昨日(11月1日)日中韓3か国の首脳会談が韓国の大統領府で行われた。今日は日韓首脳会談が行われる予定だ。日中韓3か国の首脳会談の内容はすでにメディアが報道しているので、読者もご存じだと思う。が、このブログを投稿する時点では日韓首脳会談はまだ行われていないため、私も内容は不明だ。ブログ投稿を1日ずらしてもいいのだが、3日は早朝から用事があり、現時点での首脳会談の問題点だけ指摘しておきたいと思う。
まず3か国会議で3か国間のFTA(自由貿易協定)の締結交渉を加速することが報じられている。日本はすでにTPP交渉の結果に同意しており、TPP交渉に参加しなかった中韓がTPP交渉の枠外で自由貿易協定を結びたいと主張しても、すでに日本はTPPによって手足を拘束されている。日本がTPPの枠外で3か国間のFTA交渉を結ぶという事態になれば、国際的信用を失いかねない。日本はあくまで原則的に中韓に対し、TPP交渉の合意事項を受け入れた上で自由貿易の促進を促すべきだろう。
経済問題に限って言えば、中韓ともに日本の資本・技術協力なしに自国の経済発展はありえないことを自覚している。はっきり言って、日本は経済問題に関しては3国首脳会談で主導権をとりうるポジションにある。
が、中韓両国は日本に主導権をとらせないため、経済問題とは別の難問を日本に突き付けている。そうすることによって経済関係でも有利なポジションを確保したいという意図が見え見えだ。その難問とは、言うまでもなく「歴史認識」だ。中韓両首脳は「歴史認識を共有することが、3国の発展の基本的条件だ」と主張する。「正論」と言えなくはないが、はっきり言って不可能な条件だ。
なぜか。
「歴史認識を求有する」ということは、その前提として「歴史認識の基準を国際社会が共有する」ことが絶対的な条件になる。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」
これが人類の歴史を支配してきた歴史認識の基準だ。この歴史認識の基準が、いかにアンフェアであり、民主主義の発達を阻んできたかという認識を世界人類が理解しない限り、「歴史認識を共有する」ことは絶対に不可能なのだ。
例えば広島・長崎への原爆投下。いまだにアメリカは「戦争を早期終結するため。米軍兵士の犠牲をこれ以上増やさないため」という「正当化」のための主張を続けている。その理由が歴史的に正当化されるならば、少なくとも最低、以下の条件を満たす必要がある。
① 米軍兵士の犠牲は沖縄戦で事実上集結している。沖縄戦以降、米軍は地上戦を避け、日本各地に空爆を繰り返し、兵士の犠牲はほとんど出していない。「戦争の早期終結のため」という理由は、日本軍が抵抗をやめなかった場合、日本が旧ソ連に占領されることを回避するための「緊急避難処置」以外の何物でも
ない。その旧ソ連に日ソ中立条約を廃棄して対日参戦を要請したのはアメリカだった。その歴史的事実(歴史認識とは違う)をアメリカはいまだに認めず、原爆投下を正当化している。
② もし①の原爆投下の正当化が歴史認識に耐えうるとしたならば、沖縄戦以上に米軍兵士の犠牲を余儀なくされたベトナム戦争において、なぜ「戦争の早期終結のため。米軍兵士の犠牲をこれ以上増やさないため」という理由でベトコン支配地域に原爆を投下しなかったのか。①と②の「統一した歴史認識」をアメリカは明確にする必要がある。そうでなければ「勝てば官軍、負ければ賊軍」の歴史認識基準を否定できないはずだ。
歴史認識は、常に勝者が敗者に押し付ける。アメリカも、原爆投下の正当性を絶対に譲らない。20万を超える原爆犠牲者に、米大統領が追悼のために広島・長崎に訪れたこともない。あの悲劇から70年もたつというのにだ。
「先の不幸な時代」に、世界の覇者であったイギリスがアジアを制覇するためにいかに非人道的なことをしてきたのか。たとえばアヘン戦争。当時、イギリスは中国(清王朝)から大量の茶・陶磁器・絹を輸入していた。一方、イギリスも中国に時計や望遠鏡などを輸出していたが、これらの工業製品の購入者は一部の富裕層に限られていた。その結果、著しい貿易不均衡が生じ、その不均衡を是正するためイギリスは植民地のインドでアヘンを栽培し、中国に売りつけることにした。そのため中国国内にアヘン常習者が増大し、風紀も乱れるようになった。清政府はアヘンの輸入を禁止し、イギリスのアヘン商人からアヘンを没収した。こうした中国政府の断固たる姿勢に対してイギリスが起こしたのが武力による解決、つまりアヘン戦争だったのだ。
