![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/df/7faee1e22d78735c3576275572439791.jpg)
最初のランボーが作られたとき、結構な話題になった。ベトナム帰還兵を扱った、政治的で、なおかつアクション。
肉体派俳優が主人公を務めるアクション映画に、政治的な内容が盛り込まれているという画期的な内容だった。実際に、ベトナムから帰ってきて、まともな社会生活が送れなくなってしまった人たちや、枯葉剤を浴びてしまったアメリカ兵の問題が、社会を揺るがしていた。
戦場に送りだされる前に、徹底的に反共産主義の教育をぶちこまれる。これでもかというくらいの非人間的な扱いをうけ、尊厳を疑われるような言葉を毎日浴びせられ、そして人間兵器に作り変えられた彼らは、沖縄の基地あたりから、毎日のようにベトナムへ飛び立ったのだ。
そして、敗戦。膨大な軍事費を使い、国力を消耗し、引き際を間違えた米政府は、とうとう手を引いた。絶対に負けない国、世界の警察、世界のリーダーシップをとるべく君臨していたあの国は、総ショックを受ける。
それまでの大戦で活躍した兵は、帰還したとき、歓呼の声に迎えられた。紙吹雪が舞い、パレードを行い、美人が熱いキスをご褒美してくれた。しかし、ずたずたになってベトナムから帰ってきた彼らを待つのは、罵声、石、卵、冷たい視線。
自分たちはまぎれもなく国のために戦ってきたのに、ぼろきれのように扱われ、恐ろしいものを見るかの様な目で見られる。身についた防衛本能は、そう簡単に消えない。はたして、自分たちは自分を取り戻せるのか・・・。
そんなやりきれない思いを描いたのが、第一作だった。大学生だった私は、公開当初ではなかったが、ちょっとあとに、何と「ランボー」&「ターミネーター」というコユい二本立てを見てしまった。あれから、はや20数年。スタローンも年取りますよ。えらい、あんたは偉い。よくやった。
いかにも若い時にステロイド剤を使いました的、肉体ぼろぼろ感はロッキーのときに感じたが、そこは目をつぶることにして。で、なぜか悲運に見舞われるのがこの映画の常。やっぱ、ベトナムの犠牲者たちの怨念でしょうか。
1は確かに傑作だった。テーマはしっかりしており、アクションもさすが。国の姿勢やら、スタローンの悲哀も素晴らしかった。
で、2からいきなり、ただの暴力アクション映画になってしまった。ドンパチが大好き!という方にはたまらない映画かもしれないが、1に含まれ、表わされていた複雑なテーマのうまい描き方に、次もと期待すると、見事に裏切られる。
そして、アフガニスタンに行って、ソ連を叩こうとしたランボー。行くのが遅かった。長年続いて、いつ終わるかの思われていた侵攻は、映画のちょうどそのころ撤退。「ランボー、行くのが遅かった・・・」とか言われるし、撮影のとき、実際に軍におっかけられて、尻尾まいて逃げた、なんて情けない話まで伝わってしまった。
そして久々に登場。今、一番危なくて、現状もわからず、日本の記者は暴動の際に犠牲になってしまうし、とにかくとんでもない国といえば、『ミャンマー』。ここだ。
国家を恐怖に陥れてる軍事政府をやっつけて、同朋を助けるべく、奮闘するのだが、この軍事政権のすさまじいこと、いやらしいこと、残虐なこと、この上ない。それこそ、気持ち悪くなるくらいの非道さだ。
それが今のこの国なのか。サイクロンに見舞われ、未曾有の被害をうけ、多くの人が困っているどころではない。死に瀕している。多くの手を差し伸べなければならない時に、なんとバッドタイミングな公開。こんな政府の国なら、助けたくないよ・・・と思わせてしまうのだ。
![](http://sakura1043.web.infoseek.co.jp/rambo2.jpg)
