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ティアーズ・オブ・ザ・サン ナイジェリアってどんな国?

2003年10月29日 | お勉強コーナー
もうこれはナイジェリアの勉強をしてもらうしかない!


ナイジェリア・・・ギニア湾に面した重要な地域にあり、人口も1億をこえ、アフリカの中でも非常に多い部類に入る。
 国土は3つの部族によって三分轄できる。

ハウサ族・・・北部地域に住むイスラム系住民。アフリカの中でハウサ語を話す人が非常に多く、アフリカ共通の言語の特徴をもっている。また、清涼飲料水の原材料のコーラの実が取れることでも知られている。このエピソードは映画の中にも登場。

ヨルバ族・・・西部に住み、ハウサ語とは言語形態の違う民族。14~18世紀にかけてポルトガルとの奴隷貿易を仲介することで巨大な富を得ていた。

イボ族・・・東部に住むキリスト教系民族。イギリス植民地時代は官吏として重用される。商業も成功し、植民地時代に一番いい思いをした民族。

このような言語も歴史もまるで違う国を合わせて出来た国がナイジェリアである。さらに多くの人口を抱えた国であるから、問題も多く、民族間のバランスが崩れると、内戦状態になるのも必須。

このナイジェリアは15世紀以降、奴隷貿易が盛んに行われるようになったが、19世紀になるとあらたに特産物のパーム油に目をつけられるようになる。目をつけた国は『イギリス』。

1851年、奴隷貿易を行っていたことを、イギリスは強く非難し、それを口実に隣のベニン王国を攻めて、南部の支配を固める。(ちなみにイギリスが奴隷解放令を出したのは1834年。ほんの10数年前。自分のやってきたことは、完全に棚に上がってる。)イギリスは南部から勢力を広げていき、北部、東部も支配下に入れることに成功する。結局、今のナイジェリアの根本を作り上げたのはイギリスであり、問題の原因を生み出したのも、イギリスの植民地支配だ!ということだ。

1960年、ナイジェリア連邦として独立を果たしたが、国の運営に関してそれぞれの民族の主張が対立。地域的、民族的、宗教的対立が激化していく。

イボ族出身の将軍が、北部の指導者を暗殺したことを皮切りに、北部とイボ族の内戦状態が始まる。虐殺されたイボ族が東部に移住し、彼らの中から生まれた分離独立を望む声に促されて、ビアフラ共和国の独立が宣言され、ますます内戦は激化していく。

当初、ビアフラ側が優勢だったが、ナイジェリア政府軍が巻き返しをはかり、ビアフラの指導者が逃亡。これによって内戦は終結する。

内戦後のあらたな対立の構図は『民政移管』対『軍事独裁』。75年以来、クーデターが頻発し、指導者の首がすげ変わる状態が続いていく。最終的に民政移管の国民民主党のオバサンジョ氏が大統領に就任し、和平にこぎつけ、現在にいたっている。


ざっと、ナイジェリアの歴史を振り返ってきたが、こう見てみると、この映画の舞台になっているのは、一体、いつのことなのだろうと思ってしまう。キリスト教とイスラム教の違いが根底にあって、対立していたのは60年代。しかし、あの近代的な装備を見れば、ごく最近が舞台になっているように見える。フィクションなら、フィクションと銘打つべきであり、あまりにお粗末な作りにこれは書かねばと思った次第。

脇で見ていた高校生軍団のお兄ちゃんたち。見る前にがやがやと騒がしく、「どれ、おばさんの出番かな・・」と思ったのだが、始まったら、おとなしく見入ってた。それはそれでいいのだが、終わった後に、彼らは超感動していたよう・・・。「かっこいい」「マジいい」とか・・・。やばいっす。そう思わせようとした製作者の意図にまんまとはまるな。

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2 コメント

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ぱーむゆ? (ひな)
2009-09-02 11:38:10
ぱーむゆとは
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>ひなさま (sakurai)
2009-09-02 20:58:04
パームってのはヤシの木の種類で、そこからとれる油です。
植物油で、マーガリンとか原料になります。
ナパーム弾の原料にもなるとか。
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