大江戸捜査網か・・。
2007年の〆は『魍魎の匣』。
これが厄介。【もうりょう】だと出ない。【ちみもうりょう】と打たないと出ない。おまけに【ちみ】だけだとでないという厄介さ。絶対に京極某という方は、性格に問題が・・・。
アベちゃん大好き娘のためにとって置いた映画。年末、それも大みそかにマッチの映画とは思えないが、鑑賞。
どこの戦場か・・、太平洋戦争末期の悲惨な状況、陸軍の一個師団全滅の様相。一人生き残っていた榎木津が死体の中を歩きまわる。そこで見つけた生存者が一人。しかし、不思議な力を持つ榎木津の目に入ったのは。この男の悲しい過去。
それから7年後。戦後の日本もそろそろ復興の兆しが見えていたころ。世間を騒がせたのは、猟奇的ばらばら事件。それも一人の人間のものではない。右手が何本も。それは死体の数を想起させる。
時を同じくして、妙な新興宗教がはやる。不幸な人間についた厄災を匣に納めようと、信者から金を巻き上げるあくどい宗教。しかし、その信者たちと、行方不明の女たちが、奇妙に符合する。
そして今一人。女優の柚木陽子。娘の父親が大財閥の忘れ形見。瀕死の御大が亡くなれば、娘に財産が譲られる。しかし、それをよしとしない人たちが娘の命を狙っている。それを知ってか知らずか、娘の佳世子は、奔放だ。
巷に広まるバラバラ事件に引き寄せられるように、私立探偵の榎木津、小説家の関口、そして現代の陰陽師・中禅寺が、事件に挑む。
ということで、京極堂の小説は一度挑戦したが、あの分厚さと、蘊蓄の羅列に降参。以来、本棚に飾ったままで、いまだ読了ならず・・・。なんも知らずに見たのだが、さすが原田監督、見せ方がうまい。きっと原作のファンの方には、描き足らないことが多くて、不満も多そうだが、あの分厚さを2時間強に納めようというのだから、そこは最初から目をつぶっていただかなくては。
実相寺監督の、まるで独自の(彼しか理解できないような・・・年取ってからは一層感じたあの世界・・)描き方と違って、ちゃんと一般向けというか、普通の観客用に見やすい。そこは大事でしょう。でも、ちゃんとおどろおどろしいところと、榎木津ト関口と中禅寺のキャラは、見事に使い分け、それぞれが、それなりに活躍しているところがおいしい。
戦争中の軍部の暴走振りや、いかにもトラウマになりそうな幼児体験。いつの世にある怪しげな新興宗教に、金まみれの世の中。うーん、テーマは普遍だ。先の見えない話が、少しづつながら、見えていく過程があざとくない描き方でなかなかいい。
女剣劇のスター、黒木瞳が、ばっちり決まった殺陣をご披露。いままで、この人を宝塚出身というように感じたことがなかったのだが、今回初めて強く認識。様になってる。そこをストーカー気味に惚れてる宮迫が最高です。
謎はそんなに驚愕!!というものではないが、人間という一個の生命体を作ろうと思ったら、ものすごくでっかい大規模工場並の施設が必要だとなんかで見た。それほどこの生命体というものは、ものすごいもので、それこそ天文学的な奇跡で誕生し、ここまでのものになった。
映画の趣旨はまるで違うと思うのだが、見ていて、やはり人間つうのはすごいもので、これをきちんと守らないといけないもんじゃないかと、思ってしまった。
見ながら、いろんな映画が想起させられるところがあたし的には一番の見どころだったのかも。テーマはやっぱ『ボクシング・ヘレナ』!?・・・猟奇的ながら、結構好きな映画だったのですよ。『ルパン三世マモーの巻』に、『第三の男』からは、あの50年代の音楽。
そして、何もかにもすべて吹っ飛んだのは『天井桟敷の人々』・・・・。木場刑事は2回見たわけですね。宮迫さん、ほんとに見たの?の突っ込みは野暮でしょうか・・。あのポスター!!!!欲しいい。
うーーーん、あたしは一体、何を見に行ったのでしょう。
43歳組の三人の男優さんたちの息もぴったり。余裕の演技でしたが、クドカンもらしすぎ。ちょっと異国情緒漂う、50年代の雰囲気も良かったですねえ。まあまあ、満足の〆の一本でした。
◎◎◎●
『魍魎の匣』
監督・脚本 原田眞人
出演 堤真一 阿部寛 椎名桔平 宮迫博之 田中麗奈 黒木瞳 マギー 堀部圭亮 荒川良々 笹野高史 大沢樹生
今年もあと、3時間となってしまいました。総まとめはさっぱりやってませんが、今年もまた思いっきり映画三昧してしまいました。200本超えをしてしまいましたが、いろいろあった一年で、公私ともに、まさに激動の2007年でした。
