goo blog サービス終了のお知らせ 

ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

エポキシ樹脂で遊んでみました♪

2008年05月08日 | ジュエリー作品&試作品

友人にリングの製作を依頼されたのですが、レリーフとなる部分に色を施してほしいと頼まれました。 (上記の写真は違いますよ。後述します。)色をつけるといったらエポキシ樹脂ぐらいしか思いつきませんが、一度も扱ったことがないので、実験用に凹凸模様のあるリングをCADで作ってみました。(すごい贅沢ですよね。エポキシ樹脂の実験用にCADで造形なんて・・・)


まだ表面はバレルしただけです。凹部分にホーニング処理を施し、凸面を鏡面仕上げすればそれでもう完成形といった感じです。

このCADリングで試す前に、エポキシ樹脂がどんなものか、さらに初めての練習用として要らないスクラップで実験をしてみることにしました。例の失敗してお釈迦になった可哀想な桜リングも、ちょこっとだけ磨いて実験台のお仲間に入れてみました。

桜の透かし部分にエポキシ樹脂を流し込んでみました。(当然、裏はオープンなので樹脂が流れ出さないよう、セロテープで目張りしています。)厚みにもよりますが、数時間で硬化します。樹脂の量が少なめなのでこの場合は表面は凹んでいますが、たっぷり盛って後からツライチに削ることもできます。




ちょっと仕事が雑で何なんですが、なんか意外と可愛いいかもです・・・。この色は樹脂の原色のままですが、混色が可能なので、色合いを調整すれば品のよいリングになりそうです。

ストーン以外の方法で地金に色をつけられると、またデザインの幅も広がって楽しいですね。

ただ、エポキシ樹脂ではなく、高級イタリアンジュエリーのような硬質で透明感のある”エナメル”を施す方法を知りたいと思い、必死にネットで調べているのですが、そうした素材や工法が見当たりません。

キーワードは、適度な透明感と、盛った後にやすったり磨いたり加工ができることなのですが、やはり”企業機密”なのでしょうか・・・・。
以下はドイツのジュエリーメーカーのものですが、究極的にはこんなテクスチャーの作品を作ってみたいのです。ハァ、美しいですね~。

WellenDorff社ホームページ(英語版)

工具屋さん、スクールの先生など、いろいろな人にもお尋ねしていますが、よくわかりません。ご存知の方がいらっしゃいましたらぜひ教えてください。(いつも”教えてちゃん”でごめんなさい)

   

元気になれるドロップピアス

2008年05月01日 | ジュエリー作品&試作品
天然石の連モノショップで、おいしそうな色の石に魅了され、用途も考えずに衝動買いした今流行りのブリオレットちゃんです。いくらなんでも石だけを撮影するのも無能かと思い、作品というのもおこがましいシロモノですが、取り急ぎピアスに仕立てました。  

葉桜をイメージしたこちらのピアスは、ローズクォーツとグリーンフローライトを使っています。



↑EOS Kiss X2で撮ってみました。
ホワイトバランスや露出を調整してもどうにもうまくいかず、なぜかすごく暗くなってしまいます。フォトショで明るさを調整しましたが、色合いが強く出すぎています。難しいよう。やっぱマクロレンズ要るか?


いつものRICHO Caprio R3。見た目どおりの淡くて優しいお色です。

お次は、これからの季節にぴったりな、バレンシアオレンジ色のイエロージェッドと、同じくグリーンフローライトの組み合わせです。



こちらもEOS。見たとおりの色が出なくて、フォトショで補正しました。
なんだかなー。イチデジって手間かかるなー。



こちらは、Caprio R3。見た目どおりです。
したたるような、おいしそうなオレンジシャーベット・カラーです。(^^)

オレンジ色って元気になれる色なので大好きです。私の一番好きな色なのですが洋服で着る勇気はないので、ジュエリーやスカーフで差し色として楽しんでいます。

くやしいことに、せっかくの初イチデジのEOS Kiss X2をうまく使いこなせないので、また勉強しなければいけないことが増えてしまいました・・・。

ブラックシェルと淡水パールのロングネックレス

2008年04月27日 | ジュエリー作品&試作品

桜リング・オシャカ事件ですっかり創作魂が萎えたROSEですが、そうそういつまでも凹んでもいられないっつうわけで、気分転換にちょっと寄り道をしてみました。

最近、TVや雑誌でタレントやモデルのファッションを見ていると、ジャラジャラっとしたロングネックレスやラリエット、大ぶりな玉のチョーカーネックレス使いがやたら目に付くようになりました。パールをカジュアルにアレンジしたものや、ペンダントとネックレスの二連技もよくお目にかかります。
貴金属の高騰のせいなのかな?というのは深読み過ぎで、おそらく、今風の小物使いのトレンドなんだと思います。

