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アリス・クリードの失踪

2011年08月21日 | あ行 外国映画
出演者は見事に3人だけ。ここは徹底してる。冒頭、無言のままに部屋に防音壁を貼り付け、ベッドを固定し、金具をきっちりと付けて行く手際の良さは、お見事。犯罪者なのはわかっているけど、こいつら犯罪で生きるより、リフォーム屋あたりの仕事をして行った方が、よっぽど行けるんではないかと思うほど。

そして女性を誘拐。計画通り、きっちり仕事をこなし、あとは身代金を受けとるだけ。誘拐で一番大変なのは、身代金の受け渡しってやつで、どうやって金を手に入れるんだろう・・・?などと思っていたのだが、キモになるのは、そこではなく、3人の人間関係!!

うーん、ちぃと頼りなげなキアヌの若いころを思い出させたダニー!!主犯格のおっさんにいろいろと指図され、時折逆切れも見せるかわゆさ・・。うーん、もろにおばさんの好みでありやした。自信なさげに、女を見つめるまなざしがなんともいい。でもって、どっかで見たことあるんだけど、思い出せず。。

ま、いっか。。と思って見ておりましたところ、おーーっと意外な展開。うーん、そう来たか!ここは言えませんので、見ていただくことにして、それまでの職人芸的な犯罪から、徐々に破たんして行くあたりから、人間の弱さというか、もろさというか、したたかさというか、さまざまなもんが見え隠れ。



騙し合いに、抜け駆け、誰が誰を信じ切れるか?みたいな。かわいさ余って憎さ百倍やら、いろんな心理が内包しているのですが、きちんと整理され、新人監督とは思えない手腕で、大胆に描いたんではないでしょうかね。

終わり方には、異論も少々ありやすが、こういう才能が出てくるのは嬉しいこって。

とにかくアタシは、マーティン・コムストンにすっかりやられてしまいまして、素性探しを当然致しましたところ、なんとケン・ローチの「Sweet Sixteen」のあの少年だったではありませんか!!ちゃんとあたくし、目をつけていたではありませんか!!うーん、アタシの目は確かだったかも。。。



次の出来が大きく問われそうな監督さんですが、大作が待っているようで、次が真価の見せ所かもです。

◎◎◎○

「アリス・クリードの失踪」

監督 J・ブレイクソン
出演 ジェマ・アータートン マーティン・コムストン エディ・マーサン



SWEET SIXTEEN [DVD]
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アミューズ・ビデオ




明日へのチケット [DVD]
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ジェネオン エンタテインメント


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (KLY)
2011-08-21 22:26:25
アリスとはともかくあっちの方はねぇ。「おぃ!」って完全に想定の範囲外でしたよ。仰るとおりこういう才能が出てくるのは嬉しい限りで、予算が付いた時にどんな作品を作ってくれるのかが楽しみです。
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はじめまして (morkohsonimap)
2011-08-21 22:58:37
TBさせていただきました。
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イギリスの才能 (KON)
2011-08-23 09:51:11
これはなかなか楽しめました。
ダニー・ボイルの再来などと言われている様で、なるほど、
なりふりかまわないむきだし感というか、汚いアイテムを
最大限に活かすあたり「トレイン・スポッティング」が思
い出され懐かしかったです。
ラストは予定調和な感じが否めなかったですが、こういうの好きです。
アリス役のジェマ・アータートン嬢、華々しいボンドガール
から、よくこの汚れ役を引き受けたもんだと感心しました。
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Unknown (オリーブリー)
2011-08-23 15:26:13
マーティン・コムストンが良かったですね。
性格俳優さんになれそうです!
「明日へのチケット」に出てたの?
覚えてないな~サッカー少年の一人なのね。
あまり好きな映画ではなかったな(笑)

最初から中盤まで、かなーり引き込まれてたのですが、色々と分かっていくと、段々と下降気味でした。
ラストもね、これも好みかな。

ジェマ・アータートンって、結構な作品に出てますね~。
後から検索して、「ああ、あれね~!」の連チャンでした(苦笑)
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>KLYさま (sakurai)
2011-08-25 13:23:37
いやーー、素直なあたしは結構やられました。ほほぉお、そう来たか!みたいな。
なにより点数甘いのは、マーティン君が好みだったからに違いなんですが。。。
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>morkohsonimapさま (sakurai)
2011-08-25 13:25:35
ありがとうございました。
よろしくお願いします。
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>KONさま (sakurai)
2011-08-25 13:32:09
ボイルの「シャロウ・グレイブ」っぽい感じもしましたかね。
巷では、イギリス版「キサラギ」というのも聞きました。
ラストはともかく、途中のとんとんと流れる話と、結構なやられた感がとっても良かったです。
アリスさんは、だいぶはすっぱな感じでしたが、体張ってましたなあ~。
出てる映画見て、凄いんじゃん!と思ったのですが、今いち印象薄いです。
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>オリーブリーさま (sakurai)
2011-08-25 13:43:39
「明日へのチケット」は、3人の少年のうちの1人ってんで、印象薄いんですが、「SWEET SIXTEEN」は、お見事だったです。
見てて、「絶対こいつ見たことある!」と思いながら、うち帰って即効探して、「ああああ!!そうだあ」とガッツポーズでした。
はいはい、後半尻つぼみ状態だったのは、否めませんが、こういうものにありがちで、そこはしようがないとして、前半のつかみはうまかったです。
新人とは思えない手腕。次がちょっと楽しみです。
とにかくマーティン君が拾いモンで、あたし的には◎です!
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こんばんは (はらやん)
2011-08-28 21:45:11
sakuraiさん、こんばんは!

僕はこの監督にやられました。
新人とは思えません。
お金なくても、いい作品は作れるという見本みたいなものです。
「そうきたかー」っていうのがいくつもあって、まさに産スペンスのの真骨頂。
次回作、期待大です。
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>はらやんさま (sakurai)
2011-08-31 21:16:48
本当に新人とは思えないつぼのつかみとでもいいましょうか、勘どころの良さとでもいいましょうか、映画のつぼをくすぐってもらいました。
いい脚本と、うまい役者がそろうと、おかねなくてもいいのが出来ると言う、見本みたいなもんですね。
次回はいかに!
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