こちら黒金町の4階です。

静岡県労福協を身近に感じていただくために事務局員が交代で情報の発信しています。

風の盆

2008-09-05 | Weblog


先日、かねてから行ってみたかった富山県八尾町の風の盆を見に行ってきた。
とはいっても、観光客でごったがえす本祭は避け前日の夜更けの練習風景を見に行った。
石畳の細い路地裏は提灯のほのかな灯りのなか、数人が声を掛け合いながら静かに踊りが始まった。
胡弓の哀愁を帯びた音色、静かだが良く通る地歌、三味線の音色、それに合わせてゆったりとした しかし雄雄しい男踊りと、しとやかで優雅な女踊りの列が続く。
ひたひたと足音もなくゆったり流れるよう列は進み、ここだけは違う時間が流れているような不思議な空間を醸しだしている。
私も時が止まったような、この空間に魂を奪われたようにすっかり惹きつけられてしまった。

 いつもはキャピキャピして、コンビニの前で地べたに座り込んでいるであろう、若いギャルも、この日ばかりは薄化粧、浴衣に草履姿、視線を落として手さばきも美しく優雅に舞う。
 
 それぞれの町ごとに踊りの練習が始まり、心地よい夜風にあたりながら路地を歩くと、あちこちの路地裏から胡弓と三味線の音色が聞こえてくる。
この町の人々がこのお祭を、大事に育んでこよなく愛しているそんな雰囲気がひしひしと伝わってくる。踊りは夜更け1時過ぎまで続いていた。

この日はあくまで練習日なので、揃いの浴衣も、編み笠もなかったのは残念だったが、
お祭の真髄が味わえるのは、ギャラリーの少ないこんなときかもしれない
                                   Y-S