こうしたいわゆる”連モノ”、”組モノ”もれっきとしたジュエリー(またはアクセサリー)ですが、なんとなく、”作ろうと思えばいつでも出来る”的な感覚があって、とくに興味も持たなかったのですが、しかし、これが”トレンド”ということであればさっそく首をつっこまないではいられず・・・。(^^;

実は、私は連モノ・組モノは正式にはやったことがなくて、過去にたった一度だけ、独習でビーズのネックレスを作ってみた程度。


唯一無二のビーズ作品。
”キッチュ”つうか、まあありていに言えば安物アクセ。
やっぱ、ビーズは所詮はホビーの域を出ないわ。 

   

でも、古代の装飾史からいっても、玉と玉を繋ぐ『ネックレス』というのは宝飾の基本の基本なんですよね。ジュエリーの領域からないがしろにしてはいけないカテゴリなのです。

プロの真珠屋さんのような、ラグジュアリーな連モノが出来るようになりたい・・・。そんなわけで、本格的に連モノジュエリーを教える講座に行ってみることにしました。糸加工やワイヤーなど何種類かの工法をマスターすれば、ひととおり商品になる連モノができるそうで・・・。パールの糸替えなんかもできるようになる、とのことでさっそく申し込みました。

連モノお初作品です。Copyrightが入っていないのは、与えられた素材で作るという教習作品だからです。あまのじゃくなROSEの場合、お手本と全く同じにするのがイヤで、出鱈目に再構成したのですが、やっぱり胸を張ってオリジナルと言えないと思うのでレジェンドをはずしました。



玉を繋ぐのはやっぱりお約束の”9ピン”か?と思いきや、いきなり、『めがねつなぎ』という方法でした。めがねつなぎは、手間はかかりますが、9ピンに比べて強度があるので引っ張ってもそう簡単には切れません。高級ジュエリーに使用される繋ぎ方だそうです。ワイヤー巻き巻き、ワイヤー巻き巻き♪



もひとつ、楽しかったのが、”おまけ”の『ワイヤーワーク』。ブラックシェルの表面にシルバーワイヤーをまるめたり渦巻きをつくったりして装飾を施します。これがかなり楽すぃ~♪



ジュエリーCADも、ワックスほりほりも楽しいですが、なにより石好きな私としては、”組モノ”も今後注目していきたいカテゴリーです。

そうそう、このシェルネックレス、出来上がってから”ひとりファッションショー”をやってみたところ、意外といろいろなお洋服に合うんです。チュニックにジーンズのユル系ファッションにも、ごくフツーなニットアンサンブルにも、かっちりしたスーツの”イン”にも、ぴったりでした。

    


また失敗しちゃいました  ~ジュエリーCAD、磨き代に注意!~

2008年04月04日 | ジュエリー作品&試作品

先日お話しました、桜の開花に間に合わなかった、ジュエリーCAD作品その2です。
 
これ、正直申し上げると、失敗作です。(涙)
でも、ROSEのブログでは、うまくいった話ばかりでなく、失敗話も私自身への反省と戒め、そして二度と同じ間違いを繰り返さないためのつもりでご紹介しています。同じく勉強中の皆様にも参考になれば幸いかな・・。

     

上記の画像は一見、完成してそうに見えますが、うっかりはちべぇ、大きな忘れ物をしたまま造形に出してしまいました。

それは、ずばり、『磨き代(しろ)』です。

リングのエッジ(サイド)部分、うかつにも磨き代をまったくとっていませんでした。造形後の原型をみた先生曰く、0.2mmは最低でも取って置かないとね、って。ああ~、そうだった。

仕上げまでを前提としてCADの設計をする場合は、完成寸法(出来上がり寸法で作ってはいけないのです。磨きのときの地金の目減り分をあらかじめ余裕をつけてデータを作らねばなりません。さらにゴム型をとるときは、縮小分も考慮しなければなりません。
CADリング3作目にしてこの初歩的なポカをやらかしたかと思う我ながら情けない・・・。 造り慣れているプロなら絶対に犯さない初歩的なミスです。

そういうわけで、このまま先に進めても成功しないだろう、ということが容易に想像できたので、残念ながら実質的にボツです(涙)。
こういうことはCADのテキストに書いてないので結局は、口伝えのノウハウなんですよねぇ・・。要するに、磨きと石留め工程の職人さんが仕事やりやすいように設計しなければいけないと痛感しました。

 
   

手で作ったものをボツにすることを思えば、CADで作ったデータをボツにするのは物理的にあまり心が痛くないのですが、これが造形後ですと話が違います。

造形代はそれなりにかかっているので懐は痛いし、何時間もかけて切削していただいた原型なのでオシャカにするのはモッタイナイ。
なので、なんとかこの失敗原型を生かせる道はないか考えました。

てなわけで、ヘンシーンッ!(半ばヤケクソ)
上記のCADデータと何が違うでしょう?



