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Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

「栗ジャム」

2008-10-24 | 良寛さん万歳
先日、コンサートのあと
珍しい「栗のジャム」という物をいただいた

日本の果物?か木の実?なのか
柿とか枇杷とか栗とかって、色も味も渋くて
昔から何故か「爺さん」を連想する
「爺さん」を食べたら、きっと柿とか栗の味がする気がする

栗のジャム=爺さんの味...

「せっかく頂いたのに」と自分を制御するが妄想は膨らんでゆく

スタンダードなモンブランの上には、必ず栗本体がのってる
栗キントンにも、ゴロンと栗が混じってる

砂糖煮?か洋酒付け?か
甘味が付いているのだけど
栗本体の形が残っているから、やはり「爺さんの味」がする

栗キントンの「栗」が無い方が美味しいのに...



栗ジャム...

僕の中では、そういう意味で、
ちょっと恐怖な存在のまま、しばらく食卓に乗っていた


「希少価値だしな、もったいないから、簡単に開けないようにしよう」
と自分の中で思いつつ
実は「爺さん味の恐怖」からコッソリ逃げていたのだ


それを今朝、魔が差した^^;というか...フッと開けてみた

ただのトーストに塗って、恐る恐る一口食べてみると

!!!!!!ッ!


なんていうんですか
マロングラッセとかいうんでしょうか
ただの庶民的朝食が、いきなり高級フランス料理のブランチみたいになってしまった

美味しい!


栗=爺さん
の図式は、遥か何万光年へ飛んで消え
栗ジャムは一気に1/3ほど無くなってしまった


「贈り物」という物の中に折込んでいただいた、その人の想いは
こんな風に、タイムラグがあって届いてくることがよくある

そんな時「2度、嬉しいなぁ」って思う


だから、もう一度、ありがとう



...だけど
正月の栗キントンは
なるべく栗の少ないやつにしよう...






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「最近、泣けたこと」

2008-10-01 | 良寛さん万歳

最近、泣けたこと



やっぱり、邪気の無い「ピュア」に触れた時

それと「健気」に触れた時

もうひとつ似てるけど「一途」も


そして
外に出たがってるピュアが、上手く出られず
それでも一途に健気であったなら
もう僕は立っていられないくらい切ない



昔から変わらないな

前よりハッキリ見える



日常に、小石...
いや、宝石のように沢山転がってる



そんなこと考えながら、夜中の4時近くに
仕込みしながら一人でウルウル





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「薄皮あんぱん」

2008-09-25 | 良寛さん万歳


不協和音の中から
「キミ」という音符だけを取り出し五線紙に記す

速い流れから外れ
岸辺の水面に小さく揺れている音符だけを
五線紙に記す


もうずっと前からそうしてきた


今年の秋には、完成するだろうか...




薄皮あんぱんを一口



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「虫」

2008-09-22 | 良寛さん万歳
以前、母方のお墓参りに行った時
お参りの間ずっと、お墓の横の低い木の上や、僕の肩や頭に乗ったまま
触っても全然逃げなかった赤ちゃんカマキリがいた

あまりに逃げないので、これはおじいちゃんが虫になって会いに来てるのだと
そんなふうに思った

おじいちゃんのお通夜の時は、
深夜に原因不明なピーっという音が5分ほど鳴り続け
そこにいた親戚数人で音の発信源を探しまわったが結局見付からなかった

おじいちゃんの最後のお別れの信号だったのだろう
というとこに落ち着いた

両方の祖父母は他界しているが
そういう現象があったのは、母方のおじいちゃんだけだった

なにか強い思念を持っていた人だったのではないか、という思いが
おじいちゃんの亡くなったあと、僕の中に残った

だから、赤ちゃんカマキリを、すぐにおじいちゃんだと思ったのだろう
墓参りの間ずっと、心の中で話しかけていた

次来た時、また逃げない虫がいたら
本当におじいちゃんだと信じちゃうな僕は...

そして、数年後のお墓参りで
おじいちゃんはカメムシになって遊びに来た

カメムシは全然逃げず、僕は完璧に
「虫はおじいちゃんだ」と信じ切ってしまい
それは今も変わらず同じなのだ

だから
夏とか、部屋の中に入った「蛾」なんかを
誰かが叩き落とすのを見るのが本当に嫌になってしまった

血を吸ってる蚊も逃がしたりするし
ゴキも追うだけにする


虫と祖父とを重ね合わせて感じる時間は
死者との対話ということになるんだろうか...
すごく穏やかな時間なのだ

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「ハービヒサァ」

2008-09-20 | 良寛さん万歳
街を歩いていると、呑み屋小路の中で変な看板を見つけた

レトロなタッチで、髭を蓄えた男二人と女一人の絵
二人の男は酒を酌み交わし、女が微笑んでいる、その上の方に
「ハービヒサァ」と書いてある


ハービヒサァ...?

絵の中の男Aが「ハービヒサァ」か
男Bが「ハービヒサァ」か
この男女の恋物語が「ハービヒサァ」なのか

中近東あたりのどっかの国の言葉で「乾杯」でも意味するのか...

