ホテル日航東京の天麩羅「吉野」 投稿者：佐ガット覆面調査員

彼岸明け、そして東京で桜が開花した翌日の３月２３日、調査員は、お台場にあるホテル日航東京の天麩羅「吉野」さんにお邪魔しました。このお店はネットで予約が可能です。このホテルの３階に日本料理のお店「さくら」があり、その奥にこの天麩羅屋さんがあります。海の見えるレストランと言う事で、雑誌にもたびたび紹介されています。揚げたてがその場で食べられるいわゆるカウンター天麩羅で、カウンター１０席のみのお店。椅子に座ると目の前には竹芝桟橋とレインボウブリッジが窓いっぱいに広がるという絶好のロケーションです。

カウンター１０席は、１１時半の開店と同時に全て埋まってしまいました。お昼のメニューは２種類のコースのみ。全員が一番高い8400円の「東山」というコースを選択しました。お盆の中には、三つの小皿が。一番左手は、レモン汁用、真ん中がお塩用。塩は瀬戸内の自家製塩に昆布を混ぜた物。右手の小皿は天つゆ用です。まず先付けが出てきました。「花わさびとサザエの白酢かけ」です。これは美味しい。板場には若い板さんが２名。一人で５人のお客さんに揚げたての天麩羅を次々に和紙を敷いたお皿の上に乗せていきます。始めは、車えびのあご足の天麩羅。これは塩で召し上がれとのこと。次いで車えびの本体の天麩羅。以下、野菜は、たらのめ、ふきのとう、玉葱、蓮根、茄子、筍。これに有機栽培のしいたけの天麩羅と続きます。お魚は、きす、穴子、帆立が出てきました。いずれも揚げ方は悪くはないが、どうも口の中に油分が残るのです。香り高い椿油で揚げているとのことですが、どうもいま一つの感が拭えません。素材はいずれも絶品である。ただ茄子は水分がうまく抜けきれていなかったようです。板さんは、今年はふきのとうが築地にはなかなか入荷しないとおっしゃっていました。

調査員の右隣には、メタボなおやじと痩せさらばえた老婆二人の三人組がご着席。三人ともおビールを召し上がっていました。ビールを飲み干したところで、おやじがお酒をご所望に。板さんが「新潟は佐渡のお酒がございます。けっこう評判がいいんですよ」などと言っています。すると出てきたのは、金賞受賞の真野鶴の大吟醸「万穂」。意外な所で佐渡が出現。老婆のお一人がこのお酒を一口飲んだ後、「甘い！これはいける」と言いながら、昼間っからぐいぐいと日本酒をあおり始めました。大変お元気かつ御健啖なおばあさんでした。

画像は３月２３日に伊勢丹で購入した「万穂」ちゃんです(5250円)。ビンのラベルには製造年月日は０８年２月と記載されています。佐渡の酒.comさんのブログには、この「万穂」、あまりの人気ぶりに蔵元では１月１７日の時点で完売し、５月から販売再開予定と書かれています。ところが、それよりも１ヶ月も早い時点で、伊勢丹は既に「万穂」を仕入れて売り始めていたようなのです。佐渡産の高級品が東京へ直行し、地元では手に入りにくくなるのはお魚だけではないようです。

昭和のレトロな感じがいいんです：羽茂サウンドハウス 投稿者：佐ガット覆面調査員

店内に入ってびっくり。テーブル席が４つとカウンターだけのこじんまりとしたお店ですが、内部が清潔でしかも洒落ているのです。床のカーペットは綺麗に掃き清められており、椅子やテーブルもレトロな感じはするものの、綺麗に磨き上げられていました。昔懐かしい放射式の石油ストーブが置かれてあり、これが暖炉のように思えるから不思議です。３０年以上もの長い間営業を続けていらっしゃるそうで、その風格を感じます。

サウンドハウスと言いながら、店内には音楽などは流れていません。静かにゆったりと時間が流れていくようです。先客はテーブル席にお一人、カウンター席にお二人のいずれも地元の男性客氏。テーブル席の御仁は、ビールとお料理を召し上がった後、静かにその余韻を楽しんでいるようです。和んでいますねえー。

調査員が店内の様子をデジカメで撮影したら、フラッシュが光りました。画像の向こう側にカウンターがあります。すると、ママさんらしき方が、「あ、何か光った！電球が切れかかっているのかしら？」と言うと、カウンターのお客さんの中から「うん、どこかで電球が切れかかっているようだな」と同調する声が。すると、ママさんらしき人が、「いや、違うわ、きっとどなたかがいらっしゃったので光ったのかもしれないわよ！ゴースト（幽霊）様が来たのかもしれない。ゴーストが。ほらお彼岸だから」と言った。

何てロマンチックで信心深いことをのたまわる素敵なお方なのでしょう。このお店のママさんとおぼしきお方は。。。調査員は心の中でくすっと笑いながら、「ゴーストなんかじゃないわよ、あたしのデジカメのフラッシュよ」という言葉が喉まで出かかりましたが、ママさんらしき方の想像の世界を壊してはいけないと思い、じっと黙っていました。