磨き代うんぬんのことはもう忘れて、デザイン自体を根本的に修正した次第です。パーツの後付けって結構大変ですね。オリジナルのデザインと違う印象になっちゃいましたが、『リ・ボーン』(Re-born:再生)ということで、CADと手作りのガッタイ作。(^^; 

これでとりあえずキャストに出してみました。まあ、何事も経験ですわ!
このデザイン自体は気に入っているので改良アレンジ版でリベンジするつもりです!来年の桜の開花にはきっと間に合わせますぞ。(笑)

   

さてさて話は変わりますが、ジュエリーCADでは見た目になんとなくキレイにできて、デザイン上はつじつまが合ってしまうので構造上の欠点に気づかないことがあります。また、造形した原型を手に持ってみたら、CAD図面で想像していたより大きい・小さい・細い・厚いとか、なんとなくイメージしてたのと違う、という感じがあるという感想をCADスクールの他の生徒さんからうかがいました。

経験が少ないうちは、どうしてもこうしたコンピュータ上のバーチャルイメージとリアルオブジェクトの感覚のギャップがあると思います。私もまだまだしばらく失敗や反省の日々が続くのかなと思っています。

経験と技術の蓄積は重要ですが、一番大切なのは『焦らない』『慌てない』ということだということも成功のためのポイントでしょう。

クロスペンダントのときも慌てている状況でポカミスをおかしましたが、今回も桜の開花に間に合わせようと焦っていたのが敗因でした。(結局、間に合わなかったしぃ。)全く知らないならイザ知らず、先生に口を酸っぱくしていわれていたことをすっかり忘れていたなんて、自分の不注意の何ものでもありません。

どんな仕事でもそうですが、昔から戒めがあるように、急いだり焦ってするとロクなことはないということです。

   

急いては事を仕損じる
慌てる乞食はもらいが少ない
急がば回れ

   

桜珠 Re-Photo

2008年03月31日 | ジュエリー作品&試作品
時が経つのは早いもので、このブログを初めてかれこれ1年近く経ちました。飽きっぽい私が、よく続いたなと自分でも感心してしまいます。好きなジュエリー制作の話題がメインテーマだから続けられたのかなとも思っています。

食わず嫌いから、”ブログなんて私には無用のもの”だと思っていました。今は自分の作品や考えを発表できる素晴らしい場所だと感じています。ブログ開設を勧めてくださったラヴァーグの校長先生に感謝しています。

今まではただ漫然と我流に作って自己満足して終わり、作った作品も誰の目も触れずに引き出しにしまっていた自分が、つたなき作品ながらブログに公開することで、多くの方から暖かいコメントをいただくようになり、制作への取り組み方も変わり、さらに探究心が旺盛になった気がします。

その、1年前に初めてブログに掲載した作品のタイトルが、”桜珠(さくらだま)”でした。あの作品だけは誰にも譲らずに、ずっと手元に持っていました。技術的にはなんてことないのですが、オリジナルな一点物作品としては、『他に無い』という意味で、自分では満足のいく作品だったので、はじめてのブログ投稿に掲載した作品です。

初めてブログに作品をアップしたときの写真をもう一度ご覧ください。初めて手にしたコンパクトデジタルカメラで撮ったものです。メカ音痴が災いして、取説も読んでも用語がさっぱりわからないので、いろいろな機能があることも知らずにただ”Auto”モードで撮ったものですが、やはりいかにも難ありな写真ですね。 

上下の写真は、1年前と同じカメラで撮影したものです。(そのデジカメはいったん壊れましたが、直してもらって今も健在です。)そして撮影の小道具に使った桜の花も、去年と同じ公園の桜からいただいてきたものです。



カメラが苦手だった私にもこの1年で少しは進歩があったでしょうか・・・。



ずっとしまってありましたが、東京の桜が散る、来週末あたりから恵比寿のアリージュエリーさんに展示させていただくことにしました。また手元に戻ってきてほしい気持ちもあって、あえて誰も買わないであろうお値段をつけさせてもらいました。(笑)

花見シーズンは終わっても、この”桜珠”でもう少しだけ、春気分をお楽しみいただければ幸いです。

~早すぎた春~ 桜さんよ、今年は早いですのう

2008年03月27日 | ジュエリー作品&試作品

いやー、東京の桜も見事に咲いてしまいました。開花は平均より2日早い程度とのことでしたが、開花宣言から見頃になるまでがあっという間でした。上野公園ではもう7~9分咲きとのこと。おそらく、今週末から来週にかけてはお花見行楽のピークでしょうね。 

