迷宮映画館

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6才のボクが、大人になるまで。

2015年02月05日 | ら行 外国映画
しばらく書けないでいた私。もちろん、待ちに待って、イーサンに萌えるために満を持しての鑑賞。沸き起こってくるテンションを抑えるのに、少々苦労したくらい。楽しみに楽しみに待っていた作品。

6才だった少年をじっくり追って、12年間の成長を見守ってきた。それは監督だけじゃなく、父親役のイーサンと、母親役のパトリシアも含めて。





何ということはない毎日。ちょっと信用のおけない父親。二人の子供を置いて、離婚。母親と子供が暮らしている。父は、2週に一回会うちょうどいいうざさの存在。母はそうはいかない。日々の面倒を見、ご飯を食べさせ、学校に送り、洗濯をし、毎日守らなければならない。

たまにやってくる父ちゃんは明るくて、他愛なくて、楽しい。ハレとケみたいなもんかもしんない。



おかあちゃんは、いまいち男運が悪い。こいつはいいかも・・と思って付き合ったり、新しい家族を作ったりするのだが、なかなかうまくいかない。イーサン父ちゃんって、何気によかったじゃん・・と、じわじわ感じてくる。



母ちゃんは勉強しなおして、資格を取って教壇に立つ仕事を得る。その苦労は並大抵のことではないはず。でも、それができたのは子供のためだ。断言する。様々な人と出会い、いろんな体験をし、スキルを高め、生活を安定させようという原動力は子供だ。

そして時は容赦なく経っていく。時の流れだけは誰にでも同じはず。そして容赦ない。子供は成長し、大人へ踏み出し、母は母を卒業する。その嬉しさと切なさと寂しさの気持ちの表し方が痛い。わかりすぎるくらいにわかる。



母はここで決壊してしまった。心をぐちゃぐちゃにされてしまった。この気持をどうしたらいいか分からないほどにやられてしまった。



思い浮かんだのはうちの17歳の坊主。来年どうなるんだろう。こいつのちっちゃい時も姿を思い出して、それこそ走馬灯のようにこの17年のことが思い浮かんだ。先に大人になって家からいなくなった長女と、長男が大学に入った時のこと。荷物を車に積んで、エンジンをかけて出発した時のこと。アパートに荷物を積み込んで、一人でこれからここで生きてくんだって見送った時のこと。。。。

ほっとしたのか。重荷をおろしたのか?いや、さびしいのか、、、、わかんない。わかんないけど、母はいつまでも母でありたいのかもしんない。そんな思いがどおーーーっと押し寄せてきた。いまだに心が揺さぶられている。



ということで、お見事な一本でした。言うまでもなく、ちゃらい父ちゃんから、なんか落ち着いていい感じの父ちゃんになってくイーサンに悶えていたのは、言うまでもありません。



ですが、今回ばかりはおかあちゃんのパトリシアに完全に感情移入。まじ母ちゃんの気持ちで見てました。パトリシア母ちゃんのお体の線の変遷もなかなかの見もの。ちょいと尋常な太り方じゃなかったけど、リアルだ。

価値ある一本でした。だから映画はやめられないです。




◎◎◎◎◎

「6才のボクが、大人になるまで。」

監督 リチャード・リンクレイター
出演 エラー・コルトレーン ローレライ・リンクレイター パトリシア・アークエット イーサン・ホーク


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