あ、、、悲運のランボー。あなたがどっかに行って映画を作ると、時宜はぴったりなのだが、どうもプラスにはなってない。やっぱなんかの恨みかも。
さて、映画は、タイ北部で隠遁生活めいた暮らしをしていたランボーのところに、ミャンマーへの道案内を頼まれる。良くあるアメリカの素晴らしいキリスト教のボランティア団体。自分たちのやることに、一切の疑問をもたず、信仰のためには、どんなところにでも行って、現地の人の手助けをしようとするとってもある意味、自己満足的な人たち。
その辺も十分皮肉ってるが、案の定とっつかまって、傭兵さんたちが助けに行くことに。当然その道案内もさせられたランボーだったが、かの団体さんにいたサラのことが心配でならないランボーは、こっそりと傭兵さんたちの守護天使になる。
![](http://sakura1043.web.infoseek.co.jp/rambo1.jpg)
突如、何の脈絡もなく、戦いに行くために説教めいたものをはじめちゃうのは、やっぱ還暦を迎えちゃったからでしょうかね。ま、そこが今回の一番の売りでしょうから、目をつぶって・・・。
あとは怒涛の殺人マシンに変身して、殺しまくり。ガンガンと撃たれていくのですが、映画冒頭の実際にミャンマーで行われた虐殺の名残の絵のすごさには負けます。
一個大隊をやっつけても、何かなったのか?サイクロンが気になって、気になってしようがないのですが、最後は・・・。ということでEND。
さすが、ボランティア団体のイエスに人生ささげた男の名前は大天使マイケルで、彼女の名前は、すべての母、サラ。ランボーはジョン、すなわちヨセフ、イエスの父でした。
さて、世界中から非難を浴びてるミャンマー軍事政権だが、ビルマという名称から変わって、しばらく経つ。日本ではすっかりミャンマーがおなじみで、早口言葉まであるが、世界的にはミャンマーと呼ぶところは少ない。映画の中でも、ランボーたちは、「ビルマ」と言っていたが、それは現政権を認めていないということ。国名変更のときに、すぐさま「はーーい!」と言ってミャンマーと言うようになった日本の世界情勢への、見る目の浅はかさが指摘されるところだ。
でも、かつて占領していたあたりの負い目から、すぐさま変更をうんうんと聞いたのか・・。その辺の事情は不明です。
とにかくごくろうさまでした。何かご褒美上げたいので、せめて60点で。
◎◎◎
『ランボー 最後の戦場』
監督・脚本 シルベスター・スタローン
出演 シルベスター・スタローン ジュリー・ベンツ ポール・シュルツ マシュー・マースデン グレアム・マクタビッシュ ケン・ハワード レイ・ガイエゴ ティム・カン ジェイク・ラ・ボッツ
肉体派俳優が主人公を務めるアクション映画に、政治的な内容が盛り込まれているという画期的な内容だった。実際に、ベトナムから帰ってきて、まともな社会生活が送れなくなってしまった人たちや、枯葉剤を浴びてしまったアメリカ兵の問題が、社会を揺るがしていた。
戦場に送りだされる前に、徹底的に反共産主義の教育をぶちこまれる。これでもかというくらいの非人間的な扱いをうけ、尊厳を疑われるような言葉を毎日浴びせられ、そして人間兵器に作り変えられた彼らは、沖縄の基地あたりから、毎日のようにベトナムへ飛び立ったのだ。
そして、敗戦。膨大な軍事費を使い、国力を消耗し、引き際を間違えた米政府は、とうとう手を引いた。絶対に負けない国、世界の警察、世界のリーダーシップをとるべく君臨していたあの国は、総ショックを受ける。
それまでの大戦で活躍した兵は、帰還したとき、歓呼の声に迎えられた。紙吹雪が舞い、パレードを行い、美人が熱いキスをご褒美してくれた。しかし、ずたずたになってベトナムから帰ってきた彼らを待つのは、罵声、石、卵、冷たい視線。