ROSEは大勢でワイワイやる宴会があまり好きでないので、今年もいつものようにツレと近くの公園の桜の木の下でワインを飲みながら本を読んで静かに過ごそうと思います。デザインノートももちろん持参ですよ♪

  

桜ってすごいですよね。同じ場所の桜の木はだれもフライングせずにみんなで『イッセーノ!』って一斉に咲きだして、『はーい、おしまい!』と一斉に散るのが、前から不思議だったのです。場所によって微妙にそのタイミングが違ったりするけど、場所ごとにリーダー格の木が咲くタイミングをみんなに合図して、すると隣の桜が『リーダーが咲けってさ』ってそのまた隣の人、いや木に伝える。桜の木は、きっとなんらかの情報伝達手段を持っているに違いない!

なぜ桜が(しかも同じ地域の桜の集団が)一斉に咲くか?なんて真剣に考え込んでるのは私だけだと思ったら、Googleで『桜 なぜ一斉に咲く』で検索したら、実にいっぱいでてきます。『ソメイヨシノは同じ遺伝子を持ったクローンだから』、などという説が有力のようです。(でもなぜクローンだと隣接した桜が一斉に咲くのかまだ私は理解できません。)

公園や街路樹の桜の多くはソメイヨシノですが、これは江戸時代に二種類の桜を交配させて作られたクローン植物で、自然に種ができないため自分の力では子孫を増やすことができないのだそうです。ソメイヨシノはたった1本の最初の木をルーツとして接ぎ木とかで人工的に繁殖させたので世界中のソメイヨシノの木はすべて血が繋がった親子。そして、ソメイヨシノの花は、まさに人の目を楽しませるためだけに咲いている。人は、かわりにソメイヨシノを接ぎ木で増やしてあげる。人とソメイヨシノは切っても切れない関係なのです。・・・・・はかなくてせつないお話でした。



いつもは、桜を見てから、桜モチーフで何かつくろうと考えるのですが今年は桜が咲く前に、桜にちなんだジュエリーを何点か仕上げるつもりでした。でも、いろいろと”別件”があって、とうとう間に合いませんでした。

ジュエリーCADで2点、あと1点は手作り中です。手作りはさすがに途中経過は見られたものではないのでとりあえずCAD作品から、完成してないけど、さわりだけ、ご紹介です。北海道で桜が咲く頃にはみんな出来上がってるとよいなー。(^^)

上の写真はそのひとつです。CADでさくっとつくりました。


ワックスの状態です。
鋳造が出来た頃にゃ、桜は散っておるわい。

このリングはデザイン的にも技巧的にも何の芸もないシンプルなリングですが、今回のお題は『色遊び』です。
色のない世界のシルバーに石以外で彩りを施してみたいと思いまして、エンボスした模様の回りにエナメル風に樹脂を流してみるという”実験のために作ったテスト用モデルです。

この程度の簡単なものでも規則的な模様で段差のあるものを手で作ろうとすると大変なんで、ジュエリーCADに助けてもらいました。
ジュエリーCADは、手作りだと大変な、正確な文字フォントとかロゴ、連続模様なんかを曲面に載せる作業は得意中の得意です。私の記念すべき初作もロゴ入りリングでしたしね。

今までやれなかった(やりたくても技術的に出来なかった)ことがCADによっていろいろ実現出来るようになり、いろいろ遊べて楽しさ300倍です。

  


春の予感♪ ピンクシルバーのお花リング

2008年03月03日 | ジュエリー作品&試作品
以前、ジュエリーCADでつくったリングを見た人から、今度は『このデザインで、ゴールドで作って欲しい』というリクエストをいただきました。(これまでもサイズ違いで何本かオーダーを頂戴いたしまして。。。。嬉しいです。)

ちょっと待てよ、金・プラチナの暴騰ぶりは皆さんもご存知の通り・・・・。

ジュエリーCADだと、体積やそれぞれの金属での重量までわかりますので、今の相場で計算してお値段を提示してみますと、

『・・・・・・。(沈黙) やっぱ、シルバーにするわ。金メッキかけてもらえるかな?』

やれといわれればやりますけど、個人的にメッキは好きじゃないのよね~。 かけたばかりのときは綺麗なんだけど、特に金メッキは時間が経つと、剥げたり変色してしまうので、いずれポイってことになる・・・。

てなわけで、ゴールドの代案として『ピンク・シルバーはどうでしょうか?』と提案してみました。人に提案しつつ、私自体、このデザインでピンクシルバーにしたら、どんな感じになるのか見当がつかないもので、”もし作ってみてお気に召さなければ、買っていただかなくても構いません”と言って、やってみることにしました。(ちょうど私の右中指と同じ号数だったので、気に入らんと言われたら私が貰うつもり・・・)