頭にターバンを巻いたペルシャ人達が
ジョッキを片手に「ハービヒサァ!」とか叫んでる図が浮かんだ


誰かに何かを聞かれて、答えるのが億劫な時にも使えるな

「今日のニュースでやってた、なんとかかんとかの>>>なんとかを知ってる?」
「あぁ、ハービヒサァね」
「なにそれ?」
「だからハービヒサァだよ」
「???」

面倒なこと全て「ハービヒサァ」で煙に巻けそうな気がする



こういう響きって、頭に残る


その日夜更かして、次の日昼過ぎに目覚め
布団の中でまどろんでいると
外からなんとなく聞こえてきてた宣伝カーのようなスピーカーの声が
「ハービヒサァ」と言った


えっ?
今、ハービヒサァと言ったよな... 

あれは、「アサヒビール」を逆さに書き
「ル」が「ハ」に見えたものを
僕が勝手に妄想で遊んでただけなのに、なんで?


一瞬訳が分からなくなり
昨日の看板の呑み屋が、昼間には宣伝カーを出してるのか、、と頭をよぎる


よーく聞いてみた


「ご不用になりました、テレビ、パソコン、ステレオ、ミニコンポ、冷蔵庫、バイク等
無料にて、無料にて、お引き取りいたします
お近くのハービヒサァまで、お気軽にお声がけください」
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「音抜け」

2008-09-19 | 良寛さん万歳
子供の頃から声の「抜け」が悪く
小学校の先生に「声が小さい」と
よく言われた


喫茶店で、通りかかったウエイトレスに
「すみません」と声を掛けて素通りされたことは数え切れない

そういう時、自分の中で小さく
「な~んてな...」と呟いてしまう


それらは自分の中でコンプレックスとなり
いろんな方法で打破を試みて来た

最近では、長年の努力のかいあって
素通りされることは、ほぼ無くなったが
そうなると、素通りされていた昔が、何故か懐かしくなる

本来の僕の「自然」は
「抜けの悪い声の子」なのだ



最近は、ファミレスとかで店員を呼び止め
気付かれないと、何故かホッとする自分がいる
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「躓く」

2008-09-19 | 良寛さん万歳
スタジオの防音扉のわずか数センチの段差に
左足の指先が斜めに乗った
と思ったら次の瞬間
かけた体重のせいで、ヌルッと手前に滑り戻され
バランスを失った体が前に出る

支えようとした2歩目は不自然な内股となり
両手をばたつかせるも着地角度を失敗し
トットットッとよろめいた


傍にいた友達がヒャハヒャハ笑う

「ん?面白かったかい?」


もともと人を笑わすのが嫌いではない
というか、人が笑っていてくれると安心するのだろう

だけどまた、相手の顔色を見て自分の出方を決めるのも
迎合しているように感じて嫌なのだ

だから普段は、人の顔色を見ないようにしてるし
進んで笑わせようともしない



ところがこんなふうに、
自分が期せずして人を笑わせる時がある

座ったままが多い、アコギ弾きの運動不足から
こんなことがたまに起こる



笑われた直後に
「僕もこれなら嫌じゃないな...」
とか真面目に考えてるから、
また妙な佇まいにでもなってるのだろう

更に尾を引いて、プップップッと笑われると
至極嬉しくなる




こんな時間が、大変好きである

だから運動不足も、そのままにしてみてる

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「キッチン戦争」

2008-09-18 | 良寛さん万歳
足の裏に、何かグンニャリした小さな物がへばり付いた

ん?

それは杓文字から床にこぼれ落ちたご飯粒であった


「こちとら炒め物中でいっ!うざってぇ~」

フライパンを揺すりながら、足の裏も見ず
爪でこそぎ取って、ピンッ!と、どっかに飛ばした


次の日も、またその次の日も
グンニャリしたご飯粒は、足裏にまとわりついてきたが
いつも食事の支度中なのだから、相手にしてる暇はないのだ
億劫にピンピン飛ばしていた


そのうちご飯粒も諦めたか、自然消滅したか
攻撃してこなくなってしばらく経った

この勝負、僕の勝ちだな
と思いながら、米粒のことを忘れた


ある日、ガラスの破片を踏み抜いたような痛みを感じ
「いてっ!」と叫びながら
すぐさま足裏を確認すると

何度も何度も飛ばされたグンニャリ米粒が
コチコチに乾燥して最期の攻撃を仕掛けてきたことを知った


...この勝負
結局、僕の負けであった
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『多忙にて候』

2008-07-06 | 良寛さん万歳
忙しい...



とはいえ、
1年のうち(多分)3分の1以上はオフ日である


だけど忙しい…




だって

晴れた日は、
木漏れ日の中でまどろまなきゃだし

雨の日は、雨の匂いに包まれて
恍惚としていなきゃだし

微かな風音には、
耳を奪われて一歩も身動きとれないし

真夜中には、
気配を消していなきゃだし



洗濯する暇も無い...
(正直、パンツの替えもない、と言ってもいい)






こうして今日もまた

限りなくエントロピー減少系の道選びをしながら

多忙にて候





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