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太平洋沿岸を飛ぶ (45) - 四国カルスト

2010-03-13 | 四国

檮原は、どこか童話的な里でもある。
私どもは檮原を辞すべく、午後四時ごろには、北の町境い(すなわち県境)の台地にのぼりきっていた。地芳峠(標高1084メートル)だった。そのあたりは、一面のカルスト高原である。北方は、荒海を見るように山波がかさなっており、かすかながら石鎚山も見ることができた。
そのまま、石灰岩の台上を尾根づたいに東へゆくと、姫鶴平という広闊な高原に出た。
「四国カルストです」
町長さんがいったが、私には愛媛県(伊予国)にいる牛がぜんぶ黒牛で、高知県(土佐国)にいる牛がすべて赤牛であることがおかしかった。
(司馬遼太郎著『街道をゆく- 檮原街道』より)




四国カルストは、愛媛県と高知県との県境にある標高約1,400m、東西に約25kmに広がるカルスト台地である。
山口県秋吉台、福岡県平尾台と並び日本三大カルスト台地の一つに数えられている。

大野ヶ原、五段高原、姫鶴平(めづるだいら)、天狗高原(標高1485m)へと、なだらかにつらなる山肌には、白い石灰石と擂り鉢状の窪み(ドリーネ)が、広大なカルスト地形を構成している。

「四万十川」は、四国カルストの東端に位置する不入山(いらずやま=1,336m)の1200m付近の南面に源を発する。

1964(昭和39)年、四国カルスト県立自然公園に指定された。