STARLIGHT NIGHTS

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♪ クレーメル&ツィメルマン 世紀のスーパーデュオリサイタル

2007年11月22日 | 音楽(コンサート)
秋深し・・・
男ふたりのブラームス

○日時 2007年11月22日(木)19時05分~20時50分
○会場 松本市音楽文化ホール
○演奏 ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
    クリスチャン・ツィメルマン(ピアノ)
○プログラム
    ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調作品100
    ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調作品78「雨の歌」
    ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調作品108
 アンコール
    ニーノ・ロータ 映画音楽「甘い生活」
    フランク ヴァイオリン・ソナタ 第4楽章

現代の演奏家では巨匠的な存在のふたりの競演。
クレーメルは以前も音文に来たことがある。ツィメルマンは初めて。
ブラームスのソナタは秋深まった、ちょうど今頃の季節に合う。でも今年は秋の深まりが早く、もう雪の便りが聞かれている。
この演奏。ふたりの男の静かな対話・・・という印象。
もともとクレーメルの演奏は、美音で歌いまわすような弾き方はしないので、ロマン的な曲には似合わないと思うし、実際ブラームスの音楽には合わないような弾き方だ。それでも、第1番の第2、第3楽章はとても美しく奏でて、ツィメルマンとのアンサンブルも極上。特に第2楽章のアダージョでは、極限までテンポを落とし、すごい諦観のような寂しさを感じる・・・まさに秋深し・・・だった。
最後の第3番もなかなか良い演奏。情熱的なラストは印象的。
ツィメルマンのピアノは終始美音で、クレーメルとの駆け引きも絶妙だった。
彼は自前のピアノをツアーに持ち込み、調律師も同行・・・という念のいれよう。実は演奏中の譜面めくり役はその調律師なのだそうだ。

アンコールは、ニーノ・ロータの映画音楽から(クレーメルの弾き方から、こうした音楽の方がよく合う?)
全国ツアーのもうひとつのプログラムにあるフランクのソナタから。これはアンコールにはもったいないような情熱的な演奏だった。

この全国ツアーも明日の所沢での演奏会で終了。その後、軽井沢でのツィメルマンのリサイタルは中止になったそうだ。
ツィメルマンは来日前、事故で足を怪我をされ、体調万全ではなかったとのこと。このデュオリサイタル以外はすべてキャンセル。デュオはそれほど負担でなかったということで、決行されたそうだ。
そんなことは微塵も感じさせない演奏。舞台姿であった。
また機会があったらぜひ聴いてみたいピアニストであります。