Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

2013/8/23//八丈島の余韻

2013-08-23 | 参加ユニット『Duo LIBRA』



チェックアウトから搭乗時間まで時間があるので
1BOXタクシーで島を軽く案内してもらうことに

漁港



太平洋漁船の避難場所にもなっているようで
港を囲う防波堤はかなりの高さだった



船から出てる棒は
カジキマグロの一本釣り竿だそうだ

1匹釣り上げたら
漁師さんは幾ら儲かるかと話題になる
運転手さんに尋ねるが
時価で変わる、としか答えは得られず


昔は代官所があったという辺りに丸石垣



流人が海岸から一つずつ担ぎ上げたという丸石垣は
一つの石を六個で囲う六個囲い







関ケ原で敗北し流刑者として島に流された宇喜多秀家の石像
これはだいぶ新しいな..



35歳で島に流された秀家は84で亡くなるまでの50年
八丈島で釣りをしたり短歌を読んだり悠々自適の生涯を送ったといわれてる




雲を被った八丈小島が見える



波が高い





海岸線に近付こうとするとタクシー運転手さんが波に拐われるから近づくな
と注意

海の色がエメラルドで
波打ち際まで行き
撮影したかったが
残念
命には代えられない

海岸は溶岩で出来ていた




着いてからずっと島の山の頂にはいつも雲がかかっていた




この辺りの海岸沿いは
南原園地というらしい






物産展の建物かと思う小さな空港の建物に着いて
アシタバの蕎麦を食べた


夕べ打ち上げでご一緒した婦人連の会長さんが
黄八丈の名刺入をお土産にわざわざ空港まで届けてくださった

まだまだ島の面白い処がいっぱいあるから
今度はゆっくりした行程でおいで

そして島をもっと好きになってほしい




もう充分好きになってます

また来年来れたらいいな





搭乗口で待機



今回のコンサートで
島のジャズギタリストさんとDuoで参戦したピアニスト福本さん
川崎在住ということで
飛行機の便が一緒
記念撮影



大路さんが「髪型がスポック船長くん」と呼んでました
僕は個人的には「フランシスコ ザビエルさん」かと...
いずれにせよ、なかなかキャラの立った人物であります

始発便で東京に戻った上原女史に一目惚れされておりました
若いというのは羨ましいことであります^^



機内に搭乗
飛び立ってすぐに眠ってしまった

一瞬で
着陸体制に入りました
のアナウンス

行きと同じだ…
タイムスリップしたような
あっという間感

東京は雨が本降りだった




飛行機で僅かな時間移動しただけの別天地、八条島

どこか夢でも見ていたような感じもする...




夢だとしても

良い夢だった









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2013/8/22//八丈島 2日目

2013-08-23 | 参加ユニット『Duo LIBRA』



八丈島二日目

朝になってから何度も目が覚めたが
遮光カーテン越のうっすらした光の中で何度も二度寝しながら
結局昼過ぎまで眠った


今日も良い天気なようで 外はこんな感じ



宿泊してるホテルは完璧にリゾート仕様
平屋のコテージ
芝生の中庭

貧乏ツアーに慣れてるので
いいのかなぁ…と
罪悪感すら感じる程の素敵な環境


こういう贅沢な環境を
どう使うかで性格が出る

マネージャー中村氏は
朝から既に3時間も汗だくで散歩してるようで
メンバー宛に一括メールが入っていた

「人生こうはなりたくないものですね」
とのジョーク付きの写メ



それに応え
不思議ちゃんキャラのサックス上原女子は
ビーサンを買って海辺へ行ったとの一括返信


中村氏以外の男性陣は返信無し

大路さんはわからないけど
和泉さんは僕と同じで確実にギリギリまで寝てるだろう

それが最高の贅沢なのか
それとも人生時間の無駄遣いか
どっちでしょうか

Duo LIBRAを営むに
二人とも完全なるインドア派
という、価値観が近いことは
ある意味、便宜が良いことなのかもしれないが
少なくとも妻や恋人からは喜ばれない男の標本かな…と
自虐感を楽しみながら起き出し
大きめの湯船にお湯を張った