自分たちはまぎれもなく国のために戦ってきたのに、ぼろきれのように扱われ、恐ろしいものを見るかの様な目で見られる。身についた防衛本能は、そう簡単に消えない。はたして、自分たちは自分を取り戻せるのか・・・。
そんなやりきれない思いを描いたのが、第一作だった。大学生だった私は、公開当初ではなかったが、ちょっとあとに、何と「ランボー」&「ターミネーター」というコユい二本立てを見てしまった。あれから、はや20数年。スタローンも年取りますよ。えらい、あんたは偉い。よくやった。
いかにも若い時にステロイド剤を使いました的、肉体ぼろぼろ感はロッキーのときに感じたが、そこは目をつぶることにして。で、なぜか悲運に見舞われるのがこの映画の常。やっぱ、ベトナムの犠牲者たちの怨念でしょうか。
1は確かに傑作だった。テーマはしっかりしており、アクションもさすが。国の姿勢やら、スタローンの悲哀も素晴らしかった。
で、2からいきなり、ただの暴力アクション映画になってしまった。ドンパチが大好き!という方にはたまらない映画かもしれないが、1に含まれ、表わされていた複雑なテーマのうまい描き方に、次もと期待すると、見事に裏切られる。
そして、アフガニスタンに行って、ソ連を叩こうとしたランボー。行くのが遅かった。長年続いて、いつ終わるかの思われていた侵攻は、映画のちょうどそのころ撤退。「ランボー、行くのが遅かった・・・」とか言われるし、撮影のとき、実際に軍におっかけられて、尻尾まいて逃げた、なんて情けない話まで伝わってしまった。
そして久々に登場。今、一番危なくて、現状もわからず、日本の記者は暴動の際に犠牲になってしまうし、とにかくとんでもない国といえば、『ミャンマー』。ここだ。
国家を恐怖に陥れてる軍事政府をやっつけて、同朋を助けるべく、奮闘するのだが、この軍事政権のすさまじいこと、いやらしいこと、残虐なこと、この上ない。それこそ、気持ち悪くなるくらいの非道さだ。
それが今のこの国なのか。サイクロンに見舞われ、未曾有の被害をうけ、多くの人が困っているどころではない。死に瀕している。多くの手を差し伸べなければならない時に、なんとバッドタイミングな公開。こんな政府の国なら、助けたくないよ・・・と思わせてしまうのだ。
![](http://sakura1043.web.infoseek.co.jp/rambo2.jpg)
あ、、、悲運のランボー。あなたがどっかに行って映画を作ると、時宜はぴったりなのだが、どうもプラスにはなってない。やっぱなんかの恨みかも。
さて、映画は、タイ北部で隠遁生活めいた暮らしをしていたランボーのところに、ミャンマーへの道案内を頼まれる。良くあるアメリカの素晴らしいキリスト教のボランティア団体。自分たちのやることに、一切の疑問をもたず、信仰のためには、どんなところにでも行って、現地の人の手助けをしようとするとってもある意味、自己満足的な人たち。
その辺も十分皮肉ってるが、案の定とっつかまって、傭兵さんたちが助けに行くことに。当然その道案内もさせられたランボーだったが、かの団体さんにいたサラのことが心配でならないランボーは、こっそりと傭兵さんたちの守護天使になる。
![](http://sakura1043.web.infoseek.co.jp/rambo1.jpg)
突如、何の脈絡もなく、戦いに行くために説教めいたものをはじめちゃうのは、やっぱ還暦を迎えちゃったからでしょうかね。ま、そこが今回の一番の売りでしょうから、目をつぶって・・・。
あとは怒涛の殺人マシンに変身して、殺しまくり。ガンガンと撃たれていくのですが、映画冒頭の実際にミャンマーで行われた虐殺の名残の絵のすごさには負けます。
一個大隊をやっつけても、何かなったのか?サイクロンが気になって、気になってしようがないのですが、最後は・・・。ということでEND。
