二角(51)
49 5七角(46)
50 4五歩(44)
51 8四角(57)
52 5五歩(54)
53 同 歩(56)
54 同 銀(64)
55 4八角(84)
56 4六歩(45)
57 同 歩(47)
58 5六銀(55)
59 2四歩(25)
60 同 歩(23)
61 9五歩(96)
62 同 歩(94)
63 4五歩(46)
64 同 銀(56)
65 8六銀(77)
66 8三銀(72)
67 9三歩打
68 同 香(91)
69 7五歩(76)
70 3六歩(35)
71 2七飛(26)
72 6四金(63)
73 3六歩(37)
74 8五歩打
75 7四歩(75)
76 同 銀(83)
77 7五歩打
78 8三銀(74)
79 7七銀(86)
80 3六銀(45)
81 2八飛(27)
82 5六歩打
83 2六角(48)
84 3五歩打
85 2二歩打
86 3三桂(21)
87 2一歩成(22)
88 5七歩成(56)
89 1一と(21)
90 2五歩(24)
91 1七角(26)
92 9六歩(95)
93 2四歩打
94 4四角(62)
95 2三歩成(24)
96 7六歩打
97 同 銀(77)
98 9七歩成(96)
99 同 桂(89)
100 9六歩打
101 7七香打
102 9七歩成(96)
103 同 香(98)
104 9六歩打
105 同 香(97)
106 同 香(93)
107 9七歩打
108 同 香成(96)
109 同 銀(88)
110 8四桂打
111 3三と(23)
112 同 飛(34)
113 7四桂打
114 7二玉(82)
115 3四歩打
116 4三飛(33)
117 4六香打
118 4五歩打
119 同 香(46)
120 同 銀(36)
121 2五飛(28)
122 9六歩打
123 8八銀(97)
124 7六桂(84)
125 3三歩成(34)
126 9七香打
127 9八歩打
128 同 香成(97)
129 同 玉(99)
130 9七香打
131 同 銀(88)
132 同 歩成(96)
133 同 玉(98)
134 9六歩打
135 同 玉(97)
136 7七角成(44)
137 2二飛成(25)
138 5二歩打
139 投了
まで138手で後手の勝ち


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20170807今日の一手(その551);玉が薄い時

2017-08-07 | 今日の一手
20170807今日の一手

7月8日の名南将棋大会から、UさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは28銀が働いていない(壁銀)とみて同程度です。
先手の攻め駒は86飛と持ち駒角で2枚。75銀はすぐに働きそうです。
後手の攻め駒は34飛と持ち駒角で2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
形勢は互角なのですが、後手は中央の位を取っての浮き飛車で角打ちの傷が多いです。先手の86飛も浮き飛車なのですが、この位置は角の打ち込みの心配は少ないです。(自陣角の目標になることはありますが。)
つまり手損して角交換に持ち込んだ図なのですが、角打ちの傷があるので先手の作戦勝ちではないかと思えます。

今後の方針は3通り。
駒得を目指すか
玉を固めるか
攻める(攻め駒を増やす)か
のどれかです。
どれもあり得そうで、棋風でわかれるところ、ではあるのですが、先手玉が薄い(38金と48玉が入れ替わっていればよいのですが)ことには注意が必要です。

攻める手から見てみます。
○または×
84歩から棒銀で攻めるのが自然に見えますが、84同歩の時に

84同銀と攻めたのが実戦の手順です。56歩83銀成(56同飛か)57歩成同金56歩

勢いよく攻めたのですが、王手飛車の筋があり、受けにくいです。72成銀同玉56飛55歩86飛45桂

こんなことなら76飛と逃げるのだったか、どんどん受けにくくなって先手のMさんの負けです。

84同飛なら

銀取りですね。45歩に82歩同金83歩92金

82角と打ちこんで・・・でも悪くないですが歩切れですし、


じっと83歩のほうが良さそうです。これで82角61玉91角成~82歩成のほうが良いでしょう。


△ 15歩と端を攻めるのもあって

これは28銀が壁銀なので逆に決行しやすいのです。ここでは手抜きにくいので、15同歩12歩同香23角

というのが狙いの順で、攻めるというか駒得を目指す手でもあります。24飛12角成22金

の時に11馬から15香狙いもあります。
84歩同歩22馬同飛84飛63銀引83歩

とどんどん攻めるかどうかは悩みます。8筋は破れるし早く勝てるような、急ぎ過ぎのような。


△ 74歩は

同歩同銀なら得ですが、取ってもらえないと少し損です。駒がぶつかったので後手も自陣角を打ちやすくなって

こんな感じです。やはり玉を固めて待っていればややよし。


玉を固めるのなら
○ 36歩または39玉から

凹矢倉にするのはかなり堅いです。後手は8筋を受けるのは大変(53角と打つくらい)なので、ゆっくりしていてもよいのです。


○ 17銀または39玉から

争点を作らず飛車の横利きを通して囲っておくのもあります。


△ 39玉から金無双

に組み替えるのもありますが、堅さで劣っていると思います。


△ 95歩や


△ 77桂

も立派な待ち方で損はありませんが、結局は玉を固めることになりそうです。


× 66歩は少し不安で

飛車の横利きが止まりますし、先手玉に近いというのも嫌です。玉を囲ってから考えましょう。


× 46歩から金矢倉を目指すのは45歩

がいつでもあるので先手玉の頭ですから指さないほうが良いです。


× 36飛は

無謀ですね。飛車交換で79飛と打たれるのが痛いです。


△ 駒得を目指すなら52角と打ちこんで

24飛85角成42金95歩(94角を避ける)45歩17銀

先に馬を作って(これも駒得です)玉を固めて待つのもよいでしょう。長くなるのは歓迎です。



☆ まとめ
玉が薄い時は強く攻めると反動が怖いです。
75の銀は72金と交換したい駒ではなくて、後手の反撃を抑えている駒である、と思うほうが良いでしょう。
よって攻めるのは十字飛車の筋です。軽く攻める(駒を渡さない)指し方です。
あるいは1筋を攻めるのもあるかもしれません。

無難なのは玉を固めてから棒銀なり十字飛車なりを狙うことです。後手は8筋を受けにくいのですから、一方的に玉が堅くなります。

馬を作ってから玉を固める、というのもあります。これは先の展開を考えてから。(後手の攻撃力が上がるならまずいです。)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする