迷宮映画館

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ライト・スタッフ

2011年04月25日 | ら行 外国映画
生涯のベスト5までには届かないが、次点くらいには悠々入るこの一本。
この頃、最高だったサム様が、一番かっこいいいいいいい、のですが、いやーー、「女優フランシス」かなあ。どっちかなぁ。と、どうでもいい選択をしておりますが、もう本当に素敵!眼福でした。

第二次世界大戦が終わって間もない頃、空軍が躍起になって挑戦していたのが、音速を超えること。マッハ1を超えることは不可能とされており、そこには目に見えない分厚い壁があると思われていた。命知らずの男どもが、幾度も挑戦し、事故も絶えない。

その越えられない壁と思われていたマッハ1の世界を軽々と超えたのが、伝説の男、チャック・イェーガー。常にクール、でも秘めた熱き思いと、負けん気は誰にも負けない。その後も次々と記録を破り、他の命知らずともしのぎを削るが、彼の№1は揺るがない。



あたし的には、もうここまでで十分で、後半パートになると、サム様の登場はがたっと減り、でもでもでも、宇宙飛行士たちのどこかコメディチックな場面を要所要所で締めてくれるのが、またイェーガーの存在だったわけでございます。

後半、ソ連との宇宙開発競争で、一歩で遅れたアメリカが焦って宇宙に人を送ろうするところがまた面白い。いわゆるスプートニクショック(1957・10)。有能なドイツの科学者がソ連に渡ったといえば、アメリカにいるドイツの科学者の方が優秀だと言い張り、あっちが有人飛行をするというのなら、こっちも負けずと宇宙飛行士を養成するという。

この頃のアメリカとソ連のバカですか?という競争にには呆れ返るばかりなのだが、その結果、地球を何度も壊す核爆弾が作られ、目を見張る技術革新がなされたのも事実。さらに、この2大巨頭の争いは、超超面白い映画の題材を提供してくれ、傑作が何本も生まれることになるというのも皮肉だ。

ここで集められた宇宙飛行士の卵たち。№1は紛れもなくイェーガーだが、大学卒でないことがはじかれる理由。こん時のサム様のまたカッコええこと。でもきっと、「仕事だ。任務だ。宇宙飛行士になれ!」と命ぜられていたら、彼はさらっと気負うことなくなっただろうなあ・・・などと想像する。

ここで、垂涎の俳優たちが並ぶわけでございます。派手でけれんなく、いかにもみなが待ち望むアメリカ人の象徴、ジョン・グレンを見事に演じたのがエド・ハリス!お見事なジョン・グレンぶり(89歳、まだまだ元気なご様子)。



なにか哀愁漂うフレッド・ウォードに、最高の軽薄さをあらわしてくれるアヒルちゃん・・・もとい、デニス・クエイド、いつまでも「エイリアン」のビショップがついて回るランス・ヘンリクセン。そして、何といってもスコット・グレンです。



スコット・グレンを一番最初に認識したのは、この映画ですが、前半サム様なら、後半は彼ですな。馬鹿はやれるし、クールだし、かっこいいし、結構な肉体派。プラス、そこはかとなくにじみ出てくるインテリジェンスがいいのですよ。「羊たちの沈黙」当時、実はハンニバルの役は、スコットの方が・・・などという話もありましたが、いまやFBIのインテリジェンスの象徴として、彼以外には考えられないくらいのはまりっぷり。

最近、やっと読み終えたのですが、ずっと読み続けているパトリシア・コーンウェルの「検屍官」シリーズの最新版、「核心」。この中にでてくるFBIの心理分析官ベントン。主人公の旦那ですが、自分の中でイメージは一巻からずっとスコット・グレンでした。彼以外に考えられない。と思っていたら。今回の巻にその話がしっかり登場。「羊たちの沈黙」のクロフォードは、ベントンがモデルなんだ・・。わが意を得たりでしたねえ。

と、そんなこともどうでもよく、とにかくスコット・グレン演じるアラン飛行士がまたいいのですよ。飛行士の中に、スコット・カーペンターとジョン・グレンがいるもので、とっちらかってきますが、ここはなんと言ってもスコットです。

最初はいがみ合ったり、海兵隊と空軍の仲たがいも合ったりするのですが、徐々に7人の絆が強くなっていくのがいいです。自分たちはただ宇宙に行って帰ってくるだけのモルモットではない。断固、プロフェッショナルの宇宙飛行士なんだ!というプライドが確固としてくるのです。

派手に打ち上げられ、大々的に放送され、打ち上げるたんびにてんやわんやの大騒ぎ。政府高官も乗り込んできて、メディアがバカ騒ぎしてる世界をクールに見つめるイェーガー・・・。

素晴らしかったです。お見事、何度見てもいい。サム様、最高。今回、特に聞き入ったのは音楽。こんなにいい音楽だったっけ?サントラが無性にほしくなったわたしでした。いや、良かった。次は、スティーブ・マックィーンのご尊顔を拝しに行きたいと思います。

「ライト・スタッフ」

監督 フィリップ・カウフマン
出演 サム・シェパード スコット・グレン フレッド・ウォード エド・ハリス デニス・クエイド ランス・ヘンリクセン チャールズ・フランク スコット・ポーリン パメラ・リード ヴェロニカ・カートライト バーバラ・ハーシー ジェフ・ゴールドブラム ハリー・シェアラー


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8 コメント

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Unknown (KLY)
2011-04-25 21:06:21
横一列にならんで歩くライトスタッフ。
子供心に強烈な格好良さを覚えましたよ。
あんなの見たら将来宇宙飛行士になりたい!
って思っても不思議じゃないぐらいカッコイイ。
その後も何回も観ましたが、ホント何回観ても
いいもんはいい!
VHSだと2本組になっちゃう長さなのに、
そんなのぜーんぜん気にならないぐらい夢中に
なれるんだよなぁ。
皆それぞれお年を召しましたが、映画そのもの
は色褪せませんね。
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Unknown (けん)
2011-04-26 01:18:41
今日二軒もレンタル店探したけどなかった(涙
記事読んだらやっぱり観た~い!
近いうちに隣町まで行って探してみます♪
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>KLYさま (sakurai)
2011-04-26 21:56:57
7人がそれぞれいいんですよね。
徐々に仲間になっていく気持ちが丁寧でとってもわかる。
でもでもでも、やっぱあたしはサムさまです。
この頃のサムさまは、もう最高でしたよ。
見るたび昇天。
クールで、さりげなく、そしてインテリジェンスがあふれてて、もう最高っす。
DVDは所有しているのですが、つい見てしまいました。
みてよかったです。
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>けんさま (sakurai)
2011-04-26 22:02:56
あらら、なかったですか・・。
絶対あると思いますから、あきらめずに。
うう、あたしの持ってるのを貸したいくらいです。
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サム・シェパード (バラサ☆バラサ)
2011-05-10 14:46:56
が最後、颯爽と歩く姿がカッコよすぎます。

某クラシックにそっくりの曲も痺れますね。
サントラの代わりに、DVDでエンドロールだけ流したりします。
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>バラサ☆バラサさま (sakurai)
2011-05-10 20:23:18
「女優フランシス」のサムさまも、超カッコいいんですが、こっちも捨てがたい・・・。どっちも最高!ということにしましょう。
音楽もすんげえよかった!と言う再認識。あたしもDVDをサントラ代わりにかけてましょうかね。
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Unknown (けん)
2011-05-18 11:30:10
やっと観ることができました!!

面白かった~(感動

素敵な映画教えて頂きありがとうございました♪
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>けんさま (sakurai)
2011-05-18 20:04:43
面白かった!!と言っていただけると、とっても嬉しいです。
これは時代もありますが、傑作ですもんね。
ちょっと昔の映画で、掘り出し物!!探してみてくださいね。
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