ザブンと浸かり
夕べ見た美しい夜空を想い出した


東京で見たことない空だった


スモッグが無い夜空に
満月の明かりは煌々と雲を照らし
隆々とした呈の夏雲は
夜なのにクッキリとその陰影を見せていた

ホテルチェックインの時ほんの1分ほど眺めただけだが
夕べの夜空を僕は多分
ずっと忘れないだろう

この焼き付いた美しい風景を
いつか何処かで音にしたい


演奏陣一行
14時出立








目の前が海だったんだ…










八丈島

海は紺碧
空は真っ青

排気ガス無し


会場までの道は
低い建物しか無いのと椰子の街路樹が
今日もまた南国情緒を煽る


朝から3時間歩いた中村氏は一段と日焼けしていた






会場に到着すると
吹奏楽団がリハーサル中



出して頂いた島のパッションフルーツ







見た目は種が魚の卵みたいだけど
酸味が強いがとても美味
病み付きになりそうな味でした


中村氏
立て続けに6個喰らう

人のことをとやかく言えない
僕も4個ほど









小一時間経って吹奏楽との合同リハーサル開始

沢山の管楽器に混じりながら
指揮者を仰ぎ見ながらの演奏は初体験

指揮者が目の前の高い位置に居てくれると
何となく安心するもんだなぁ…と


しかしまぁ
管楽器隊の中では
ギターはやはり掻き消されほとんど聞こえないが
今日は子供たちに混じり参加することに意味があると納得出来る




吹奏楽だけの曲のリハーサルで
「吹く時にセクションで立ち上がりませんか?」と大路さんが意見を出す








立ち上がった子供たちの表情には
はにかみが浮かんだり緊張の固さが現れたりした

それこそが普段の自分の殻を破る良いことだと
指示した大路さんは当然わかっているはず



指示された子供はそこまで今の自分を客観視出来ない



今はわからずとも良いのだ
と思う


表現する楽しさが何か1つでも見つかると
その子の内部は急に変わるんでしょうね
サナギから孵るみたいな…

そのきっかけを
こんな機会に見つけられたら良いな
なんて

いや…

立って緊張した記憶だけが残ったのでも良いのかもしれない

その感覚の中には
未来に芽を出す種が
ちゃんと仕込まれているどんな子供の中にも

…なんて
美しげなことを考えていた







リハ終わって
お弁当タイム




僕は黙って携帯で後記をメモ

その時の皆さんの会話から知ったことには
八丈島は東京都だったんですね

車は皆、品川ナンバーで
驚くべきことに楽屋の内線には都庁直通ダイヤルがあった


お腹いっぱいになって
本番前に
「あとは眠くなるだけだね」
とお決まりのジョークで
あとは皆さん三々五々、控え室から散ってゆく


部屋には黙った和泉さんと僕の
リブラ2人だけ

吹奏楽の個人練習の音が長閑に聞こえて来る

本番まであと40分


今回
管楽器のお二人と合流してよくわかったが
僕も和泉さんも他者と喋るのが結構苦手なんだ

多分…
内側にいろんなものが渦巻き過ぎて
言葉にならなくなってしまうのだろう


管楽器のお二人が楽屋に居られる時は
中村氏もはしゃぎよく喋る
和泉さんは少し参加し
人見知りの僕はほぼ黙っている

管楽器のお二人が楽屋から出て行かれると
僕と和泉さんは何も話さない
中村氏も黙って
楽屋は無音になる


この浮遊感のある空気が好きだ


本番30分前



本当に眠くなってきた…



目を瞑る…



ホルンかチューバが
鯨の鳴き声のように平和的に聞こえている



1ベルにビクッとして目覚め
体を起こすべく本番に備える

時間が来て
本番前にステージ袖に行くと
吹奏楽の女の子たちが沢山居た


緊張てしないですか?
とか
昨日の演奏聴きました
とか話しかけてくれた


弾けないくらい緊張してるから
誰か僕の代わりにギター弾いて来て
なんて
冗談言いながらリラックスしてステージ上へ


今日は大所帯の吹奏楽との合同演奏があるため
モニターは転がし無しのサイドのみ

だからとにかく演奏に集中した
そして攻めた


昨日より一段階二段階
自分のマインドが開いてゆくのを感じた



八丈島の子供たちとは
直接はほとんど話す機会が無かったけど
昨日リハーサルホールで聴いた時より
今日この会場での彼らのリハ演奏には
熱いものが増しているのを感じた


先生の情熱と
子供らがそれに応えようとしていることを感じて
僕の内部ではじわじわ感動が始まっていた


そんな状態でステージに上がったのだった



マインドが開いていることが
音楽をする上で一番
力を与えてくれる


今、僕のマインドを普段より開かせてくれているのは
先生と子供たちの呼応のエネルギーなのだ


リブラと
そして大路さん上原さんの加わった我々の演奏は
昨日より更に2割増しくらいに充実を感じられた

僕らの枠の後は一気に転換し
吹奏楽団全員と僕らの合同演奏になる


転換時に
和泉さんと大路さんが
生徒さんからインタビューされた



袖から見ていると
作曲者としての和泉さんはシャイな感じで受け答えていた


大路さんは
普段は冗談みたいなことしか言わないのに
やけに真面目な表情で話しておられた



主宰者である小泉先生がステージ袖から眺め
「いつもの大路さんの雰囲気と違うなぁ」と怪訝な様子

袖からだと音声がモゴモゴして
何を話してるか内容が聞き取れなかったが
後から聞いたとこによると
「演奏は間違えても構わない
合奏する皆で助け合って作って行く
という気持ちが大切」

語っておられたようだ


子供たちに向かって
照れず茶化さず直球を投げたのだ

思った

この先輩を
僕は完全に信頼した...



