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ベニシアさんの四季の庭

2013年11月27日 | ドキュメンタリー映画
それなりにメディアにお出になっていたようだが、お目にかかる機会がなく、この映画できっちりとどんな方なのかを知ることができた。興味深いというか、すごいというか、波乱万丈と言うか、所帯じみてないというか。いろいろな感想があると思うが、きっと何かを超越して生きてるんだろうな~と感じた。

ベニシア・スタンリー・スミスさん。イギリスの貴族の家柄で、本当にいいとこのお嬢様。どんな暮らしぶりだったのかも映画の中で、少々垣間見えるが、そのお上品なことと、上流っぷりは半端ない。そんないいとこのお嬢様が、何を間違えたか、放浪の旅に出ると。。。この辺から、常人には考えられないことなのだが、貴族と言う立場にいたからこそ、世俗にまみれず、地べたにいるけど、心は雲の上にいれるんじゃないかと思ってしまった。

庶民は庶民の暮らしをしているのであって、庶民の暮らしに憧れなんぞ持たないもの。いや、憧れってのと違うなあ。目先の儲けとか、当座の暮らし向きを心配するようなせこさがない。ちまちましてないのだ。これはきっともって生れついたもんではないかと想像します。

で、流れ流れて日本に行きついて、京都で暮らすようになった。最初の結婚で子供もいるが、ベクトルの違いから離婚。シングルマザーとしての孤軍奮闘がしばらく続く。

その後、山岳写真家の今のご主人と知り合い、結婚。大原の古民家に移り住んで、じっくり、ゆったり、ハーブに囲まれ、自然とともに、流れるように暮らしている様子が映される。

はた目には何ともうらやましいような、自然体の暮らしぶりで、いいなあ~と思ってしまうのは、まだ早い。のんびり、ゆったり過ごしているだろう~とは、裏腹な、波乱万丈な日々も映される。

シングルマザーとしての大変だったとき、突如のプロポーズで、幸せ絶頂だったとき、娘の発病、夫との離婚騒動、夫の瀕死の事故・・・。よくまあこれだけのことが起きるもんだと思うほどの波乱ぶりに、あらららら・・・と。

でも、生き方のように、とんでもないことに遭遇しても、肩ひじ張らず、流れに任せて、穏やかに柔弱謙下に動いていく。なかなかそうはできないだろう・・と思うのだが、穏やかに、でもしっかりと受け止め、うまーく自分に取り入れて時を過ごしていく。老子みたいな生き方やもしれません。「竹林の七賢」みたいなもんだ。

アタシもいずれはそんな生き方をしてみたいと思っているのだが、畑と庭の実権を掌握できないので、無理。掌握できる頃には、きっとよれよれのばあさんになってそうなんで、アタシには不可能ってことでしょうかね~。

みんながみんな、こんな生き方ができれば、そりゃ理想だろうし、エコってことなんでしょうが、取ってつけたように、「エコな暮らしです!」って、妙に力の入った日本人をよく見かける。頑張ってエコしてます!みたいな。きっと本物ってのは、頑張らないんだと思う。いや、頑張ってても、それを見せない。無理な力が入ってない。そんな生き方がいいんだと思いますが、そうはできませんやな。

いろいろとヒントはいただきました。参考にしたいと思います。でも、40年以上いて、日本語はさっぱり読めないとか、今更のように風呂敷包みを習ったり。きっと場所はどこでもよかったんじゃないかな。どこにいても彼女流を貫いたわけで、日本じゃなきゃ・・だったんでしょうかね。。。イギリスでも十分できた暮らしなんじゃないかと感じたところもあり。

◎◎◎

「ベニシアさんの四季の庭」

監督 菅原和彦
出演 ベニシア・スタンリー・スミス 梶山正 梶山悠仁 蜂巣ジュリー 蜂巣浄


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2 コメント

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日本って (Kon)
2013-11-27 20:13:46
やはり四季がはっきりしてて美しい。
ベニシアさんの身の回りの全ての調和のとれたセンス良いものたちにうっとりでした。
とはいえ、人間だから色々あるのですね。
でも彼女の家族はみないい顔してました。
なんというか、血筋の尊さを感じました。
せめて私も丁寧に暮さないとね。
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>KONさま (sakurai)
2013-11-28 14:37:49
そうですねえ。
うがった見方をすれば、日本だったら、四季が題材でいいのが撮れなかったら、もうないだろ~的な見方をしている私。自分が嫌いだ。
しかし、波乱万丈でしたね。それでも前向きに、自然に任せて生きていこうとする姿勢は、もって生まれたもんでしょうね。
あたしは、その域までは、到底無理です。
さっさと庭いじりとか、ハーブ育てたり、私にもそれなりにやりたいことがあるのですが、無理です。
どんと頭に上に鎮座ましましてる人がいるもんで。
こういうのやりたいし、やれる場にいるけど、やれない自分にいらいらでした。
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