泣きたい男 S
正確には
泣けるようになりたい男
そのSから電話があったのは
かれこれ1ヶ月ほども前だっただろうか
携帯の呼び出しに出てみると、上品な関西弁で
「サカキさん? Sですけど
なんか聞いたところによると最近サカキさん
ウンチの帽子をかぶって、子供の前で演奏してはるらしいですねぇ?」
とちょっと嬉しそう
(かぶってるのは僕じゃないよ...)
「これから僕等のグループも、子供を連れたお母さんを意識したコンサートを
模索してこうってことになったんですよ
なのでそのコンサートを見学させてくれませんかぁ?」
てなことでSは、今日5/21の幼稚園コンサートに遊びにくる運びとなった...
以前Sくん達の催した花見に誘ってもらって参加したことがある
川崎のどこかの小高い丘の上にある公園で行われ
雨に降られてしまったので早々に引き上げることとなった
公園を下る道すがら、退屈だったので
ちょうどそこに転がっていた乾燥ウンコを軽く蹴った
それを3~4歳くらいになるSの息子くん「H」が見ていた
(ふふふん...どうだいHくん?
キミも男ならウンコの一つや二つ、楽々と蹴ってみれるだろう?
真の男の価値とはな、汚いものに真っ向から触れる勇気に比例するのだぞ
今日あるサカキさんの自信も、数々のウンコ伝説を作りながら構築されてきたのだからな
但し...ママにだけは見付かるなよ...うるさいから..)
言葉は無くともHは僕からのメッセージを理解した
彼と僕はそこから黙々と、交互にウンコを蹴りながら道を下った
(ナイスジョブ...H...)
この記憶がHの深層へと隠れてしまう日が来ても
今日のこの我々の心の会話はきっとキミを光りの射す方へと導いてくれる
よしよし
と思った矢先にSの声
「あはははは、何蹴ってんの~、ウンコやないの~
あはっ、あはっ、
サカキさんが蹴るからHも真似してるじゃな~い」
(違うんだよ...Sくん Hとは合意の共同会話なのだよ
そしてもう一つ...痛いほどわかるんだ...
本当はSくん...キミも蹴りたいのだということが...)
それから何かことあるごとにSは、その時の光景を語るようになった
「サカキさんの子が歩けるようになったら、Hとウンコ蹴ったみたいに出来るねぇ
そういう日が来るのが楽しみでしょう? アハッ、アハッ 」
(もちろん、息子とも蹴りますよ...
だがSくん
問題は、キミがウンコを蹴りたいか蹴りたくないか、ということなのだよ
いや
もはや蹴りたい、ということはわかっている
蹴りたいんだ、、と
君自身が言霊を発するか発しないか、ってことが問題なのだよ
男が..泣けるためには...」
己に客観性の強い性質のSの目線は必ず人の後ろ側に置かれる
そこから主観で演じる人間を面白く眺める
それがS
そのSの後ろ側に、更に廻り込みたいのが僕
Sの前に立つフリをして、悟られぬように実は彼の後ろに立つ
そうしてその場所から眺めると、おのずと観えてくるSの潜在願望..
今までの全ての言動から割り出される答え、とは
明らかに彼は、我を忘れるまでウンコを蹴りたい、ということなのだ
今日5/21
現場にやってきたSは、僕のポッコリお腹を触りながら
余裕のニッコリ笑みを見せる
僕はちょっと不器用なキャラを装いながら
そんなSをこっそり観察する
案の定、誰よりも早く、ウンコの在処を問う
紙袋からタカシさんが持ち出してくると早速Sはウンコの帽子をかぶり
ウンコスティックも併用しつつ、スティックの先をクルクルまわしながら
「そらそら、ウンコ付けちゃうぞ~ あはっ」
しばし はしゃぎ、何枚か写真も撮り
ウンコ熱も落ちついたかにみえた頃になって、S
「もう一回写真撮り直してくれへん? さっき、ちょっと、はしゃぎすぎたわ... 」
と横顔で、おすましポーズ
(勿論このポーズもシュールギャグなのだ、、が、撮り直さないで...Sくん
むしろもっと手放しに、ウンコと共にはしゃいでるキミを見ていたいんだ
いや、そんなキミを見たくない、という人も居るだろう
キミのハイトーンヴォイスに癒される人達は
その透明な声とウンコのイメージを同居させたくないのだ
だが僕は見ていたい
我を忘れてウンコと戯れる180センチのインテリジェンス青年Sを
恐るるなかれ
ウンコは勇気だ
勇気は愛だ
だからウンコは男のロマンだ
男のロマンが女を引き寄せる引力となるのだ
かまわず行こう!Sくん
今度機会があったら、是非キミのその手の平に
本物の乾燥ウンコを乗せてあげるからね)
敬愛するSくんが、まったく忘我の境地でウンコと遊び
真の男として人目を憚らずおいおいと泣ける日までには
もう少しだけ、時間がかかりそうだ...
