STARLIGHT NIGHTS

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♪ サイトウ・キネン・フェスティバル2008 オペラ「利口な女狐の物語」

2008年08月27日 | 音楽(コンサート)
26日オペラの初日

○日時 2008年8月26日(火) 18時35分~20時45分
○会場 まつもと市民・芸術館
○プログラム
 ヤナーチェク 歌劇「利口な女狐の物語」全3幕
○出演
女狐ビストロウシカ : イザベル・ベイラクダリアン
森番 : クィン・ケルシー
雄狐 : ローレン・カーナウ
犬ラパーク : マリー・レノーマン
雄鶏 : 黒木真弓
蛙 : 前田正志郎(SKF松本児童合唱団員)
 *ソリストは要所どころ主な出演者のみ
合唱 : 東京オペラシンガーズ
児童合唱 : SKF松本児童合唱団
演奏 : サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮 : 小澤征爾
演出 : ロラン・ペリー

ヤナーチェクのオペラは2001年のイエヌーファ以来2回目。フィレンツエ歌劇場との共同制作で、今回は新演出。そのためか、7月下旬から長丁場で準備をしてきた模様。
開演前、舞台は幕が下りている。席は4階バルコニー席の最前列。ほとんど正面近いので末席ながらいい席ではないか。正面の柵がステージの視界にかかり、ちょっと残念。
チューニングで気づいたが、4階席ながら良い音が聞こえる。朝顔を真上に向けているチューバの音が生々しい。
開演し幕が上がると、簡素ながら自然を忠実に再現した舞台装置がある。それほど頻繁ではないが、場面ごと舞台が代わり、ステージ横から、上から、奥から・・・別の舞台装置が出てくる。市民芸術館のステージ機能をフルに使っていたようだ。
出演者のほとんどは動物・昆虫たち。ハエに扮したダンサーたちが華麗な(?)舞を演じる。話が進行する中、常に舞台上何らかの動物・昆虫がおり、視覚的にも飽きさせない。ソリストの歌手はどれも好演。特に森番役のバリトンが朗々たる歌声を聴かせていた。地元から選出された子どもたち・・・子狐役、蛙役などは、難しいチェコ語をうまくこなせていた。

今回対訳本やCDで予習しておいたのだが、それを踏まえて・・・。
第2幕の終結部、女狐ビストロウシカと雄狐が結婚するシーン。森の動物たちが祝福するのだが、もっと盛り上がってほしかった。この2幕終了直後、拍手の中、指揮の小澤氏が指揮台上で、何か確認するような感じでオーケストラメンバーに話しかけていた。そしてしばらくして袖の外へ・・・。演奏上、演出上何か不備があったのだろうか。(直感的にそう思ったのだけど)
あと、3幕の終結部(このオペラ自体の終結部)、森番が、以前出会った蛙の孫蛙に顔を合わせる。森番がびっくりして終わるのだが、ちょっと演出不足。この3幕自体も2幕までの演出より単調になっていた感もあったが…。
それはともかく、動物たちが出演者のオペラはそうはないかと思うが、人間界の物語と同時進行する筋立てながら、違和感なく楽しい舞台に接することができ、さらにヤナーチェクの抑揚感がある独特の音楽を堪能することができた。