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天才哲学者、テリー大先生が映画を撮られる!というだけで、凄いことだ!!というのが、まず凄い。
何が凄いって、まずめったに撮ってくれない。でもって、今まで撮った4本の映画(「地獄の逃避行」は未見)は全部、難解、摩訶不思議、とにかく映画が哲学してる!という代物。
ただし、戦争とか、新大陸移住というようなわかりやすいテーマを哲学してきた前作と違って、非常にパーソナルでありながら、もっとも普遍な家族の物語だ。
戦争体験のある、こうあらねばらないと思っている厳格な父。子供に対して、厳しく接している父に対し、ひたすら愛情を注ぐ母親。その二人の3人の男の子たち。年があまり離れていない3人は、同士のような兄弟だ。子供たちにも、それぞれ強烈な個性がある。いままでテレンスの映画で、子供が大きな存在意義を持っていた映画は初めてだ。
この3人が本当に素晴らしい。ちょっと物事斜めに見ている長男ジャック。父に対して反抗心を強く持つのもしようがない。それは子供から一歩踏み出す大きな関門になる。父にとっては、まだまだ子供であり、自らの庇護のもとに置かねばならない。それこそが愛情であり、義務であると刷り込まれている。いい悪いの問題ではなく、そう言うもんだ。
そして、子供は必ずそこから抜け出そうとする。
子供が理解することは難しい。いや、理性ではわかっていても本能がそれを受け入れることが出来ない。しかし、父は子に生きるすべを伝えて行かねばならない。そうやって命あるこの世の生き物は営々とそれを行い続けてきた。それは太古の昔から、アメーバであっても、魚であっても、恐竜であっても、ちっぽけな人間であっても同じだ。
ブラッドの厳格で頑固で不器用な父を見ながら、自分の父親をまざまざと思い浮かべた。まさにあの父親であった。こまごまといううるささではなく、存在が威圧的。我ら子供に緊張感を強いた。それをよしとはしないが、悪かったとも思わない。多分に自分にしみついた躾の数々は、それらの体験がもとになっていると思う。
でも、自分が親になり、子供を目の前にし、自分がやろうとしたことはやはり厳しい躾であった。自分が強いられて、恐怖すら感じたあの躾を子供に強いた。
なぜか?親になった自分が一番強く感じたのは、責任である。自分は一人の人間を生み出した。この人間をいっチョ前にしなければならない。何より感じたのは、そのことだった。そのためには自分は嫌われることを厭うてはならない。子供にとって、一つのハードルにならなければならない・・・・と思ったのだ。
ハードルとタガであるべき親は必要だ。いつまでも恐怖な存在である必要はないが、大事なことなような気がする。
言わんとしていることは難解でもなく、非常にわかりやすく、普遍の親子の物語であった。ただし、描くのは名うての哲学者テレンス大先生。転がる石でさえ、哲学させてしまう人にとって、家族の物語であろうが、地球の物語であろうが、壮大な大きな大きな物語になってしまう。。。いやーー、相変わらずでした。
でも、こういうのにさらっと出るブラッドさんってのは、好きだなあ。アタシは、とっても若いころの「テルマ&ルイーズ」とか、「トゥルー・ロマンス」とかのブラッドさんが好きで、途中ちょっと中抜け。でも、40過ぎてからの感じがなかなかいい感じに見ている。妙な背伸びをせず、己の役割をきちんと把握し、それをいい感じにパフォーマンスしていると思っているのだが、こういう監督に引きだしてもらっているのは、やはり製作できる側にいるからかしらん。
なんといっても白眉は次男の男の子。ブラッドさんの実の子かと思ってしまったほどに雰囲気がいい。やっぱりテリー大先生の映画は好きだあ。
◎◎◎◎
「ツリー・オブ・ライフ」
監督 テレンス・マリック
出演 ブラッド・ピット ショーン・ペン ジェシカ・チャステイン
いろいろろと言われているが、大好き
きっと今だったら、するっと受け入れられる映画だと思う
何が凄いって、まずめったに撮ってくれない。でもって、今まで撮った4本の映画(「地獄の逃避行」は未見)は全部、難解、摩訶不思議、とにかく映画が哲学してる!という代物。
ただし、戦争とか、新大陸移住というようなわかりやすいテーマを哲学してきた前作と違って、非常にパーソナルでありながら、もっとも普遍な家族の物語だ。
戦争体験のある、こうあらねばらないと思っている厳格な父。子供に対して、厳しく接している父に対し、ひたすら愛情を注ぐ母親。その二人の3人の男の子たち。年があまり離れていない3人は、同士のような兄弟だ。子供たちにも、それぞれ強烈な個性がある。いままでテレンスの映画で、子供が大きな存在意義を持っていた映画は初めてだ。
