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第196回 今どき、ガラケー派の弁

2016-12-16 | エッセイ

 ついにお店のマスターがスマホデビュー。「電話のかけ方、受け方は分かったんだけど、メールのほうがどうもね・・・」
 少しとまどいながらも、いきなり最先端スマホの世界に飛び込んで、なんだか嬉しそう。

 で、私はというと、とりわけ立派な主義主張とか信念があるわけじゃないんですが、ずっと「ガラケー」を使い続けています。こちらです。

 自宅では、デスクトップパソコンのほかに、タブレット端末数台を利用して、人並みか、それ以上のネットライフを送ってるんですが・・・ 

 特に、出先とかで不便を感じたことはありません。フェースブックとかやってれば、スマホは必須のアイテムなんでしょうが、あいにく、そっちの方には、まったく関心がありません。脇目もふらず、没頭してる人を見ても、気の毒に思うだけ。
 加えて、出かける時も、必要な情報はあらかじめ調べていって、事足りることが圧倒的に多いから、というのも理由のひとつかも。

 とはいえ、実は、他人(ひと)様のスマホに助けてもらったことがあって、便利さはよく分かっているつもり。

 先日、渋谷のミニ映画館に出かけた時のことです。上映館と上映時間は、事前に調べて、出かけたのですが、場所は、比較的よく行く映画館のほうだと、勝手に決め込んでいたのです。そこに着いて、上映作品を見て、勘違いに気がつきました。

 渋谷にもう一つある映画館へ行くべきだったのです。もちろん名前は分かっていたのですが、こちらのほうは、とんと行ってないので、場所が思い出せません。NHK放送センターの近くというおぼろげな記憶を頼りに、とにかく来てはみたものの、さてどうする。

 ちょうど向こうから、若い女性の二人連れが歩いてくる。一人が、スマホを手にしているのが見えたので、思い切って声をかけることにした(ナンパする時みたいに、ちょっとドキドキしましたが・・・)。
 「すいません、実は、◯◯ミニシアターを探してるんですが、そのスマホで調べていただけませんか。この近くにあるはずなんですが・・・・」

 いい歳をしたジイさんが、二人連れの女性をナンパするはずもない、と安心したのでしょうね、格別驚いた風もなく、サクサクッと調べて、画面を見せてくれた。
 「今、ここですから、そこの通りの2本目の道を左に入って、すぐですね」
 「いや~、助かりました。ありがとう」
 「いえ、いえ」

 とっさの知恵と、厚かましさに我ながら、あきれたり、笑ったりでしたが、きっとスマホも持ってない可哀想なジイさん(事実そうなんですが)と思われて、親切にしてもらえたのでしょうね。
 「今どき、ジイさんも、スマホくらい持てよ」あとで、そんな会話をしていたのかもしれませんが、気持ちのいい女性たちでしたよ。どうやら、スマホには、親切心をくすぐる「機能」も備わってるみたいです。

 で、スマホを使う気になったか、というと相変わらず、ガラケー愛好。いざとなれば、他人(ひと)のを利用する術を身に付けてしまいましたので・・・・
 実は、その後、もう一度、場所探しで、他人(ひと)様のスマホのお世話になった。懲りてない!

 サンマは目黒に限る。
 スマホは他人(ひと)のに限る。

 いかがでしたか?それでは次回をお楽しみに。

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