結構好きな台湾映画なのだが、余計な説明と言うか、親切あふれる解説めいたものは一切なく、え?え?と、思いながら見て行くのが、特徴みたいなもんかもしれない。
そういう伝統めいたつくりを踏襲したように、やはりはじめは、何がなんだかわからない・・。
そんな観客の思いを知ってか知らずか、とんとんと勝手に話は進んでいく。まあ、その辺はあせらず見ていると、じわじわわかってくるので、流れに任せていくのが常道でしょう。
つうことで、鑑賞です。あとでからわかったことも含めて、簡単なあらすじを。
歌手になることを夢見て、台北で何とかがんばってきた阿嘉。でも、結局売れずに失意の状態で故郷の恒春に帰る。やる気もなく、うだうだとすごす毎日。
「俺は国宝だ!」と、ことあるごとにうそぶいていた茂老人。だいぶお年なのだが、それでも危なっかしくも郵便配達を続けていた。で、ある日乱暴な運転のマイクロバスをよけようと思って事故。動けなくなった爺さんの代わりに、阿嘉が、配達をすることになった。
それでもまったくやる気無し。時間内に配り終えることができなかった手紙が部屋に増えて行く。その中にあった、あて先不明の小包に目が行く。
開けてはいけない小包だったが、つい開けてしまった阿嘉は、届かなかった思いの詰まった手紙を見る。そこに綴られていたのは、戦争が終わって、引き上げて行った日本人と、彼について行くことができなかった現地の女性との、実らぬ想いだった。
一方、モデルとしての夢を果たせず、撮影の通訳を任せられていた日本人の友子。遠く異国で、1人でなんとかがんばってきたが、うまく行かないことが多く、何かといらだっていた。
ちょうどその頃、台湾でも人気の日本人歌手の中孝介のコンサートが、ここで行われることになった。その手伝いやら通訳も頼まれた友子は、コンサートの前座を担当するバンドの、オーディションも任せられる。
地元の人でコンサートを盛り上げようとする政治家の意向やら何やらがあいまって、大掛かりなオーディションになるが、集まったのは、老若男女・・。その中から、しぶしぶ警察の仕事をしているギターと、天才肌だけどまだこどものキーボード、バイク修理屋に勤める男が選ばれる。
そして、阿嘉。れっきとしたミュージシャンだったわけで、半ば強制的に動員されるのだが、曲つくりも含めて、思い通りにならない。友子ともぶつかってばかり。ちゃんと通して演奏もできないのに、コンサートの日は迫ってくる。
そして、中孝介の来台。コンサートはうまくいくのか?ぶつかってばかりの友子と阿嘉は?届かなかった手紙は届くのか??
うーん、説明不足が結構尾を引いて、頭を傾げたまま・・・というところがあったのだが、その辺は目をつぶって、なかなか面白かった。それまでのうまくいかない人生。まだまだ若いんだから、そんなにめげるな!とも言いたいところだが、つらい気持ちもわかる。
やたら怒っていたり、半端な仕事になってしまったりするのは、そんなところからだろうが、そこは仕事!責任もってやらねば。友子が酔っ払って、うまくいかない人生の鬱憤をはらすように少々暴れるが、あすこは日本人っぽくなかったなあ。
少々やりすぎ。
で、阿嘉と気持ちを通わすようになるが、ちょっと唐突過ぎましたかね・・・。と言ってると、不満が多くなるのだが、描き方がちょっと荒っぽかったのが残念。どこに焦点を絞って、何を一番訴えたいのかをもっとすっきりさせたら、ものすごい秀作になりそう。次回に期待です。
とはいえ、音楽はとっても素敵だし、中孝介の歌声もさすがにすばらしい。さりげなく歌う声を聞いて、「力まなくてもいいんだ!」なんて感じるところはよかった。で、何よりすべてを持って行ったのは茂老人でしたな。月琴奏者の枯れた爺さんなのだが、結構肉食系で、エネルギーがほとばしってるのがかわいい。
いや、かわいいなどと失礼極まりないが、なんとも言えないとボケた味わいと、頑固でお茶目な風がとっても素敵だった。ホウ・シャオシェン映画にも必ず老人が登場するが、それも台湾の伝統か!