アヘン戦争に敗れた清王朝の権威は失墜し、のちにアジアの新興国・日本にも日清戦争で大敗する一因となった。以来、中国はイギリスへの怨念を忘れず、国内での麻薬犯罪は原則死刑という過酷なまでの麻薬撲滅政策を施行するようになった。その中国の習近平主席が最近、イギリスを訪れ国賓級の待遇を受け、原子力発電所建設など中国技術の売り込みに精力を傾けるようになった。中国はその際、イギリスに「歴史認識の共有」も「アヘン戦争に対する謝罪」も求めていない。
国家というものが、いかにご都合主義的であるかの証明でもある。
中韓が足並みを揃えて日本に「歴史認識の共有」を要求しているのは、今後の対日関係を有利に進めたいという国家エゴイズムの一点で一致したからにほかならない。経済が停滞している中韓が、日本の資本力と技術力に経済再建への協力を求めたいからにほかならない。
それならそれで、素直に日本に協力を求めればいいだけの話だ。日本政府も経済界も、中韓の経済回復は望ましいことだ。大いに協力したいところだ。
しかし、日本国民は執拗なまでの中韓の「歴史認識の共有化」要求に、はっきり言ってうんざりしている。その証拠に日本を訪れる中韓人は急増しているのに、中韓を観光旅行する日本人は激減している。
言いにつけ悪いにつけ、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」日本人の特性かもしれないが、広島と長崎に原爆を投下して、何の戦争責任もない民間人20数万人を虐殺したアメリカに対する恨みは、もう日本人の遺伝子からすっぽり抜け落ちてしまったようだ。
もちろん、日本は「反原爆運動」で国際的に大きな役割を担っている。が、日本に原爆を投下したアメリカの軍事力に日本の平和と安全を頼って、そうした行為を「恥」と思わない人が国民の大半を占めるようになった。
そのアメリカは、事あるごとに「リメンバー・パールハーバー」を繰り返すが、日本のメディアが一度でも「リメンバー広島・長崎」を口にしたことがあるか。もう戦争が終わって70年。いまだに過去の恨み言を言い立てても、何の役にも立たない。いたずらに中韓政府が反日感情を煽れば煽るほど、彼らが必要としている日本の協力はかえって困難になることを分かってほしい。日本の協力を必要とするなら、日本政府や経済界、そして日本国民が喜んで協力できるような姿勢を見せてほしい。
実際韓国や中国が経済力を向上させることが出来たのは、日本の資本・技術のバックアップがあったからではないか。いま中国は海外への新幹線の売り込みに必死だが、中国の新幹線技術は日本が教えたはずだ。アメリカ資本による中国製品の信頼性は値に堕ちた感があるが、日本産業界が中国に進出した際は、徹底的に品質管理の指導も行っている。たとえば、いまや高級ブランドにまで成長したユニクロも、中国の工場で生産しているが、ユニクロ製品に対する世界中のユーザーの信頼性は極めて高い。
いまや中国生産品の信頼性は二極分解している。中国で製造された製品でも、日本ブランドで売られている商品の信頼性はまったく揺るがない。それは工場で働く人たちの品質向上に努める意欲の差でもある。中国はまず、すべての工場が、日本が進出してつくった工場をモデルにして品質管理の基準を作るようにすべきだ。そのために、日本に手を貸してくれというなら、日本産業界は喜んで協力する。
韓国も一時は自動車やエレクトロニクス製品で日本を追い抜くほどの勢いを見せたが、最先端技術を必要とする製品になるとお手上げだ。やはり頭を下げて、日本の最先端技術を学び直す必要がある。いたずらに日本人の感情を逆なでするような姿勢を続ける限り、日本は手を差し伸べたくても、日本の国民感情がそれを許さない。確かに「慰安婦問題」など、先の戦争において一部の日本軍部隊や日本兵士が韓国女性を辱める行為を行ったことは否定しない。それ
がいまだに韓国の元慰安婦の痛みとして心の傷になっていることも理解できる。だから日本政府も可能な限り、日韓基本条約の範囲の中で彼女たちの救済を考えてきた。韓国政府がいたずらに政治問題化しようとするから、日本政府としても「賠償問題はすべて解決済み」という冷たい回答しかできない。
あらためて書くが、歴史認識というものはそれぞれの国に固有のものであって、自国の歴史認識を他国に押し付けることは絶対に不可能だ。中韓が歴史教科書でいかに先の戦争について勝手な解釈を書こうが、日本政府が口を出したことはない。日本の歴史教科書についても、問題があれば日本国民や歴史学者が「この記述には問題がある」と指摘する。他国からとやかく言われる筋合いではないはずだ。