さすが、ボランティア団体のイエスに人生ささげた男の名前は大天使マイケルで、彼女の名前は、すべての母、サラ。ランボーはジョン、すなわちヨセフ、イエスの父でした。
さて、世界中から非難を浴びてるミャンマー軍事政権だが、ビルマという名称から変わって、しばらく経つ。日本ではすっかりミャンマーがおなじみで、早口言葉まであるが、世界的にはミャンマーと呼ぶところは少ない。映画の中でも、ランボーたちは、「ビルマ」と言っていたが、それは現政権を認めていないということ。国名変更のときに、すぐさま「はーーい!」と言ってミャンマーと言うようになった日本の世界情勢への、見る目の浅はかさが指摘されるところだ。
でも、かつて占領していたあたりの負い目から、すぐさま変更をうんうんと聞いたのか・・。その辺の事情は不明です。
とにかくごくろうさまでした。何かご褒美上げたいので、せめて60点で。
◎◎◎
『ランボー 最後の戦場』
監督・脚本 シルベスター・スタローン
出演 シルベスター・スタローン ジュリー・ベンツ ポール・シュルツ マシュー・マースデン グレアム・マクタビッシュ ケン・ハワード レイ・ガイエゴ ティム・カン ジェイク・ラ・ボッツ
ランボーたちはビルマと言ってましたものね。
まぁ~すんごいドンパチでした。
こうゆうのは苦手、でもまぁ確かにご褒美は
あげなくっちゃですね。
スタローンさん、よ~頑張るわ。
半端な殺し方じゃ納得いきませんので、徹底的にやってましたねえ。
日本でいえば、団塊の世代。
まだまだやれるんでしょうか。
でも、彼のネタはもうありませんから。
ミャンマーの軍事政権の残虐さが浮き彫りになる映像の連続でした。
争いでしか世界を変えられないと思ってたランボーも、さすがに里心がついた結末で・・・
でも、いくらでも続編作れそうなところが、ちょっとヤラシイかなぁぁ。
帰るためのきっかけが欲しかったのかも知れません。
そろそろ引退してもいいのではと思いますです。
sakuraiさんコメント&TB有難うございます
人体へのダメージ描写や死臭が漂う描写は、案外凄まじい物が有りましたね。
>ステロイド剤だろうと思うのは、私の想像ですが。
(^_^;)最近では・・
2007年2月、『ロッキー・ザ・ファイナル』の宣伝のため、シドニー空港にて、手荷物の中に禁止されている《ヒト成長ホルモン》が発見され、起訴されてる。と言う事実は有りますね
ですから過去にも筋肉増強剤は使っていたとは思います。(現実に肉体の内外はボロボロなのでしょうね)
ですから、これらの薬での副作用で急死などのニュースは間違っても聞きたくないですね。
(^_^;)でも、hide的には脚本がしっかりしてればモウ1作位観ても良いかなと妄想しています(笑)
それは知らなかった。
「ロッキー・ザ・ファイナル」見たときに、あの胸板見て、こりゃひどい、と思いましたもん。やっぱ、むやみに脱げないのでしょうね。
うーん、心臓麻痺・・・ありそうです。
シュワ知事はどうなんでしょうね。
あたしは、この辺で引退でいいと思いますわ。
少しアジア人蔑視し過ぎなんじゃない?と思うぐらい非道に描かれてました。
マイケルは典型的な「俺が正義」なアメリカ人で面白かったですが。
その辺の運の悪さも「ランボー」たるゆえんかなと。
昔から、アメリカが描く東南アジアの絵は考えものが多いですね。
きっと彼は、おのれが大天使なんだという思いこみがあると思います。
2、3はドンパチ映画だったの比べて、1作目に戻ったような感じしました。
昨年の「ロッキー・ザ・ファイナル」もそうでしたが、やはりシンプルな方がスタローンには似合ってますね。
しかし、ミャンマー、こんかいのサイクロンの件をきっかけにもう少しちゃんとした国になって欲しいものです。
どうでしょうねぇ。
まともな国になれますでしょうか・・・。