転換が整い
吹奏楽団だけで1曲








吹奏楽団の演奏に
和泉さんが心をリンクして
その背中から美しい気が立ち上っていたので
コッソリ写真に撮った





そして大路さん上原さんが加わり
音楽の女性の先生が指揮を取りシングシングシング







そして本編最後に
和泉さんと僕が加わり宝島をやった




主宰の小泉先生は
和泉さんのファンなのだ

技術科の教師である小泉先生は
八丈島に赴任して2年目に今回のジャズフェスティバルを開催し
大好きな和泉さんを呼んだのだ

そして和泉さんの音楽を子供たちと共有しようと頑張った


小泉先生が指揮台に立ち宝島が始まった

リハーサルより明らかに音が厚みを増していた

皆がやる気で奏でていることを感じながら僕も奏でた


斜め後ろの和泉さんを振り返って見たら
指揮台の小泉先生と目を合わせて笑いあっていた
僕は一気に涙腺が緩み
その後
和泉さんのピアノソロに突入した時には
ヤバイくらいに込み上げるものがあった


演奏が終わり
立ち上がり客席に向いた時に
ステージ上の自分たちにとても誇りを感じられた

僕のここまでの人生で
あまり体験したことのない感動だった


客席からアンコールを頂き
オーメンズ オブ ラブを演奏


無意識のうちに手は勝手に動き
熱くなって必死に弾いている自分がいた


音楽の持つ大きな力を感じていた


そして
音楽の持つ大きな力は
人間の一途な想いから生まれることを学んでいた


今回の八丈島
本当に本当に良い体験をさせていただいたと思う




記念撮影
左から
和泉さん
上原さん
小泉先生
大路さん




打ち上げ
というか
親睦会を模様して頂き
島のライヴハウスへ






あっ
島焼酎っ!



と思いきや



僕これ全部、御相伴にあずかっちゃうもんね
(by 宏隆)



店のステージには大太鼓

お店のマスターが
島太鼓のパフォーマンスを観せてくれた



生で観る大太鼓は迫力

島の男の逞しさに圧倒された



続いて女太鼓



これはまた柔らかくて赴きがある



「誰かやりませんか?」
というマスターの呼び掛けに
サックスプレイヤーだけでなく
ドラマーでもあるという大路さんが指名されステージへ

よっしゃ
いっちょうやったるで





ドドン
ドロドロドン



そりゃ
カカカカカカカカカッッ!!!!!!




え~い
ままよ
こうなりゃ連打じゃ!
ドドドドドドドドドドドドドドドッッ…………



大路さん
最後は大きな雄叫びを上げて終了



ショーの最後はマスターの
力強くも憂いを含んだ島唄と太鼓で〆









主宰
小泉先生到着
挨拶




和泉さんと小泉先生は
アーティストとファンから関係が始まり
先生の情熱が垣根を取り去り
今はマブダチであることを知った


小泉先生から指名されて和泉さんのご挨拶



「え~
小泉先生とは
思い返せば
江南ジャズフェスティバルというので知り合いましてから
もうずいぶん長いお付き合い

小泉先生
結婚なされたと思いきや新婚早々
八丈島に単身赴任と聞き
教育委員会も酷なことをするものと同情の念を寄せておりました

しかし不屈の小泉先生から
必ず和泉さんを八丈島に呼びますからと言われて
赴任からたった2年目でこんなイベントを興され
もう本当に頭の下がるところでございますです
本当にありがとうごじゃりました」

ペコリ



ペコリ



こんな姿を見ると和泉さんも純な人だなぁ
なんて思う



ということで
全体で乾杯~










え~と
誰だかよくわからないのですが
島の方言で仕切るパワフルなおば様

「島の女は目配り気配り無ければ嫁の貰い手無いでおじゃる
めんそ~れ 」
みたいな感じでいきなりパワフルな登場

方言で喋るので半分以上解らないんだけど
多分
小泉先生と同じ学校の先生なんだと思う...
(違うかなぁ…)




島の子供たちは
どうせ島から出られないから
と諦めてしまう
と先生や島の方たちは言う


島の方たちと話しながら
昔からの島の文化を守りながら
新しい文化の風を入れて行きたい
と本気で思っていることを知った


八丈島は東京都だけど
緯度は長崎と同じ

東京都と言いながら
ここはもう南海の孤島と言っても過言でない

その地で
次の世代を育てようとする実に人間臭く
また味わい深い活動が沸々と展開されていたことを知った




東京都の職員である小泉先生は
いつかまた島を離れる辞令が来るだろう


だけど
小泉先生が特攻隊長のように切り込んで興した
今回の八丈島ジャズフェス第1回目が呼び水となり
後継者に引き継がれながら
来年も再来月もずっと続いてくことを心から願っている


リブラ レコ発ツアーで
全国を周ることになり
その土地土地で皆が真剣に人生を営んでいることを
痛烈に肌で感じさせていただいてる

かけがえ無い体験をさせて頂いてる


この感謝を
必ず
世の中にお返ししたいと思う



さっきからずっと頭の中で
小椋桂の愛燦燦の歌詞がループしてる



♪人はか弱い
か弱いものですね
でも人生って嬉しいものですね♪


信じる力を
この八丈島で貰いました

ありがとう
八丈島









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