新たなたくさんの出会いもできましたし、多くの方の叱咤激励、温かい言葉、応援、とってもうれしいプレゼントや、悲しい出来事もありました。3年分位、一気に生き抜いたような気もしましたが、きっとそれは充実した証拠だと思います。
来年もまた拙いブログを続けていこうと思っておりますので、応援、ご愛顧、叱咤、そのたもろもろ、何でも承ります。どうぞよろしく。
では皆様!!どうぞよいお年を
2007年の〆は『魍魎の匣』。
これが厄介。【もうりょう】だと出ない。【ちみもうりょう】と打たないと出ない。おまけに【ちみ】だけだとでないという厄介さ。絶対に京極某という方は、性格に問題が・・・。
アベちゃん大好き娘のためにとって置いた映画。年末、それも大みそかにマッチの映画とは思えないが、鑑賞。
どこの戦場か・・、太平洋戦争末期の悲惨な状況、陸軍の一個師団全滅の様相。一人生き残っていた榎木津が死体の中を歩きまわる。そこで見つけた生存者が一人。しかし、不思議な力を持つ榎木津の目に入ったのは。この男の悲しい過去。
それから7年後。戦後の日本もそろそろ復興の兆しが見えていたころ。世間を騒がせたのは、猟奇的ばらばら事件。それも一人の人間のものではない。右手が何本も。それは死体の数を想起させる。
時を同じくして、妙な新興宗教がはやる。不幸な人間についた厄災を匣に納めようと、信者から金を巻き上げるあくどい宗教。しかし、その信者たちと、行方不明の女たちが、奇妙に符合する。
そして今一人。女優の柚木陽子。娘の父親が大財閥の忘れ形見。瀕死の御大が亡くなれば、娘に財産が譲られる。しかし、それをよしとしない人たちが娘の命を狙っている。それを知ってか知らずか、娘の佳世子は、奔放だ。
巷に広まるバラバラ事件に引き寄せられるように、私立探偵の榎木津、小説家の関口、そして現代の陰陽師・中禅寺が、事件に挑む。
ということで、京極堂の小説は一度挑戦したが、あの分厚さと、蘊蓄の羅列に降参。以来、本棚に飾ったままで、いまだ読了ならず・・・。なんも知らずに見たのだが、さすが原田監督、見せ方がうまい。きっと原作のファンの方には、描き足らないことが多くて、不満も多そうだが、あの分厚さを2時間強に納めようというのだから、そこは最初から目をつぶっていただかなくては。
実相寺監督の、まるで独自の(彼しか理解できないような・・・年取ってからは一層感じたあの世界・・)描き方と違って、ちゃんと一般向けというか、普通の観客用に見やすい。そこは大事でしょう。でも、ちゃんとおどろおどろしいところと、榎木津ト関口と中禅寺のキャラは、見事に使い分け、それぞれが、それなりに活躍しているところがおいしい。
戦争中の軍部の暴走振りや、いかにもトラウマになりそうな幼児体験。いつの世にある怪しげな新興宗教に、金まみれの世の中。うーん、テーマは普遍だ。先の見えない話が、少しづつながら、見えていく過程があざとくない描き方でなかなかいい。
女剣劇のスター、黒木瞳が、ばっちり決まった殺陣をご披露。いままで、この人を宝塚出身というように感じたことがなかったのだが、今回初めて強く認識。様になってる。そこをストーカー気味に惚れてる宮迫が最高です。
謎はそんなに驚愕!!というものではないが、人間という一個の生命体を作ろうと思ったら、ものすごくでっかい大規模工場並の施設が必要だとなんかで見た。それほどこの生命体というものは、ものすごいもので、それこそ天文学的な奇跡で誕生し、ここまでのものになった。
映画の趣旨はまるで違うと思うのだが、見ていて、やはり人間つうのはすごいもので、これをきちんと守らないといけないもんじゃないかと、思ってしまった。
見ながら、いろんな映画が想起させられるところがあたし的には一番の見どころだったのかも。テーマはやっぱ『ボクシング・ヘレナ』!?・・・猟奇的ながら、結構好きな映画だったのですよ。『ルパン三世マモーの巻』に、『第三の男』からは、あの50年代の音楽。
そして、何もかにもすべて吹っ飛んだのは『天井桟敷の人々』・・・・。木場刑事は2回見たわけですね。宮迫さん、ほんとに見たの?の突っ込みは野暮でしょうか・・。あのポスター!!!!欲しいい。
うーーーん、あたしは一体、何を見に行ったのでしょう。
43歳組の三人の男優さんたちの息もぴったり。余裕の演技でしたが、クドカンもらしすぎ。ちょっと異国情緒漂う、50年代の雰囲気も良かったですねえ。まあまあ、満足の〆の一本でした。
