アスファルトにはクッキリ影が
良く晴れている
のに
やはり今日も空は薄グレー
そろそろ台風にスモッグを吹き飛ばしてもらい
夏らしい青空と真っ白な入道雲のコントラストが見たくなってきた
暑くて働かない頭の中で
何故かピンキーとキラーズの恋の季節が鳴っている
しかも小学生の頃流行ったくだらない替歌である
ツアー31本目にしては...
意外に煮詰まらずリラックスしてるようだ
途中コンビニに寄りそのまま路肩に停めて軽く食事をしていると
サングラスをした男性が
あがぁ~
と口を開いたまま歩道を通り過ぎた
相当暑いのだろう
気の毒に思いながら何故かちょっとウケる
14時半
中村氏と合流
和泉邸に向かう
空が暗くなり小雨がパラつき始め
遠くから小さく雷鳴が聞こえる
強い日差しが雨雲に遮られると
直射日光にずっと身構えていた身体から力が抜けて
軽い眠気に襲われる
ボンヤリする頭の感覚から
子供の頃の真夏日の昼寝の記憶を呼び起こされる
扇風機の微風と
木綿の肌掛けのサラサラした感触…
それらと共に蘇る微弱な痛み
悲しみという名の湧水は
膠着した愚かさと
それを決して忘れられない健気さとの隙間から
ずっと永遠に湧いて来る
雨足は強まり
雷鳴も大きくなる頃和泉邸に到着
お借りした和泉邸のトイレの窓から覗く雨に濡れた蔦の葉を眺めながら
ス~ッと気持ちが楽になってゆく…
それは
ついさっき夕立に古い記憶を呼び起こされ
日常では見付けることの出来ない痛みの出所を確認したから
人生に忍び寄る惰性も
日々の体調の良し悪しも
痛みの源泉を確認することで
僕は全てを払拭出来るようだ
生きる力を得るために
世の中のノイズを掻き分け掻き分け
痛みの源泉を見付けようとする
その佇まいが
他人からは
浮世離れしてるように見えたりもするようだが…
16時過ぎ
考えに耽っているうちに都心部を脱出
いつの間にか雨も上がっていた
16時半
会場まであと15キロ
少しグッタリしている理由は
昼の強い日差しを浴びたからか
車中でインナートリップをしたからか
どちらにせよ
そろそろ本番に向けて体力を温存することにした
。。。
短い時間だがうつらうつら仮眠したようだ
17時手前に会場到着
Wuuさんは2回目の出演です
マスターが本当に穏やかなお人柄
サウンドチェックで音を出し始めた時
「空間が涼しい」と感じた
きっと心を波立たせるノイズが無い空間だったんでしょう
ひとえに穏やかな気を放つマスターのおかげだと
心中感謝した
ピアノのマイクを微調整しながら
夕べ寝ずに考えた
というくだらないギャグを放つ和泉さん
と
ウケる中村氏
開場までの少しの時間
ピアノに触れて過ごす和泉さんを残し
1フロア上の控え室へ
今日も落ち着いて演奏出来そう…
。。。
一部終わって
今日はやっぱり
とても落ち着いて演奏しています
何故でしょうか…
不思議
ここに来るまでの車中
インナートリップして
痛みの源泉を確認出来たからでしょうか
もっと違う原因があるのかな…
自分たちの演奏から安らぎを感じられてます
。。。
二部も同じく
ツアーで今日まで演奏回数を重ねたことが
惰性ではなく良い方に影響してるように思えました
当たり前ですが
演奏っていうのは毎回毎回一ミリも気を許せない
足を運んでくださったお客様
ありがとうございました
ご夫婦でわざわざ浜松から来てくださったお客様も居て
遠いところから本当にありがとうございました
嬉しかったです
そしてWuuさん
ありがとうございました
帰りの車中
演奏のことなど
真面目なことをツラツラ考えておりますと
後部席から和泉さんの元気な声が割って入る
「今日の駄洒落は~本当は
一曲目が終わったところで
いきなりマイクを掴んで立ち上がり~っ
微妙な「間」を持たせた後に
『ここは何処かしわ?(柏)
ハッ!(゜ロ゜;
ここはっ!
柏のっ!
…
チャッチャン
チャカチャカチャン チャカチャカチャン ウ~ッ(Wuu)さんだったっっっ!』
(注:もうお判りとは思いますが、マンボNo.5を使用したギャグであります)
というとこまでで1セットだったんですよ~
でもなかなか勇気がなくて
出来なかったんだよ~」
「わかりました
では完成形をブログに載せときます…」
と僕
松戸の辺りでチェーンのラーメン屋に入った
そこで中村氏が昨日
完全なる濡れ衣で万引き犯にされたエピソードを話し出した
汚名を着せられ相当憤慨した様子に
和泉さんは中村さんの肩を持つように
よく話を聞いてあげていた
なかなかの人情家だと思った
僕はただ黙って聞いていました
その後
車は再出発
その車中
京急の北品川駅は品川駅の南に位置するのに
何故、北品川なのか
という中村氏の講釈を聞きました
品川駅と田町駅の間に
山手線最後の駅が作られる
という和泉さんの話も聞きました
途中
夜空に浮かぶスカイツリーを携帯で撮ったけど
上手く写らなかったり
そんな感じで和泉邸に向かってあと9キロ
今日の演奏で
落ち着いて安らぎを表せたことで
僕はとても満たされています
そんな心境で思うこと
万引きに間違えられた中村氏も気の毒に感じるし
謝罪で土下座させられた間違ったガードマンも気の毒に感じる
いざこざはただただ悲しい
自分の心が
本当に求めているものをよく探し出して
それに向かって少しでも進めたら
許す力が強くなる気がする
許す力が増すというよりは
争う必要が無くなってゆくように感じる
昨日は
人間は単純なものではないと思ったが
今日は単純に
皆が仲良く生きてゆければいいのに
などと思う
そんなことを考えるともなく考えながら
演奏をメインイベントに据えた今日という1日も
まずまずの出来だったように思える
あとはもうボンヤリしながら頭も休めよう