2018年10月4日午前5時半、筆者は、ホンダS660ModuloXの車体カバーを外し、9月23日の納車後初となるエンジンをかけてみた。カーナビの目的地を「葉山ホテル音羽の森」に設定し、車の取説をグローブボックス内に収納し、蓋を閉めようとしたら、蓋が閉まらないというアクシデントに見舞われた。ピカピカの新車だぞ、走行距離はたったの7キロ!しかもグローブボックスを開けたのは今日が初めてだ。おかしいじゃないかホンダカーズよ!そう思いながら、ホンダの緊急サポートサービスに電話をしたら、JAFのスタッフを差し向けるといわれた。そのJAFスタッフが到着するのに30分もかかったのだ。スタッフは、懐中電灯を照らしながらボックス内を調べた後「ボックスの蓋と本体部分が噛み合うノッチの部分にずれがある。下手に直そうとするとボックスを壊しかねないので、このままの状態でホンダへ車を持ち込んだ方がいい」とアドバイスしてくれた。ボックス内にはETCの車載器が取り付けられているが、その取り付け工事の際に何度か蓋の開け閉めをしたのであろうが、その程度で壊れるようでは話にならない。ホンダS660ModuloXのお値段は約366万円だったが、この程度の安い車なら、グローブボックスの建付けが少々悪くても仕方がないであろう。筆者は、そう思いながら、ガムテープでグローブボックスの蓋を固定した惨めな姿で車を走らせ、葉山へと向かった。
肝心のS660ModuloXの乗り味であるが、時速140キロまでしか出ない。だが、通常の軽自動車では時速が100キロを超えると、車体がガタガタと震え始めるので、それ以上の速度で走行すると恐怖を感じるのだが、S660ModuloXは、時速110-120キロを出しても車体のガタツキ感を全く感じない。まるで普通乗用車並みの走り心地である。しかも東京五輪記念の白ナンバーを取り付けているので、後方から猛スピードで迫ってくる、NSXによく似たフロントマスク姿のS660ModuloXに気づいた前走車は、普通自動車と勘違いして、左車線へと移動してくれる。i8同様、前走車を蹴散らしながらの高速走行が可能だ。これが、軽の高性能スポーツカーを白ナンバーに変えるメリットと言えばメリットかもしれない。だが、i8と違い、コーナリングに関しては、首都高のきついカーブを時速100キロ以上で走行するのは不可能で、時速90キロまでが限界であるし、横風に煽られてふらつく軽の悲しさもある。だが、時速120キロでも意外に風切音は少なく、バックミラーが、日産セレナのスマートミラーと同様の仕組みで、後方に設置されたカメラの映像を映し出すミラーレスモード(デジタルインナールームミラー)に切り替えられるので、そのモードで走行したら、後方視界は常に良好であった。ただし、屋根オープン時は明る過ぎるため、ミラー画像が見づらくなるので、手動でミラーモードに切り替えた方が安全である。
自宅から葉山までは、首都高横羽線、横浜横須賀道路、逗葉道路(ETC使用不可で通行料金は100円)経由で、約1時間半の所要時間であった。チェックインの開始時間である、午後2時丁度にホテル玄関前に到着した。すると、初老の紳士が現れ、「よろしければお車を預からせて頂きます」と言ったので、筆者は車のキーを預けた後、フロントへと向かった。バレーパーキングサービスのあるリゾートタイプのホテルは珍しいが、そこが、御用邸のある葉山らしさかもしれない。
ご予約内容:10月4日(木)より御1泊「コーナーバルコニースイート、フレンチフルコースプラン(ディナー17時より)」、お食事で鶏肉は避けるようにとの事(出汁はOK)、税込86,100円。以上で承っております。
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ナンバーは車名と同じ660を指定した。後方からの車体姿は、フェラーリスパイダーに良く似ている。
ホテル正門近く
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