ルイーズに訪れた恋は・・・

39歳女性、キャリアウーマン、バツイチ。鏡の前で念入りに化粧をする姿が映される。一体そこにはどんな意味があるのか。40にいま手が届こうとする女性には若く見せたいという思いが強い。頬を生き生きと見せたい。目の下のくまはなるべく薄く・・。そうだろうか。40になることに何のためらいがあるか。中年に差し掛かる女性を描くときに、どれもステレオタイプに描かれてしまう姿にどうしてもいちゃもんをつけたくなる。

美術専攻の大学院生を選考するルイーズ。ある日、送られてきた書類の名前を見た瞬間、時が止まってしまった。かつて恋人だった男の名前。同じく絵を目指している。選考部長の権限を駆使するあたりがやけに生々しいが、その男子生徒Ｆ・スコットを呼び出す。よみがえる記憶。忘れようと思っても忘れられなかった彼。事故で死んだはずなのに、まるで生き返ったかのように彼女の前に出現したＦ・スコット。

二人はお互いに惹かれあうが、ごく常識的に考えるならば、この関係は普通ではない。選考部長と生徒、39歳と24歳。理性で生きる姿と本能に突き動かされてる姿。素直にくっつくにはいろいろと障害がある。

元亭主は自分の秘密を暴露するし、親友と思っていた友人は今も自分の好きなものをぶんどろうと狙っている。おばちゃんならではが抱えているさまざまないざこざをルイーズはどうするのか・・・・。というようなお話なのだが、とっても変で、とってもわかりやすい。気持ちもよくわかるし、あまりに生々しいのだ。おばちゃんが若く見せようと努力する姿に、面接のときに部長がこんな服着てるわけないじゃんに、段取り踏んで進んでいく恋愛じゃなく、一気にやっちゃう本能の姿まで。

生きてる姿、いくつになろうと素直に恋する姿、揺れ動く気持ちが生き生きとではなく、生々しく伝わってくるのだ。その所以はローラ・リネイの存在によるものが大きいが、なまじのＨ映画より、よっぽどＨに感じたのは成功？なんとも表現が難しいが、おばちゃんも堂々と恋していいんじゃないっすか。いまどき、そんなボーダー、あんまり感じなくなりましたが。

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『ルイーズに訪れた恋は・・」
監督　ディラン・キッド
出演　ローラ・リニー　トファー・グレイス　ガブリエル・バーン　マーシャ・ゲイ・ハーデン