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太平洋沿岸を飛ぶ (39) - 高知市・浦戸湾

2010-03-01 | 四国


高知市は、浦戸湾奥に位置し、市域のほぼ中央を南北に浦戸湾が湾入、東から国分川、西から鏡川が流入し、市街地は鏡川によって形成された沖積低地に立地する。
古代、現在の中心市街の辺りは、浦戸湾の浅海で、『土佐日記』にも、紀貫之が現市城東部の、いまは陸地化している大津ノ泊から船出したことが記されている。

1601(慶長六)年、土佐に入国した山内一豊が大高坂山に高知城を築いて以来、県の中心地となっている。以来約270年間、山内氏が代々治めて明治維新を迎えた。

十五代藩主・山内豊信(容堂)は、将軍慶喜に大政奉還を建白して、幕府の幕を引かせるきっかけをつくったことでも有名な人物である。
そして、その献策をしたのが、土佐藩の後藤象二郎であり、この建白書の基本は、同じ土佐藩の坂本龍馬から出ていた。有名な「舩中八策」である。この坂本龍馬の新国家構想には、大政奉還をはじめ、議会の設置や金銀交換率の均一化など、その後明治政府が発布する五箇条の御誓文の条項がほとんど盛りこまれている。

近代日本の夜明けは、土佐・高知から始まったといっても過言ではないだろう。