三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 1月16日 静電気注意予報

2017-01-16 | メンテナンスお気楽日記
             北陸の雪は重く湿っぽいのが定説?だが・・・なんか変わってきている

北陸は「弁当忘れても、傘忘れるな」のことわざ?があるくらい、雨が多い地域とされています。

雨が多いって事は「湿度」も高いです。このことが「糸の加工」を容易くしています。
適度な湿気は、糸に腰を作り出し、撚糸加工や糸巻き機・織機の糸の絡みを良くします。

絹撚糸が、儲かる仕事として爆発的に工場が増えた時期もありました。手本にしたのは上州産地の
蚕糸から始まる撚糸工場でした。そこでは工場内「加湿装置」があり、当然のように北陸工場にも
設置されました。ところが、北陸では湿度過多になり、機械が汗をかく状態にもなりました。

80~90%の湿度の中に一日中いるわけですから、保湿のもっちり肌なんて言っていられない、
まず、女工さんの体がネを上げる。機械も当然、動きのない部分からサビが浮いてくる。

加湿装置のスイッチを切っても、品質には何ら問題も出ない。それ以上にガイドの滑りが良くなったり
ベアリング交換率も減った。なにより、縦糸の整経不足事故もなくなった。湿度が糸を重くしていた。

そんな事があり、北陸の撚糸工場では、加湿装置を見ることは稀な状況です。

ところが、最近(けっこう前)から「静電気事故」と思われる事案が増えてきています。
原因として考えられるのは、工場施設の間取り?です。りっぱになった?がゆえの原因です。

すき間風工場とは言わないまでも、以前の工場には風(空気)の流れがありました。
確かに、高速回転を繰り返す燃台工場は糸の乾燥が早い。それを補う湿度が、隣の部屋や窓から流れこみ
何もしなくても70~80%の湿度は確保できていた。

ところが、新工場では空調設備(暖冷房)の為、仕切られた間取り工場が多く、風が遮断されます。

自分の仕事で言えば「ワインダー室」ってのもありました。仕切られた部屋の湿度は50%以下でした。
「卓上加湿器」を設置することを勧めただけで、巻き玉の綾落ち事故は回避出来ました。


「湿度」と「静電気」の関係はけっこう難しいし、微妙でもある。

もちろん、糸自体にも静電気が発生し易い糸と問題のない糸がある。静電気が帯電すれば、糸と糸、
フィラメントとフィラメントが互いに反発しあう。これを「綾落ち」や「フィラメント割れ」と言う。

静電気事故は加工業にとって、目に見える不良巻き・不良織として現われる。対策を急ぎたい。
ところが、湿度があれば静電気が発生しない訳でもない。それ以上に発生原因?も大切なポイント。

ガイドによるこすり発生も、スピードとの相互関係がある。そこに湿度という条件が重なる。


ま、話が長くなるので、結論と注意事項です。昔から「静電気対策」には色んな知恵が取られています。

氷の張るような日の朝は、工場が多少暖かくなってからの作業をお勧めします。特に朝の事故率が多い
です。一番、効果があるのはストーブにやかんです。午後からメンテでは直っている場合が何回もある。

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