手紙の送り先が【小島友子宛」となっておりてっきり日本女性なのかと思ったのだが、現地の女性だったと。台湾は日本の植民地時代が長く、反日感情はほかの国よりそれほどきつくないと言われている。皇民化政策も行われたが、日本人っぽい名前は、それほど多くなかったのではなかったと思うのだが、その辺は調べて見ま~す。
◎◎◎○●
「海角7号 君思う、国境の南」
監督・脚本 ウェイ・ダーション
出演 ファン・イーチェン 田中千絵 中孝介
そういう伝統めいたつくりを踏襲したように、やはりはじめは、何がなんだかわからない・・。
そんな観客の思いを知ってか知らずか、とんとんと勝手に話は進んでいく。まあ、その辺はあせらず見ていると、じわじわわかってくるので、流れに任せていくのが常道でしょう。
つうことで、鑑賞です。あとでからわかったことも含めて、簡単なあらすじを。
歌手になることを夢見て、台北で何とかがんばってきた阿嘉。でも、結局売れずに失意の状態で故郷の恒春に帰る。やる気もなく、うだうだとすごす毎日。
「俺は国宝だ!」と、ことあるごとにうそぶいていた茂老人。だいぶお年なのだが、それでも危なっかしくも郵便配達を続けていた。で、ある日乱暴な運転のマイクロバスをよけようと思って事故。動けなくなった爺さんの代わりに、阿嘉が、配達をすることになった。
それでもまったくやる気無し。時間内に配り終えることができなかった手紙が部屋に増えて行く。その中にあった、あて先不明の小包に目が行く。
開けてはいけない小包だったが、つい開けてしまった阿嘉は、届かなかった思いの詰まった手紙を見る。そこに綴られていたのは、戦争が終わって、引き上げて行った日本人と、彼について行くことができなかった現地の女性との、実らぬ想いだった。
一方、モデルとしての夢を果たせず、撮影の通訳を任せられていた日本人の友子。遠く異国で、1人でなんとかがんばってきたが、うまく行かないことが多く、何かといらだっていた。
ちょうどその頃、台湾でも人気の日本人歌手の中孝介のコンサートが、ここで行われることになった。その手伝いやら通訳も頼まれた友子は、コンサートの前座を担当するバンドの、オーディションも任せられる。
地元の人でコンサートを盛り上げようとする政治家の意向やら何やらがあいまって、大掛かりなオーディションになるが、集まったのは、老若男女・・。その中から、しぶしぶ警察の仕事をしているギターと、天才肌だけどまだこどものキーボード、バイク修理屋に勤める男が選ばれる。
そして、阿嘉。れっきとしたミュージシャンだったわけで、半ば強制的に動員されるのだが、曲つくりも含めて、思い通りにならない。友子ともぶつかってばかり。ちゃんと通して演奏もできないのに、コンサートの日は迫ってくる。
そして、中孝介の来台。コンサートはうまくいくのか?ぶつかってばかりの友子と阿嘉は?届かなかった手紙は届くのか??
うーん、説明不足が結構尾を引いて、頭を傾げたまま・・・というところがあったのだが、その辺は目をつぶって、なかなか面白かった。それまでのうまくいかない人生。まだまだ若いんだから、そんなにめげるな!とも言いたいところだが、つらい気持ちもわかる。
やたら怒っていたり、半端な仕事になってしまったりするのは、そんなところからだろうが、そこは仕事!責任もってやらねば。友子が酔っ払って、うまくいかない人生の鬱憤をはらすように少々暴れるが、あすこは日本人っぽくなかったなあ。
少々やりすぎ。
で、阿嘉と気持ちを通わすようになるが、ちょっと唐突過ぎましたかね・・・。と言ってると、不満が多くなるのだが、描き方がちょっと荒っぽかったのが残念。どこに焦点を絞って、何を一番訴えたいのかをもっとすっきりさせたら、ものすごい秀作になりそう。次回に期待です。
とはいえ、音楽はとっても素敵だし、中孝介の歌声もさすがにすばらしい。さりげなく歌う声を聞いて、「力まなくてもいいんだ!」なんて感じるところはよかった。で、何よりすべてを持って行ったのは茂老人でしたな。月琴奏者の枯れた爺さんなのだが、結構肉食系で、エネルギーがほとばしってるのがかわいい。
いや、かわいいなどと失礼極まりないが、なんとも言えないとボケた味わいと、頑固でお茶目な風がとっても素敵だった。ホウ・シャオシェン映画にも必ず老人が登場するが、それも台湾の伝統か!
