三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 1月6日 軟水と硬水

2017-01-06 | メンテナンスお気楽日記
                 自分の愛飲は、滑川の海洋深層水です。20リットルで200円

以前(10年以上昔)染工場の工場長が「中国の水では、この色はゼッタイ出せない」なんて言っていた。

その時は、あまり深く考えず「日本の技術は簡単にマネ出来ないモノ」として、聞いていた。
ところが、ボイラー設置の中国輸出にあたり、色々諸問題が起こり、勉強せざるを得ない事となった。

まず結論として、中国の環境問題(PM2,5)の為、輸入規制が極端に厳しくなり、手を尽くしても?
許可が下りなかった。そこで、ボイラーなしで搬入し、以前輸出した設備を使用できるかと思ったが
日本製ボイラーは使えない状態である事も解った。

別ルートの情報によると、日本製品のボイラーは精密が故に?鉱物付着事故が発生し易いとの事。
原因は、「水」。特に硬水地区での使用に関しては、まず先に水質検査の必要もあるとも聞いた。


単純に想像すれば、温泉の湯口の塊り?北陸の融雪装置も処によりサビ色になる。怖いところでは
銅鉱山跡から流れる川は、河川敷が赤サビ色の石で埋め尽くされていた。

糊付け機の工場長が「一にも掃除、二にも掃除」と言っていた意味が、糊だけじゃ無いって事も解った。


日本では反対に「硬水」を探す方が難しい。日本全国にある「名水百選」なんて、すべて「軟水」だろ。
お茶を入れるにも、色や風味、口当たりも柔らかく、さっぱりしている。煮炊きしても旨味が出やすい。

その水を利用している染工場では、さらに「軟水器」を通して、純水化した水で作業している。
染工場に、なぜ、塩がどっさりと搬入されるのかの意味も解らなかった。各工場にある検査室は
決して、色合わせの為ではなく、様々な検査をとおして、微妙な色あいを出している事も。


日本人は「水」に関しては鈍感です。いつも傍に「美味しい水」があるからです。
いっとき、都会の水道水は不味いと言って、ペットボトルの水が売れた時もあったが、すぐに改良され
美味しくなった。塩素殺菌を少なくしたり、濾過槽地の改良など、色んな技術が屈指されている。

もちろん、肝心の水質改善運動の力も大きい。ゴミが流れている川、魚が浮いている風景も見てきた。
都会とは、そんな処だとも思って来た。それが今は、街中河川にアユやシャケが遡上している。

今の子供に「光化学スモッグ」と言っても解らないだろう。となりの国のPM2,5なら解る?
発展途上国はみんな同じことを経験して来た。決して中国の水が悪いのではなく、環境問題が基礎のある。

課題は、いつ気付いて、どう対応するかでもある。

水のミネラル・カルシウムイオン・マグネシウムイオンなどと言ってる日本は平和で安心の国かも知れない

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メンテお気楽日記 1月5日 タイマーのお年玉

2017-01-05 | メンテナンスお気楽日記
「正月に来てもらうのも、気が張ったから・・」外注工場からの修理依頼です。
暮れにワインダーが止まってしまったが、遠慮して電話しなかったのこと。

なんとか一台だけで、仕事はこなしていたが、時間ばかりかかってしまう。
孫の子供?の面倒もみているので、なにかと、仕事には手が取られてしまうとの話も。

「辞めさせて欲しい」と親方に言ったが「もうちょっとだけ・・」と、そのままで糸が運ばれて来る。
歳は80近いと聞いたことがあるが、年金だけでは、孫たちの小遣いにも事を欠く。

けっして充分とは言えない工賃だが、親方の加工賃じたいも、精一杯との現状もある。
女工さんを雇えば、持ち出しになってしまう。低賃金でなっとく?してくれる外注さんが、命の綱。
もちろん、糸の運搬も親方自身がやっている。けっして楽している訳でもなく、汗を流している。


故障原因は、リボンブレーカーのマグネットスィッチの接点不良でした。
2極になれば、サーマルが働き動作を停止する。中途半端な摩耗ならモーターを焼くこともある。
サーマルアンペアが低かったのが、不幸中の幸い?だったかもしれない。