この3人が本当に素晴らしい。ちょっと物事斜めに見ている長男ジャック。父に対して反抗心を強く持つのもしようがない。それは子供から一歩踏み出す大きな関門になる。父にとっては、まだまだ子供であり、自らの庇護のもとに置かねばならない。それこそが愛情であり、義務であると刷り込まれている。いい悪いの問題ではなく、そう言うもんだ。
そして、子供は必ずそこから抜け出そうとする。
子供が理解することは難しい。いや、理性ではわかっていても本能がそれを受け入れることが出来ない。しかし、父は子に生きるすべを伝えて行かねばならない。そうやって命あるこの世の生き物は営々とそれを行い続けてきた。それは太古の昔から、アメーバであっても、魚であっても、恐竜であっても、ちっぽけな人間であっても同じだ。
ブラッドの厳格で頑固で不器用な父を見ながら、自分の父親をまざまざと思い浮かべた。まさにあの父親であった。こまごまといううるささではなく、存在が威圧的。我ら子供に緊張感を強いた。それをよしとはしないが、悪かったとも思わない。多分に自分にしみついた躾の数々は、それらの体験がもとになっていると思う。
でも、自分が親になり、子供を目の前にし、自分がやろうとしたことはやはり厳しい躾であった。自分が強いられて、恐怖すら感じたあの躾を子供に強いた。
なぜか?親になった自分が一番強く感じたのは、責任である。自分は一人の人間を生み出した。この人間をいっチョ前にしなければならない。何より感じたのは、そのことだった。そのためには自分は嫌われることを厭うてはならない。子供にとって、一つのハードルにならなければならない・・・・と思ったのだ。
ハードルとタガであるべき親は必要だ。いつまでも恐怖な存在である必要はないが、大事なことなような気がする。
言わんとしていることは難解でもなく、非常にわかりやすく、普遍の親子の物語であった。ただし、描くのは名うての哲学者テレンス大先生。転がる石でさえ、哲学させてしまう人にとって、家族の物語であろうが、地球の物語であろうが、壮大な大きな大きな物語になってしまう。。。いやーー、相変わらずでした。
でも、こういうのにさらっと出るブラッドさんってのは、好きだなあ。アタシは、とっても若いころの「テルマ&ルイーズ」とか、「トゥルー・ロマンス」とかのブラッドさんが好きで、途中ちょっと中抜け。でも、40過ぎてからの感じがなかなかいい感じに見ている。妙な背伸びをせず、己の役割をきちんと把握し、それをいい感じにパフォーマンスしていると思っているのだが、こういう監督に引きだしてもらっているのは、やはり製作できる側にいるからかしらん。
なんといっても白眉は次男の男の子。ブラッドさんの実の子かと思ってしまったほどに雰囲気がいい。やっぱりテリー大先生の映画は好きだあ。
◎◎◎◎
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監督 テレンス・マリック
出演 ブラッド・ピット ショーン・ペン ジェシカ・チャステイン
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きっと今だったら、するっと受け入れられる映画だと思う
人間の人生、良くも悪くもツリー・オブ・ライフの一部でしかなく、ジャックの人生も我々の人生もそういう意味では同じなんだろうなと。
「天国の日々」を借りようとTSUTAYA言ったら見事に在庫なし。レンタル中じゃなくて在庫なしってのが哀しかったです…。
sakuraiさんのおしゃっている父親の存在感、わたしも同じように感じて育ちました。ただ、残念なことに、父親の言っていることが、父親自身に対してはとても甘く、弱い人間であると気がついてからは納得できなくなりましたが…。今の老人(特に男性)は、プライドだけが強い方がほんとうに多いです。
この父親は不器用ですが、息子たちに対して、まっすぐで自分にも厳しい。まあ、幼いころからこの父のもとで育てば、決して好きになれないでしょう。
ところで、テルマとトゥルーのブラッドって…。どちらも大好きですが、むちゃくちゃ出番少ないです(-_-;)
なんかテレンス大先生の映画だって言うだけで、見る方も身構えてしまっていたのですが、とってもわかりやすくて、だれでもわかるなあ。。。って感じることで。
親の思い、子の受け止め方、兄弟でも大きな違いがあり、それはいかんともしがたく、それを監督流に悠々と描いていたと思います。
やっぱ好きです、この人の作品。
「天国の日々」・・ないかあ~、ないでしょうね。その昔、テープ持ってましたが、ドッカに行ってしまった。。。勿体ないことしました。
ブラッドさんだあ!と構えてなかったです。
mariyonさんの影もあまりちらつかなかった・・ってどんなだ?
