★★★ 芦坊の書きたい放題 ★★★

   
           毎週金曜日更新

第348回 年賀状減量作戦

2019-12-06 | エッセイ

 ー生きている証(あかし)なりけり賀状来るー
 いつもの店での今年(2019年)の新春句会への投句です。諸先輩や同年輩の方々からの年賀状を目にするにつけ、お互い1年を無事に過ごせたと感じるーーそんな気分を句にしました。幸い共感をいただいたようで、入賞できたのが何より嬉しかったです。年に1度のやりとりですけど、年賀状というのもいい習わしだと感じます。
 
 その一方で、いつまで続ける(続けられる)かなぁという思いも、ここ数年アタマをよぎっていました。

 作業(というとお出している方々には失礼な気もしますが)としては、年末年始の一時期だけです。かつては大変だった宛名書きや、出した分、来た分、喪中などの管理も、パソコンで随分楽になりました。
 ただ、私の場合、もっぱら年賀状用に使っているパソコンやアプリは、10数年来のもので、いつ不具合が出てもおかしくありません。なので、もう少し新しいバージョンのパソコンを日常使いとし、それにも対応の年賀状アプリをインストールするなど対策を講じてはいます。それでもプリンターがいつまで動くか、インクもいつまで販売されるかなど、不安の種は尽きません。

 それに加えて「終活」の一環として、年賀状をどうするかというのも気になる年齢になりました。きっかけは、先日届いた「傘寿(80歳)となったのを機に、年賀状を欠礼させていただきたい」という旨の挨拶状でした。
 こちらは古稀を越えたばかりですので、まだ早いかな、こちらから欠礼の挨拶状を出すのは目上の方には失礼かな、余計な心配をかけるかな、などと思いながら、しばし文面を眺めました。

 仮に出すとしたら、どんな文面にするか(あくまで「仮に」のつもりでした)をふと考えます。心配をかけないように「毎日元気に過ごしていますが」とし、理由は「年齢「なども」考え」とあっさり書けばいいかな、などと思案している内に、ちょっとその気になってきました。
 今のアプリを使えば、縦書きで、文章だけの裏面も作れることも分かって、なんとなく文面が出来上がってしまったのです。もうやるしかありません。

 一番たくさん出していた頃は、400枚近かったと思います。その後、徐々に減らす努力もし、今年は、230枚くらい出す予定でした。が、いつの日か、私に万一のことがあって、それを知らずに来た年賀状の処理を任せる家族のことを考えると(一挙にゼロには出来ないにしても)大幅に減らすのもやむを得ないかな、と考えるに至りました。

 長年勤めていた会社で、私が属していたグループには、本人に不幸があって連絡があれば、メールで訃報が流れる仕組みがあります。なので、そのグループの60名ほどの分は、引き続き出すことにしました。辛い作業でしたが、そのほかの方々の中から「心を鬼にして」本当に出したい人としてリストアップしたのは40人ほどです。230人が、100人ほどになり、年賀欠礼の方約130名へのはがきの印刷、投函も、順調に終えることができました。

 数は減らせましたけど、減った分だけでも、年賀状を出す方には「心を込めたい」です。

 裏面の印刷は、ここずっとコンビニを利用していました。自由文が挿入出来る図柄を選んで、近況を伝える文章を(50字以内という制約はありますが)入れていたのです。それでもオール「印刷」という味気なさ、手抜き感はありますので、今年から、ちょっとした工夫をしました。


 「私の近況です」というハンコを街のハンコ屋さんで作ってもらい、ご覧のように赤のインクで「心を込めて」押すことにしたのです。ひと手間かけてますよ、ちょっと注目してください、という下心が透けてますが・・・・

 とまあ、私の年賀状減量作戦も、一つの区切りがつきました。年賀状問題でお悩みの方々のご参考になれば幸いです。

 いかがでしたか?それでは次回をお楽しみに。