ところが、問題が2つあります。1つは、ワインダーが外注設備(元撚糸工場)のため、ばあちゃんの
持ち出しになってしまう。「親方に相談したら」と言っても「仕事をもらっているから・」と遠慮ぎみ。
機械が動いてこその作業委託だから、と思っても、むげに口出しをする立場でもない。

もう1つは、マグネットスィッチの新品在庫の持ち合わせが無い。最近は無接点リレー仕様だから
マグネットスィッチのケース付きなんて、何年も買っていない。買うとしても、自作ケース組込み用の
本体のみ、それも、新型変更とかで小型化され、サイズが合わない。


対応は、中古機器での入れ替えです。ツインタイマーを使用していたモノを使えば、中古価格から
差し引くことになります。それで充分、工料はまかなえるとの計算にもなります。が、それがない。

中古在庫は少しでも高く売りたいので、時間タイマー付きに組み替えてあります。5千円か1万円かと
言われれば、やはり1万円の品を売りたい。プラス要素はお客にとっても魅力であり、安ければ買いです

必要な時だけ使う、切り替えスイッチがみそでもある。デジタル表示タイプこそは客注になりますが、
アナログタイプや旧型タイプは中古在庫が豊富です。驚く価格で「時間タイマー組み込み」出来ます。

話が長くなりそうなので、結論はタイマー組み込み中古を「お年玉メンテ」にしました。

今年、初めてのメンテ依頼だったこともあり、笑顔で「ありがとう」をも聞きたかった。
「タイマー組み込み」なら仕事をしながら、子供の面倒も見ることができると、喜んでいた。

帰り際「孫のため仕事をしているのか、仕事があるから元気でいられるのか?わからない」なんて。
仕事のハリが元気の元だとは、断言できるが、孫の小遣い稼ぎにしかならないのもオカシナ話です。


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メンテお気楽日記 1月4日 パワーサプライ装置(変圧器盤)

2017-01-04 | メンテナンスお気楽日記
去年の暮れに作った「プーリーセンサー式定長装置」定長回転数になれば、モーターが停止します。

当然、一錘の回転数が満巻になれば、全錘が停止します。時間タイマー方式より、確実に糸の長さを
計測するとのことで採用されましたが、やはり、他錘で糸量(重さ)にバラ付きがあるとの事です。

原因は、各錘の紙管ベアリングの不具合が考えられます。ドラム接圧駆動なので、糸を巻き込む力に
バラ付きが出て来ます。回転数が少ない(悪い)ければ、糸量も少ない状態で停止します。

「全錘にカウンター装置を付けたい」との嬉しい?指示もありましたが、その為には、
ワインダー自体を「ワン・モータータイプ」に入れ替える必要があり、これは無理でした。

他にも、カッター仕様にして、糸を定長で切断する方法もありましたが、特殊糸(鋼線入り)のため
テスト結果は散々でした。強制的にドラム分離する方法は、惰性回転数が多過ぎるので、これ又ボツ。


最終的?に「各錘の実長表示が解れば、修正範囲内」との指摘があったので、各錘ごとにカウンター
だけを、組み込む事になり、カウンター装置を選ぶところで、年を越すこととなりました。

無電圧のトータルカウンターは安価だが、回転数をメートル換算表示することが出来ない。
やはり、スケーリング機能(4回転で1カウント)のあるプリセットカウンターが必要となります。


と、ここで考えました。と、言うより心配にもなりました。(正月休みで動けない)
カウンター電圧を並列配線するのは簡単だが、はたして200Vのままでは安全が保たれるのか?

いくら、機械屋のおまけ装置でも、いくら客先指示でも、事故が起きた時の保証がない。
人身事故なら、なおの事。もしもの事、考えられる安全対策はしておかなければならない。

そこで、見積もり書にはない「パワーサプライ装置」の組み込みを、今日追加お願いしました。
モーター用の200V電圧から、24VDCに変圧できる装置です。

当然、カウンター装置も表示ランプも電圧変更のため買い替えになりますが、安全が安心です。

産業機械の200V仕様から、工房さん希望の100V仕様。今度は24V配線です。
まったく、機械屋か電気屋か解らない仕事ばかりです。でもメンテの半分以上は電気故障が原因です。

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