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真夏の方程式

2013年07月09日 | ま行 日本映画
本は既読。ガリレオシリーズは、福山氏のキャラが強烈に立ってしまったいるので、本を読んでても、あのぽやっとした顔がつい思い浮かんでしまうのがイメージしやすい点でもあり、難点でもあると思っている。

さて、湯川先生いくところに事件あり!コナンか!!と突っ込みを入れたくなるが、それはやむを得ない。手つかずの自然が残る玻璃ケ浦という海。しかし、昨今の事情から、海底資源の採掘の場として目をつけられた。海底を掘るなんてことをしたら、この自然が壊れてしまう。開発業者が行う説明会に対して、当地の自然保護団体が厳しく抗議をする。

そこにやってきたのが、湯川先生でありまして、開発業者の方のアドバイザーとして、この海に。そして事件が起きるのであります。

いつもの東野流で、殺したいから殺した!とか、恨みから人を殺める・・・というのではなく、やはり誰かを守るため、あるいは、何かを隠すためにやむを得ず・・・・というパターンです。誰にも解けないような複雑に絡んだ人間関係の方程式。それを丁寧に、見つめ、一つずつほぐしていくのが、湯川流なわけでございます。

本はずしりと読み応えのある作品で、キーになる子供の恭平君のキャラがなかなかいいのです。理科嫌い・・・っていうだけじゃなく、どっか大人びてて、こまっしゃくれた男の子。つい子供嫌いの湯川先生にして、「面白い」と言わせるようなガキ、なはずなんですが、そのこまっしゃくれた部分がちょおおっと薄かったのが残念。

いろんなものが内包された話なもんで、それを二時間に収めるというのが土台きついこと。それを無理無理納めて、ポイント、ポイントをダイジェスト的に描いた感が強かったなあ。切るとこはすっぱり切って、納まってはいるんだけど、駆け足で進んでいったような気がしましたです。

でも気持ち重視の部分は、これでもかっとずしずしと攻めてくるのは、西谷風味ですなあ。全体のバランスとして、どたどたと走った後に、ゆっくりと、ゆっくりすぎるほどに浪花節で行く・・・・というアンバランス感が気になったのでした。

罪と罰という永遠の難しい命題です。罪を犯した人間に下される罰。それは目に見えるものであったり、己だけが背負う心の罰であったりと、いろいろあります。自分だけが背負う大きな重い心の罰をやたらに課せる東野さん。なんかやだ・・・。話的には、あまり好きな話じゃなかったです。

と、中身はそっちに置いて、役者さんはどれもうまいっす。特に前田吟のお父さん。やけによかったなあ。最近、バラエティとかが多く、きちんとしたご出演のお姿って、久しぶりな感じでしたが、とっても良かった。おれが背負う!!感がにじみ出てた。

で、なによりかにより、一番の感動は、杏ちゃんの子供時代を演じた子役の子。似過ぎ!一瞬、杏ちゃんが無理やり若つくりして出てきたん?と思ったほど。こういうところに気をまわして、違和感なく作っていこうという姿勢を邦画で多く見るようになりました。前は、何でこの人が大きくなると、こうなっちゃうの?と興ざめすることが多かったのですが、いい感じでした。映画の空気として大事だと思うなあ。

◎◎◎○

「真夏の方程式」

監督 西谷弘
出演 福山雅治 吉高由里子 北村一輝 杏


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
父性本能~ (cyaz)
2013-07-13 08:56:52
sakuraiさん、おはようございます^^

湯川先生、じんましん出ず(笑)、
父性本能に目覚めた感じでしたね^^

>特に前田吟のお父さん。やけによかったなあ
うん、これは同感です!
なんだか映画は寅さん以来の印象が(大汗)
杏ちゃんの“泣き”の演技に、ギュッと抱きしめてあげたくなりました!
ん、これも父性本能(笑)?
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>cyazさま (sakurai)
2013-07-17 15:10:15
父性は、感じましたね。
実はああ見えて、人情家なんだってのは、よーく知られてますからね。
分厚い本のかいつまみ感はあったんですが、とにかくきっちりと脇役陣が締めてたなあと感じました。
男性陣には、やっぱ杏ちゃんは、評判いいですね。
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こんばんは (はらやん)
2013-08-01 20:57:37
sakuraiさん、こんばんは!

原作もこの作品の頃となると、福山さんの影響が出ていますよね。
湯川は最初の頃はちょっとぽっちゃり風だったと思うのですけれど、しゅっとした二枚目として描かれていますよね。
原作も登場人物がしっかり描かれていた作品でしたが、映画版も想像以上によくできていた感じがします。
第二期テレビシリーズがちょっと物足りなかったので、劇場版は堪能できました。
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>はらやんさま (sakurai)
2013-08-09 19:25:36
そうなんですよ。本を読んでても、ついあの顔が思い浮かんでしまう。
それはそれでいいのですが、そっちに頼ってる感も無きにしも非ず。
東野作品の映像化は、成功率半々くらいだと思います。
これはよく出来た方ですかね。
脇役のおかげかとも思いますが、吉高ちゃんがあまり全面に押しでなかったのが、よかった気がします。
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