シルバーは、通常はジュエリーとして使う地金は、硬度・強度を保つための割り金として、銅やパラジウムを7.5%混ぜます。すると純銀率が92.5%、ということは、925/1000、つまり皆さんご存知のスターリングシルバー、Silver 925となるわけです。ピンクシルバーは、着色のために割り金の量を多めにして、銅を増やしたり金を混ぜたりして、やわらかなピンク調の色彩を編み出します。その割合は企業によって異なり、色合いも様々です。

私の依頼したキャスト屋さんでは、店頭に鋳造後のイメージがわかるサンプルがなかったので、冒険するしかありませんでした。し・か・も、地金代は、シルバーのなんと3倍!!!うひょー。たぶん、技術料もあるでしょうし、割り金に入っている金が高いからでしょうかね。
 
で、吹き上がったばかりのものをみたところ、一見、ピンクシルバーとわかりませんでした。『これ・・・あの・・・・。』店員さんがニタっと微笑みながら、『磨くとわかりますよ』と言うので期待に胸を膨らませつつ・・・・。

んーーー???   あ、、、あら?  か、かわ・・いい・・かも?

磨き上げて、シルバーと並べてみると明らかな色の違いが確認できました。ホッ。”ピンクゴールド”の派手なピンクのイメージが頭にこびりついていたのですが、ピンクシルバーは落ち着いていて温かみがあり控えめなお色です。
 


ほのかに、桜色に染まっているという感じの色味です。

指につけてみると、しっくりと肌色に良く馴染みます。ゴールドのような派手さはないけれども、シルバーとは思えないとてもエレガントで上品な印象です。この色味なら、お洋服を選ばないし、他がゴールドのジュエリーでもケンカしません。

友人にも無事に気に入っていただけました。むふっ。展示用と自分用にまた吹き増しした次第です。

(でもシルバーはシルバー。お手入れはきちんとしてくださいね。)


撮影モードを変えて、上下逆にしてみした。
光の種類や光線の加減で色合いが微妙に変化します。
(注意深い方は気づかれたと思いますが、
この2点、横から見たデザインを若干違えています。)

ピンクシルバー、マイブームな予感・・・・。(でも高い。)


シトリン&ブルートパーズの母子愛リング

2008年02月15日 | ジュエリー作品&試作品

自分の普段使い用に作ったお遊びリングです。
なんとなく、机に向かってぼんやりと思案していた時に、ふと、いくつかのルースがいつの頃からか使わないままホコリをかぶって放置され,
机の隅にころがっているのに気づきました。すでに長いこと”景色化”した光景であり、このままだといつかはこいつらは掃除機の餌食になるんだろうな・・・と思い、”救済”した次第です。



ただ、その辺にころがってた使い道のない石を使ってそそくさと作ったものなので、意匠もなにもありません。割り腕に適当に石座を配置して終わり、です。自分用のはいつも雑で手抜きです。自分ひとりで昼ごはんを食べるときはつい手抜きして前の日の残りものとか、インスタントラーメンで済ましてしまうのと似ています。



得に披露したいほどのものではないんですが、出来上がってからゆっくり眺めていると、お母さんが子供をおぶっているような姿に見えてきました。2つの石が寄り添いながら、光に向かって

「私たちはいつも一緒よ。何があっても二人で明るく生きていこうね!」

と言っているような気さえしてきました。うう、けなげな母子よ!



それにしても、お父ちゃんはどこへいってしまったんだろう・・・・。






幸せ2倍のクローバー・ペンダント

2008年02月08日 | ジュエリー作品&試作品
前回のハートに続いて、今回もごくシンプルなクローバーのペンダントトップを作りました。幸せの四つ葉もジュエリー界の王道シェイプです。


ふんわりハートが4つ並びました

ううっ、ありきたりすぎる・・・。簡単すぎてツマラナイ。
でも、ここで終わらないのがROSE POSY流。
ワックスをホジホジ裏抜きしながら、何か面白い趣向はないもんかと考えました。 お花に見えます?


クローバーペンダントの裏面
(どっちが裏でどっちが表だって?)


光をあますところなく集めて
石が最大限に輝きを放ちます

別アングルから見てみます?