日中韓3国はアジアの発展をこれからも担っていくポジションにあると思う。お互いに重箱の隅をつつきあうようなことは止めて、未来志向で仲良く付き合える関係を作っていきたいものだ。
まず3か国会議で3か国間のFTA(自由貿易協定)の締結交渉を加速することが報じられている。日本はすでにTPP交渉の結果に同意しており、TPP交渉に参加しなかった中韓がTPP交渉の枠外で自由貿易協定を結びたいと主張しても、すでに日本はTPPによって手足を拘束されている。日本がTPPの枠外で3か国間のFTA交渉を結ぶという事態になれば、国際的信用を失いかねない。日本はあくまで原則的に中韓に対し、TPP交渉の合意事項を受け入れた上で自由貿易の促進を促すべきだろう。
経済問題に限って言えば、中韓ともに日本の資本・技術協力なしに自国の経済発展はありえないことを自覚している。はっきり言って、日本は経済問題に関しては3国首脳会談で主導権をとりうるポジションにある。
が、中韓両国は日本に主導権をとらせないため、経済問題とは別の難問を日本に突き付けている。そうすることによって経済関係でも有利なポジションを確保したいという意図が見え見えだ。その難問とは、言うまでもなく「歴史認識」だ。中韓両首脳は「歴史認識を共有することが、3国の発展の基本的条件だ」と主張する。「正論」と言えなくはないが、はっきり言って不可能な条件だ。
なぜか。
「歴史認識を求有する」ということは、その前提として「歴史認識の基準を国際社会が共有する」ことが絶対的な条件になる。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」
これが人類の歴史を支配してきた歴史認識の基準だ。この歴史認識の基準が、いかにアンフェアであり、民主主義の発達を阻んできたかという認識を世界人類が理解しない限り、「歴史認識を共有する」ことは絶対に不可能なのだ。
例えば広島・長崎への原爆投下。いまだにアメリカは「戦争を早期終結するため。米軍兵士の犠牲をこれ以上増やさないため」という「正当化」のための主張を続けている。その理由が歴史的に正当化されるならば、少なくとも最低、以下の条件を満たす必要がある。
① 米軍兵士の犠牲は沖縄戦で事実上集結している。沖縄戦以降、米軍は地上戦を避け、日本各地に空爆を繰り返し、兵士の犠牲はほとんど出していない。「戦争の早期終結のため」という理由は、日本軍が抵抗をやめなかった場合、日本が旧ソ連に占領されることを回避するための「緊急避難処置」以外の何物でも
ない。その旧ソ連に日ソ中立条約を廃棄して対日参戦を要請したのはアメリカだった。その歴史的事実(歴史認識とは違う)をアメリカはいまだに認めず、原爆投下を正当化している。
② もし①の原爆投下の正当化が歴史認識に耐えうるとしたならば、沖縄戦以上に米軍兵士の犠牲を余儀なくされたベトナム戦争において、なぜ「戦争の早期終結のため。米軍兵士の犠牲をこれ以上増やさないため」という理由でベトコン支配地域に原爆を投下しなかったのか。①と②の「統一した歴史認識」をアメリカは明確にする必要がある。そうでなければ「勝てば官軍、負ければ賊軍」の歴史認識基準を否定できないはずだ。
歴史認識は、常に勝者が敗者に押し付ける。アメリカも、原爆投下の正当性を絶対に譲らない。20万を超える原爆犠牲者に、米大統領が追悼のために広島・長崎に訪れたこともない。あの悲劇から70年もたつというのにだ。
「先の不幸な時代」に、世界の覇者であったイギリスがアジアを制覇するためにいかに非人道的なことをしてきたのか。たとえばアヘン戦争。当時、イギリスは中国(清王朝)から大量の茶・陶磁器・絹を輸入していた。一方、イギリスも中国に時計や望遠鏡などを輸出していたが、これらの工業製品の購入者は一部の富裕層に限られていた。その結果、著しい貿易不均衡が生じ、その不均衡を是正するためイギリスは植民地のインドでアヘンを栽培し、中国に売りつけることにした。そのため中国国内にアヘン常習者が増大し、風紀も乱れるようになった。清政府はアヘンの輸入を禁止し、イギリスのアヘン商人からアヘンを没収した。こうした中国政府の断固たる姿勢に対してイギリスが起こしたのが武力による解決、つまりアヘン戦争だったのだ。
アヘン戦争に敗れた清王朝の権威は失墜し、のちにアジアの新興国・日本にも日清戦争で大敗する一因となった。以来、中国はイギリスへの怨念を忘れず、国内での麻薬犯罪は原則死刑という過酷なまでの麻薬撲滅政策を施行するようになった。その中国の習近平主席が最近、イギリスを訪れ国賓級の待遇を受け、原子力発電所建設など中国技術の売り込みに精力を傾けるようになった。中国はその際、イギリスに「歴史認識の共有」も「アヘン戦争に対する謝罪」も求めていない。