うん、父親っす。今だと冷静に父親の分析もできるんですが、子供のころはおっかなかったぁ。無言の威圧感。
ご飯の時間が恐怖でしたからねえ。姉とよくあのころの話をするんですが、よくまあたしたちは、まっすぐぐれもせず、育ったもんだと。
でも、きっとどっかでまっすぐ生きるよう背中に物差し入れてたんだと思います。
ガス抜きも必要ですけどね。
ジャックの両親は、いいバランスの夫婦だったかもです。
すいません。出番短めのばっかですね
そういや。
いや、短くてもインパクトあった!ということで。
監督さんの持ち味はあまり知らなかった
のですが、、、、。
こういう感じなんですね。
正直難解でしたが、この映像にはひかれました。
それにしても今まで4作品+1作品で5作品
とはね。公式の場所にはお見えにならない
と謎だらけの監督。ますますベールに
包まれ。凄い方ですね。
sakuraiさん言われるように、良い悪いではないし、今で言えば「うぜえ」ですが、みっちり躾て頂いて感謝してますよ(笑)
なのでね、ちょいとペンさんが息詰まってる感がイマイチ分からなかったです。
だって、あんな家庭珍しくはないし、確執があるならもっと踏み込んでくれないと、抽象的なシーンも共感とか出来ませんでした。
もっとも壮大なテーマだったので、そこまで考える余裕もなく、テンションは下がったままでしたけど(苦笑)
映像、音楽は素晴らしかった。
ブラピファミリーの描写、子供達のお芝居は素晴らしかったです。
まあ、映画ってのはいろいろあるんですよ!という刺激もあって、いいんじゃないですかね。
あたし的には、映像と音楽の使い方と、いい按配のこねくり回し具合が好みでした。
あとは子役が良かったア。
「シン・レッド・ライン」は、ちょっと苦手だったなあ。
おまけにじいちゃんも。嫁ってもんを知らずに育ったあたしです。
婿とか関係なく、凄まじく厳格でした。
拳骨、放り出されるのなんて普通。
ちゃぶ台返しにちかいのもありましたわ。
今思えば、笑って話せる事ですけどね。
うーん、そう思うと、ショーンのジャックがちょっと置き所を探せないでいるのかなあと思います。
眉間にしわより過ぎでしたね。
でもアメリカにありがちな、こうあらねばならない症候群のような気もしました。
父親とはこうあらねばならないけど、模索中で、見つけられない自分のもどかしさ・・みたなもん?
大陸移住も大戦も哲学しちゃう監督ですから、家族なんてテーマは、哲学しがいがあるものかもです。
哲学してるって感じでしたよね。
体全体で観てるって感じでした。
ひとつひとつのカットとかシーンにも意味があるような気がして、すごく集中して観た作品です。
実はマリック監督の映画、他のは全然観てないので、今度観てみようかなと思っています。