ほのかな桜色が地金に映ります

このように石座を作らずに本体を石座がわりにする、”一体型”のフォルムは、最近ROSEのお気に入りの工法です。(コレとかコレもそうです。)

シンプルに見えるので簡単そうにみえますが、実は石座を作って本体に組み込むよりも一体型のほうが手間がかかるのです。ワックスモデリングの場合、キャスト(鋳造)するとワックス原型のサイズより微妙に縮小します。しかも縮小率は均一ではなくゆがみが生じます。なので、キャストあがりのままの状態では、必ずといっていいほど石は納まるところに納まってくれません。ここからは”磨り合わせ”といって、地金を削ったり爪部分をヤットコで曲げたりして、石が座るよう根気良く調整します。手作りならではの作業です。

このリバーシブル・ペンダント、ツンデレなカノジョにぴったりでしょう?オフィスではCOOLなお姉さま仕様(表)、彼氏とのデートではたちまち甘え上手のお姫様風(裏)

ON & OFF、1粒で2度美味しいペンダントです。



ダブルハート・ペンダント

2008年02月04日 | ジュエリー作品&試作品
もうすぐバレンタイン・デーですね。

日本では女性から意中の男性に告白を意味する贈り物をする日として定着していますが、西欧では男女関係なく、恋人同士、花やケーキやカードなどの贈り物をしあう日だそうです。アメリカでは、男性が日頃お世話になっている女性、それは彼女のみならず、たとえばお母さん、奥さん、妹、先生などに、ちょっとしたものをプレゼントする習慣になっていたと記憶しています。素敵な習慣ですね。

最近、知り合いに頼まれたオーダーのリングを仕上げ段階で失敗してしまいました。難易度も高かったのですが、とても気合をいれて時間をかけて作ったものだったので、落ち込みまくり、すっかり自信を失いました。

そういうときは、すぐに再作成にかかるとまたプレッシャーで自意識が過剰になりロクなことがないので、しばらく、テキトーに簡単なものを創ってゆるゆると遊ぶ時間を作って頭と心を鎮静し、エネルギーを充電することにしています。

その一貫として作ったのがバレンタインデーにちなんだ今回掲載の作品です。作品というのもおこがましいくらい、テクニカルには簡単なものですし、デザイン的にもその辺に売ってそうですよね?

上のオープンハートも下のソリッドハートも、動くたびに前後左右にスィングし、ハート・モティーフながら、甘くなりすぎず、クールでアクティヴな・・・そうですね、ガーリーなドレスだけでなく、カチっとしたスーツの襟元にも似合うデザインで作りました。(要するに自分がそういうのを欲しかっただけなんですが!)



とくに、下のハートは磨きがけっこう大変でした。あまりにツルピカすぎて、着ける人も指紋や脂の付着跡が気になってしまいそうです。
次に作るときは、テクスチャー(鎚目とかスターダスト)にしてみましょう。



自分の心に描いた好きなデザインを造形するのは実に簡単なことです。
しかし、誰にも好まれるジュエリーを創ることは、実に難しいと思います。

”息抜き”ジュエリーは、この後、まだ2作品続きます。


テクスチャー入りシンプルリング

2008年01月12日 | ジュエリー作品&試作品

今日は、わたしを悩ませる『巣』のおはなしです。

ワックス原型を地金にキャスト(鋳造)すると、時々、””という小さな穴が地金の表面にあいていることがあります。豆腐を煮すぎて小さいあなぼこができることを”巣が立つ”と言いますがあの巣と同じ意味です。針の穴のように小さいものから、ゴマ粒大の目立つものまでいろいろです。巣が出来たり出来なかったりは、いろいろな原因があるのでしょうが、原型制作サイドのミスとしては、地金の厚みにムラがあったり、ワックスの中に不純物が混じったりすると出来やすいようです。

キャストを発注して地金になったジュエリーが戻ってきたものを点検するときはいつもドキドキです。特に一点物として鋳造した作品は、やりなおしがきかないので、キャストあがりを見る時は緊張します。1つも巣がなくきれいに上がっていると、思わず、心の中で『よしっ!』とガッツポーツしてしまいます。
 
巣が出来ないようにするのはもちろんキャスト屋さんの技術と腕にもかかわってきます。最近は機械も性能が良くなったせいか、前ほどひどい巣は出来なくなったようですが、うまいキャスト屋さんでもたまーに巣が出来てしまうことがあります。
 
苦労して彫ったワックスが地金になった喜びも束の間、巣を発見した途端、一気に萎えます。楽しい仕上げの前に、憂鬱な仕事が増えるからです。小さな巣の場合は、磨きヘラで潰したり、表面を皮1枚削ってしまうなどでリカバリできますが、大きく目立つ巣や、地金の奥深くまで穴が貫ぬいているものは修復に苦労します。あまり大きい場合はあえて穴を広げてそれを埋めるための地金を別に用意して、穴の大きさに”すり合わせ”し、ロウづけして磨きなおすといったこともするのですが、その作業自体大変だし、シルバーの場合はロウづけしたロウ目が時間と共に目立ってくることがあるのであまりやりたくありません。 (巣穴のいい処理方法をご存知な方がいらっしゃいましたらぜひご教授ください!)