国家というものが、いかにご都合主義的であるかの証明でもある。
中韓が足並みを揃えて日本に「歴史認識の共有」を要求しているのは、今後の対日関係を有利に進めたいという国家エゴイズムの一点で一致したからにほかならない。経済が停滞している中韓が、日本の資本力と技術力に経済再建への協力を求めたいからにほかならない。
それならそれで、素直に日本に協力を求めればいいだけの話だ。日本政府も経済界も、中韓の経済回復は望ましいことだ。大いに協力したいところだ。
しかし、日本国民は執拗なまでの中韓の「歴史認識の共有化」要求に、はっきり言ってうんざりしている。その証拠に日本を訪れる中韓人は急増しているのに、中韓を観光旅行する日本人は激減している。
言いにつけ悪いにつけ、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」日本人の特性かもしれないが、広島と長崎に原爆を投下して、何の戦争責任もない民間人20数万人を虐殺したアメリカに対する恨みは、もう日本人の遺伝子からすっぽり抜け落ちてしまったようだ。
もちろん、日本は「反原爆運動」で国際的に大きな役割を担っている。が、日本に原爆を投下したアメリカの軍事力に日本の平和と安全を頼って、そうした行為を「恥」と思わない人が国民の大半を占めるようになった。
そのアメリカは、事あるごとに「リメンバー・パールハーバー」を繰り返すが、日本のメディアが一度でも「リメンバー広島・長崎」を口にしたことがあるか。もう戦争が終わって70年。いまだに過去の恨み言を言い立てても、何の役にも立たない。いたずらに中韓政府が反日感情を煽れば煽るほど、彼らが必要としている日本の協力はかえって困難になることを分かってほしい。日本の協力を必要とするなら、日本政府や経済界、そして日本国民が喜んで協力できるような姿勢を見せてほしい。
実際韓国や中国が経済力を向上させることが出来たのは、日本の資本・技術のバックアップがあったからではないか。いま中国は海外への新幹線の売り込みに必死だが、中国の新幹線技術は日本が教えたはずだ。アメリカ資本による中国製品の信頼性は値に堕ちた感があるが、日本産業界が中国に進出した際は、徹底的に品質管理の指導も行っている。たとえば、いまや高級ブランドにまで成長したユニクロも、中国の工場で生産しているが、ユニクロ製品に対する世界中のユーザーの信頼性は極めて高い。
いまや中国生産品の信頼性は二極分解している。中国で製造された製品でも、日本ブランドで売られている商品の信頼性はまったく揺るがない。それは工場で働く人たちの品質向上に努める意欲の差でもある。中国はまず、すべての工場が、日本が進出してつくった工場をモデルにして品質管理の基準を作るようにすべきだ。そのために、日本に手を貸してくれというなら、日本産業界は喜んで協力する。
韓国も一時は自動車やエレクトロニクス製品で日本を追い抜くほどの勢いを見せたが、最先端技術を必要とする製品になるとお手上げだ。やはり頭を下げて、日本の最先端技術を学び直す必要がある。いたずらに日本人の感情を逆なでするような姿勢を続ける限り、日本は手を差し伸べたくても、日本の国民感情がそれを許さない。確かに「慰安婦問題」など、先の戦争において一部の日本軍部隊や日本兵士が韓国女性を辱める行為を行ったことは否定しない。それ
がいまだに韓国の元慰安婦の痛みとして心の傷になっていることも理解できる。だから日本政府も可能な限り、日韓基本条約の範囲の中で彼女たちの救済を考えてきた。韓国政府がいたずらに政治問題化しようとするから、日本政府としても「賠償問題はすべて解決済み」という冷たい回答しかできない。
あらためて書くが、歴史認識というものはそれぞれの国に固有のものであって、自国の歴史認識を他国に押し付けることは絶対に不可能だ。中韓が歴史教科書でいかに先の戦争について勝手な解釈を書こうが、日本政府が口を出したことはない。日本の歴史教科書についても、問題があれば日本国民や歴史学者が「この記述には問題がある」と指摘する。他国からとやかく言われる筋合いではないはずだ。
日中韓3国はアジアの発展をこれからも担っていくポジションにあると思う。お互いに重箱の隅をつつきあうようなことは止めて、未来志向で仲良く付き合える関係を作っていきたいものだ。
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