手紙の送り先が【小島友子宛」となっておりてっきり日本女性なのかと思ったのだが、現地の女性だったと。台湾は日本の植民地時代が長く、反日感情はほかの国よりそれほどきつくないと言われている。皇民化政策も行われたが、日本人っぽい名前は、それほど多くなかったのではなかったと思うのだが、その辺は調べて見ま~す。
◎◎◎○●
「海角7号 君思う、国境の南」
監督・脚本 ウェイ・ダーション
出演 ファン・イーチェン 田中千絵 中孝介
開いてはみたものの、手紙を放置する阿嘉は、日本語で書かれた手紙の内容は
想像するしかなかったわけで、、
観る側の私たちも、この手紙の「小島友子」が
日本名をつけられた台湾人だとか、
後半になって気づくことも多かったです。
その点、アチラでは説明するまでもない事実だったわけで、
その違いが最初のノリに関係してくるかも知れませんね。
でも、なかなか素敵な作品でした!
国宝老人!!いいキャラでしたよね♪
台湾映画との出会いはあの「非情城市」です。以来、台湾に興味を持ちました。島国であるが故にスケール感はないんですが、その分、人の生きる感覚を自然に捉えているような作品に出会うことが多いです。台湾映画は好きですね。
「小島友子」がなんだかよくわからなかったのが、最初入れなかった理由かもです。
台湾はそれほど皇民化も厳しくなかったので、そんなに日本名にしている人は多くはなかったと思うのですが、台湾の方から見ると、それは周知のことなんでしょうかね。
おいおいわかっていって、どんどんとのめりこめましたが、なんといっても茂老人でしたね。
あれにもってかれた!というくらいにいいキャラでした。
結構オーソドックスなつくりで、過去と現在を絡めて、いい按配の恋愛物語は、ちょうど多くの人の琴線にぴったり合ったんでしょうかね。
「非情城市」は傑作でした。
素晴らしかった。台湾に旅行に行く前に、ちゃんと見直しましたから。見直してもどうということもなかったのですが。
「非情・・」の公開のときに、「ぴあ」に、レクチャーが掲載されたのを思い出します。
いかに今の日本人が台湾のことを知らないか、ということが如実にわかることでしたが、あれが『映画から勉強できる!』の、アタシのはじめの一歩だったかもです。
日本が過去にしたことを考えると、実際にはもっと複雑な感情もあるとは思うのですが、それでも彼の人々とは価値観を共有できるんですよね。もちろん中国人が悪いとまでは言いませんが、両方友人がいる身としては、根本の考え方と言うところでそう感じるんです。
お話だったもんで、、、。
台湾では超ブレイク作品らしいのですが。
こういう作品が好まれるんですね。
私的にはもっとミステリアスなものが、
良いかな。とにかくこのタイトルは
最高に好きでした。何かタイトルが
良いというのも変ですが(笑)
国宝級だ!と言って回ってたと言うのは聞きましたが、本当に国宝だったんですか!
なにはともあれ、あのじいちゃんにみんな持ってかれた!感はありますね。
台湾に関しては、ちょっと複雑で、一概には言えないものがありますよね。
日清戦争のあとから、ずっと日本の支配下にあって、朝鮮半島とは、ぜんぜん立場が違ってたし、戦後の扱いもぜんぜん違いますからね。
台湾に旅行に行ったときに、蒋介石の扱われ方の変化が、とっても面白かったです。
行ったのは10年近く前になりますが、まだ行かれてないのでしたら、ぜひ一度、台湾旅行をお勧めします。
いろいろと勉強になりました。
なんかいいですもん。
台湾らしいっちゃ、台湾らしいまっすぐさがよかったかなあと思います。
どっか泥臭いような垢抜け切れない風が好きですの。
久しぶりにまともに新作映画(って、、、レンタルだけどね(^^ゞ)を見ました。
私もあのじいちゃんが良い味出してたと思ったし、正直、もっとじいさま、ばあさまを見たかったんですけど・・・。バンド関係の人の出番が多くて、ちょっとがっかり・・・。
実は私は台湾のこと良く知らないでいて、、80年代後半かな?ホウ・シャオシェンブームがあったときに、色々映画を見て、初めて知ったことが本当に沢山ありました・・・。
たまにレンタル屋さんに行くのですが、あの膨大な量みて、いつもすごすご帰ってきます。
あれから選ばれる方は、すごい尊敬ですわ。
あのじいさんに、みんな持って行かれた感がありましたよね。
おばあさんもおっしゃる通りもっと前面に出してもよかったと思いますわ。
一時、ホウ・シャオシェンの映画がガンガン来てましたもんね。ほとんど見ましたが、好きなのばっかです。
当地で行われてるドキュメンタリ映画祭で、審査員でいらしてて、もろに遭遇したことがあります。1mくらいのとこにいたのですが、とっても静かでおとなしそうでありながら、静謐な力強いオーラを感じました。