さて、写真のリングは特に目的があって作ったわけではなく、木目状にテクスチャをつける実験作として作り、そのテクスチャが地金になるとどんな感じになるか見てみたかったので地金に鋳造しました。しかしキャストから上がってみると目立つ部分に巣が!!穴は小さいので何とか修復できそうだと、地金を少し削ってみると穴がさらに大きくなってしまったので、たぶん深くて、しかも奥で範囲が拡がっているようです。

しばらく思案した結果、”リペア”はあきらめ、”リフォーム”することにしました。巣の部分をドリルで穴を開けて、リューターポイントで拡げ、キュービックジルコニアのメレを留めつけてみました。1個じゃなんか変なので2個配置しました。そしたら、あたかも最初からそういうデザインだったかのような、なんとなく良い感じになりました。

 

”巣入り”ジュエリーが、思わぬ怪我の功名で、”巣立ち”しました。

ジュエリー作りは毎回が冒険です。予想もしないいろんなトラブルに見舞われることがあります。キャストが完全に失敗したときはもう潔くあきらめもつきますが、一番痛い失敗は、うまく原型が出来てキャストも成功し、ピカピカに磨き上げて、さあ最後の石留めというときに石にひびをいれてしまったり、もっと悲しいのが石留めまで成功したのに最後の仕上げ研磨で不注意で石を傷つけて駄目にしてしまった時です。

大量制作している企業ならまだしも、個人で制作をやってる場合は失敗のコストロスはバカにならないので、作品の1つ1つが真剣勝負です。


ブルー・ハートのリング

2007年12月28日 | ジュエリー作品&試作品

またしてもROSE POSYの定番、”ぽってり・つるりん”リングです。

センターには、鮮やかなブルートパーズのハートシェイプのストーンを据えて、サイドに同系淡色のラウンドストーンをちりばめています。

『なんで、この季節にこの寒そうな色会わせ??』と思うかもしれませんね。でも、冬のワードローブには意外と白色が人気の色なのです。白は、雪や冬季の動物を象徴するのでしょうね。実際に試験的に白いニットにいろんな色のジュエリーを合わせてみたところ、ブルーがとても合うのです。白色が持つ、『清廉』『ピュア』『透明』『無垢』といったイメージにぴったりなのでしょうね。



さて、情熱的な芸術肌の男性や、ちょっとタカビで世間を斜に構えてみているようなインテリで個性派の男性は、自立心旺な”凛”としたCoolなたたずまいの女性にグラっとくるという人が多いそう。そうした男性を狙うなら、ピンクや赤といった女の子系の色よりも、寒色系コーデが決め手。でも、このぽってりリングを着けている人は、”アタシはデキル女よっ”という隙のないエリートイメージではなく、なんとなくほっとする、”ゆるキャラ”に見せてくれる、戦略アイテムです。






ローズ・ピンキー・リング

2007年12月27日 | ジュエリー作品&試作品

最近、オーダーをいただいたバラをあしらったピンキーリングです。
(本当はその女性の長くて細い指に着用した写真を掲載したかったんですけどね。)

その女性は、華やかで朗らかでいつも笑顔の素敵な方で、その女性の雰囲気を大切にしながらおつくりしました。なんとなくピンク色のルビーを入れてみたところ、差し色が入ったことであたたかな印象になったと思います。



小指はサイドまでよく見える指なので、こうした立体感のあるリングはアピール度が高いのです。飲み物のグラスやカップを持ち上げたり、さりげなく髪をかき あげたりしたときに、差し向かいの人からはリングへの注目効果もあいまって、その仕草がいやでも目にはいるんですよね。好意を感じている男性から見ると、 女性らしさや好感度が確実にアップしますよ。



ここのところ、しばらくピンキーリングが流行していますが、流行だからということだけでなく、小指のリングは手指全体を華奢にみせてくれるので、可愛らしさやエレガントさを演出したいデートの日にイチオシのリング・ポジションです。対向者の視線を少なからず感じることでしょう。

また、実は5本の指で一番使わない指でもあり、それゆえ鈍感な指でもあるので指輪の装着感があまり気になりません。男性で小指にリングをしている人がいるのもうなずけます。「仕事中は指輪が邪魔だからしないの」、という方も一度はお試しいただきたいものです。

ちなみに、右小指にするリングはお守り、左小指は願望達成の効果があるそうです。ついでに、ルビーは、持ち主を魅力的に輝かせたり情熱的で愛情豊かにするパワーを持ち、片思いの彼がいる人や難関な恋にチャレンジしている人が愛を実らせたり、恋愛中の人でも愛の喜びを倍増させる効果があるのだそうです。

実は、このローズピンキーリングを作ってみて自分も欲しくなってしまいました。
今更、ルビーでもなかろうと(笑)、「貞節」「忠実」「友愛」つまり、「これからも変わらぬ愛情で貴方に尽くします」という意味を持つガーネットを入れました。バラの巻き具合もちょっと地味目に・・・。