◎◎◎●
『魍魎の匣』
監督・脚本 原田眞人
出演 堤真一 阿部寛 椎名桔平 宮迫博之 田中麗奈 黒木瞳 マギー 堀部圭亮 荒川良々 笹野高史 大沢樹生
今年もあと、3時間となってしまいました。総まとめはさっぱりやってませんが、今年もまた思いっきり映画三昧してしまいました。200本超えをしてしまいましたが、いろいろあった一年で、公私ともに、まさに激動の2007年でした。
新たなたくさんの出会いもできましたし、多くの方の叱咤激励、温かい言葉、応援、とってもうれしいプレゼントや、悲しい出来事もありました。3年分位、一気に生き抜いたような気もしましたが、きっとそれは充実した証拠だと思います。
来年もまた拙いブログを続けていこうと思っておりますので、応援、ご愛顧、叱咤、そのたもろもろ、何でも承ります。どうぞよろしく。
では皆様!!どうぞよいお年を
旧年中はなかなか他のブログに訪問できなかったので、今年はどんどんTBするぞ~と意気込んでいます。
200本超えた鑑賞数。
集計するのは大変かと思いますが、楽しみに待ってま~す♪
今年もどうぞよろしく。
正確には211本くらいですが、映画館がリニューアルして、追いつくのが大変です。
今春からは、別大量映画館もできるということで、山形映画館戦争が勃発しそうです。
乞うご期待!
いまから実家に行ってきますので、PC持って、のんびり家でまとめてきます。
今年もよろしくお願いしますね。
やっぱり娘さんと行かれたんですね!
ってか娘さんアベちゃん好きって渋いですね~!
〆がこれって・・・みたいな。
アベちゃんとか、堤真一とか、ああいのが好きみたい。変な10代です。もうすぐ19ですが。
今年も宜しくお願いします!
私は京極夏彦さんの本が大好きで、こちらも昔読みました~でも、内容はうろ覚えなので結構楽しく鑑賞出来ました。
ただ・・・原作の雰囲気の映像化は難しいんだろうなぁ~という感想は持っちゃいました。
今年もどうぞよろしく。
あの分厚い本は、いまだ読破しておりません・・。
・・・いつか、がんばります。
原作の持つ雰囲気のどこを強調するかで、ちがったものになるのでしょうね。
次はどんな監督が映画化してくれるんだろうと待ちましょう。
ところでこの映画・・・
前作も劇場鑑賞しちゃったんですが、
今回のほうが、ちょっと判りやすかったです。
しかし、パソコンでは漢字変換できないタイトルだし・・・
登場人物の名前は覚えづらいし・・・
原作者は、ほんとひねくれ者!!!なんでしょうね。
とは言いつつ、俳優さん達は個性出しまくりで、
まあまあのミステリーに仕上がってたと思います。
次回作も、作るんでしょうが・・・
またきっと難しいタイトルなんでしょうね。
結構、贅沢な映画ですわ。
うぶめはだめでしたわ。
いまだ話がよーわからん。
どんな話だっけ??
今回は、結構素直にわかりやすい映画に仕上がってたと思いますよね。
また返還の難しい題名だと思われます;
>【もうりょう】だと出ない。
ちなみに…私のパソコンは魍魎は一発変換でした。
匣も数個目の候補。
でも「魍魎の匣」は京極道の中では簡単な漢字ですからねぇ…「おんもらき」なんて絶対出てこない。
…本文中にも常用漢字以外多用のこのシリーズですが、数冊読んでいるうちに割とスラスラ読めるようになってくるから不思議です。
さて不思議といえば…
「世の中には不思議なことなど何も無いのだよ」と京極堂はいいますが、あの原作から何故このような脚本になったのかは実に不思議です。
配役も含め、思い描いていたイメージとの差異なんてものは原作ファンの勝手な思い込みなんだろうけど…。
この映画のストーリー展開は…実にまとめづらそうで…逆に映画化を困難にしているようにも思えるんですけどねぇ。
では、また来させていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。
匣は、単漢字で一回出してからはすぐに出るようになりました。
はははは。
挑戦したのが、何だったのかも忘れましたが、漢字がいっぱいでしたね。
今度ちょうせんして・・みません。
いや、原作ファンのイメージって言うのは、ものすごく大事な要因だと思います。
まず監督は、原作ファンか、原作を尊敬してることが作る基本だと思いますよね。
今回はどうなんでしょ。