正確には
泣けるようになりたい男
そのSから電話があったのは
かれこれ1ヶ月ほども前だっただろうか
携帯の呼び出しに出てみると、上品な関西弁で
「サカキさん? Sですけど
なんか聞いたところによると最近サカキさん
ウンチの帽子をかぶって、子供の前で演奏してはるらしいですねぇ?」
とちょっと嬉しそう
(かぶってるのは僕じゃないよ...)
「これから僕等のグループも、子供を連れたお母さんを意識したコンサートを
模索してこうってことになったんですよ
なのでそのコンサートを見学させてくれませんかぁ?」
てなことでSは、今日5/21の幼稚園コンサートに遊びにくる運びとなった...
以前Sくん達の催した花見に誘ってもらって参加したことがある
川崎のどこかの小高い丘の上にある公園で行われ
雨に降られてしまったので早々に引き上げることとなった
公園を下る道すがら、退屈だったので
ちょうどそこに転がっていた乾燥ウンコを軽く蹴った
それを3~4歳くらいになるSの息子くん「H」が見ていた
(ふふふん...どうだいHくん?
キミも男ならウンコの一つや二つ、楽々と蹴ってみれるだろう?
真の男の価値とはな、汚いものに真っ向から触れる勇気に比例するのだぞ
今日あるサカキさんの自信も、数々のウンコ伝説を作りながら構築されてきたのだからな
但し...ママにだけは見付かるなよ...うるさいから..)
言葉は無くともHは僕からのメッセージを理解した
彼と僕はそこから黙々と、交互にウンコを蹴りながら道を下った
(ナイスジョブ...H...)
この記憶がHの深層へと隠れてしまう日が来ても
今日のこの我々の心の会話はきっとキミを光りの射す方へと導いてくれる
よしよし
と思った矢先にSの声
「あはははは、何蹴ってんの~、ウンコやないの~
あはっ、あはっ、
サカキさんが蹴るからHも真似してるじゃな~い」
(違うんだよ...Sくん Hとは合意の共同会話なのだよ
そしてもう一つ...痛いほどわかるんだ...
本当はSくん...キミも蹴りたいのだということが...)
それから何かことあるごとにSは、その時の光景を語るようになった
「サカキさんの子が歩けるようになったら、Hとウンコ蹴ったみたいに出来るねぇ
そういう日が来るのが楽しみでしょう? アハッ、アハッ 」
(もちろん、息子とも蹴りますよ...
だがSくん
問題は、キミがウンコを蹴りたいか蹴りたくないか、ということなのだよ
いや
もはや蹴りたい、ということはわかっている
蹴りたいんだ、、と
君自身が言霊を発するか発しないか、ってことが問題なのだよ
男が..泣けるためには...」
己に客観性の強い性質のSの目線は必ず人の後ろ側に置かれる
そこから主観で演じる人間を面白く眺める
それがS
そのSの後ろ側に、更に廻り込みたいのが僕
Sの前に立つフリをして、悟られぬように実は彼の後ろに立つ
そうしてその場所から眺めると、おのずと観えてくるSの潜在願望..
今までの全ての言動から割り出される答え、とは
明らかに彼は、我を忘れるまでウンコを蹴りたい、ということなのだ
今日5/21
現場にやってきたSは、僕のポッコリお腹を触りながら
余裕のニッコリ笑みを見せる
僕はちょっと不器用なキャラを装いながら
そんなSをこっそり観察する
案の定、誰よりも早く、ウンコの在処を問う
紙袋からタカシさんが持ち出してくると早速Sはウンコの帽子をかぶり
ウンコスティックも併用しつつ、スティックの先をクルクルまわしながら
「そらそら、ウンコ付けちゃうぞ~ あはっ」
しばし はしゃぎ、何枚か写真も撮り
ウンコ熱も落ちついたかにみえた頃になって、S
「もう一回写真撮り直してくれへん? さっき、ちょっと、はしゃぎすぎたわ... 」
と横顔で、おすましポーズ
(勿論このポーズもシュールギャグなのだ、、が、撮り直さないで...Sくん
むしろもっと手放しに、ウンコと共にはしゃいでるキミを見ていたいんだ
いや、そんなキミを見たくない、という人も居るだろう
キミのハイトーンヴォイスに癒される人達は
その透明な声とウンコのイメージを同居させたくないのだ
だが僕は見ていたい
我を忘れてウンコと戯れる180センチのインテリジェンス青年Sを
恐るるなかれ
ウンコは勇気だ
勇気は愛だ
だからウンコは男のロマンだ
男のロマンが女を引き寄せる引力となるのだ
かまわず行こう!Sくん
今度機会があったら、是非キミのその手の平に
本物の乾燥ウンコを乗せてあげるからね)
敬愛するSくんが、まったく忘我の境地でウンコと遊び
真の男として人目を憚らずおいおいと泣ける日までには
もう少しだけ、時間がかかりそうだ...