夢が叶うクリソプレーズのリング

2007年12月16日 | ジュエリー作品&試作品

こちらも以前に作ったリングです。私としては、とてもお気に入りでした。(というのはこの子は最近、めでたくお嫁入りしました!購入くださった方、一目惚れしてくださり、本当にありがとうございました。)

リングの腕部分は、ハンドクラフト感あふれる、木の枝をイメージした透かし模様、一方センターには、つるんとしたカボションカットのライトカラー・クリソプレーズをカッチリとふくりん留めで配しています。サイドにはアクセントにエメラルドのメレを爪留めしました。



こうした、ゆるりとした手作り感のあるテクスチャーは実は私はあまり使わないのですが、この網状の透かし模様、、ある宝飾作家の先生にご伝授いただいたもので、過去にはこんな作品↓もブログにアップしています。大ぶりながら、網目状の透かしゆえに、とにかく軽くて着け心地が良く、長く着用していても蒸れません。着物にも似合うデザインだわ、とご評価くださった方もいらっしゃいます。


”藤紫の誘惑” 

このクリソプレーズは以前、濃い目の緑色のバージョンの作品をブログでご紹介しましたが、今回は、ミルキーな感じのマスカットのような薄いグリーンの石を使用しています。

クリソプレーズは、パワーストーン的効果として、心を鎮静して精神を安定させると同時に、夢や希望に向かって前進していく力を強め、前向きな心と自信、勇気をもたらしてくれる石だそうです。

ちなみに、幅広のリングは、指を長く細く綺麗に見せる効果があります。
また、指と接する面積が増えるため、摩擦抵抗で指輪が回りにくいので、指の関節が太く、節にサイズをあわせると指輪が回ってフィットしない、という方にもオススメです。

かくいう私もいわゆる指の節が太いので、幅広は指輪のマスト条件。
過去作品をご覧いただいてもおわかりのように、腕の部分のデザインがどうしても華奢なものより、幅広系が多くなってしまいがちです。


~お知らせ~

私は、現在はまだ本職としてジュエリー制作を生業としてはおりませんが、希望される方には世界にひとつだけの1点物をお造りしてさしあげています。私の作風にご興味のある方はぜひご連絡くださいませ。
 
SPAMを避ける意味で、上記メールアドレスは画像となっております。恐れ入りますが間違えのないよう、打ち込みをお願いします。
お返事が遅れる場合もございますので、その際は、ブログのコメントに催促のメッセージをお願いします。(メールの内容が、セールスや広告、ジュエリー制作の方法等に関する質問などの場合は、お返事は差し上げられませんのであしからずご了承ください。。) 

制作活動は本業の傍らで余暇にゆるゆるとやっているので、シビアな条件のご注文はどうぞお近くのプロショップでご相談されるほうがよろしいかと存じます。

ROSE POSYおすすめの信頼おけるジュエリーショップ

    ALLY JEWELRY (東京・恵比寿)
       フルオーダーのご案内はこちら
       修理・リフォームのご案内はこちら




マニッシュなラヴェンダーキュービックのリング

2007年12月15日 | ジュエリー作品&試作品

おかげさまでブログを始めて9ヶ月目になりました。家計簿も日記も1週間も続けられない私が、更新頻度は少ないものの、それでも半年 以上続いたのには自分でも驚いています。しかも、ブログ効果か、いろいろな方から、ボチボチとオーダーを頼まれるようになりました。・・・といっても、ま あ知人・友人の域を超えないので、趣味の一貫と割り切って友情価格で作ってさしあげています。デザインから起こしていろいろと希望をヒアリングして作って あげると本当に喜ばれます。

そんなこんなで、今年のクリスマスまでに作らなければならないものが沢山あって、ブ ログ更新も自分の勉強もなかなか進みません。

さて、今日のご紹介は、ずっと前に衝動買いした、とても大きなスク エアカットのキュービックジルコニアの石のリングです。
(ワックス原型は数時間でいい加減に彫りあげたものなので、作りは雑です。あ まりジーッと見んといてください)  (^^;;



真横の写真がなくて残念ですが、石は上下の爪で留まっていますが、石の底(キュレット)の部分は地金から浮いています。つまり、その上下の爪はレール状になっていて、石のエッジを挟み込むようにして留まって います。
なので、上からも下からも、光が惜しげもなく石に反映され、虹色を帯びたラヴェンダー色の輝きを放っています。

石屋さんのフェアで、たった1個だけでハンパもんセールのように陳列してあったこの石を見たときは、「ウハー、こんなで かいCZどうするねん?」、と思いながら、光物に弱い私は、ダウンライトの下で怪しげにきらめくコイツに挑戦された気分になり、気づいたら手にしていまし た。

楽しく”料理”させていただきました。