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ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

ジュエリーCADで、憧れのパヴェ風リング

2007年12月05日 | ジュエリー作品&試作品
ついに行くとこまで行っちゃいました!
手作業では原型を作ることが難しかった、パヴェ風爪留めのリングをジュエリーCADで作りましたので、ご報告です。(パヴェリング自体はかなり前にやった課題だったのですが、仕上げが延び延びになっておりました。

(1)こちらが、CADの図面です。


(2)Perspective画面の拡大


(3)地金の仕上りイメージはこんな感じ


(4)CADデータを元に、CAMの切削機でワックスを削りだします。
  (切削作業は、早川先生にお願いしました。)


(5)キャスト(鋳造)したばかりの地金。おお!(3)と同じだ!


(6)研磨後、石留めして完成です。


こんなに隙間なくギッシリ石のある爪留め、しかも共留め(1本の爪で同時に2つの石にかかるようにして留める)は初めてだったので、悪戦苦闘の超失敗作品です。でも、遠目に見れば、キラキラで誤魔かされてパヴェと思ってもらえるでしょうか。 

商品の場合は、爪留めは石留め職人さんにまかせるべきですね。でも、とにかく一度は自分でやってみたかったんで、全部留めて気が済んだし、要領もわかったのであと何個か練習すれば、まともなのが出来そうかな。

実は途中、ワックスの状態で磨くときに、0.7mmの爪に不用意に触ってしまい、ボキボキ折ってしまうなど、紆余曲折あったんですが、最後まで自力でやったことに大変満足しました。

本式のパヴェは、地金から洋彫りタガネで1本1本爪を彫って起こして石を留め、爪以外の地金をすべて彫り払うという大変な作業です。爪留めは略式といえますが、それでも地金に1本1本ロウ付けで爪を立てる作業は大変な熟練と労力が必要です。

CADの威力と限りない可能性を実感することができた作品でした。


甘くてラブリーなハートのペンダント

2007年11月20日 | ジュエリー作品&試作品
まだ11月なのに街はもうクリスマスムード。紅葉シーズンを飛び越えて一気に冬が来てしまったようです。
寒くなると急に動きが鈍くなり、脳が冬眠モードになる私(熊か!)制作活動のブログはしばらくご無沙汰してしまいました。

今日の作品はパーティシーズンに合わせたとっておきの一品です。
インカローズ
のハート型の石が可愛かったので衝動買いしましたが、このまま石枠をつけても芸がないなぁと思い、その面積と平坦な形を生かして、上からデコラティヴなフレームを作ってかぶせてみました。(爪は裏側にあります。)


真ん中のストーンはCZです。

せっかく、ロマンティックな感じになったので、バチカン部分も優しい雰囲気にしてみました。ゆらゆらと大きくゆれるローズ色のハートペンダントの完成です。

今回は地金にロジウムメッキをかけました。地金が酸化して黒くなった場合にシルバー専用洗浄液につけたり、超音波洗浄器にかけてインカローズが大丈夫かどうか心配だったからです。いぶし仕上げもちょっとイメージがかわってしまうかと思ったので、ロジウム仕上げにしました。ロジウムの白い冷たい輝きが青みのあるピンクに合うような気がします。


けっこう大ぶりです。

胸のあいたドレスに、太めのベルベットのチョーカーや、最初の写真のようなオーガンジーのリボン、あるいはベビーパールのネックレスに通して、首ぴったりにつけるもかわいいと思います。

マルチカラー・ストーンの伏せ留めリング

2007年11月06日 | ジュエリー作品&試作品

実はコレ、『作品』ではなく、かなり前に『伏せ込み』という石留めの練習台のリングです。ブサイクさもご愛嬌で記念にとっておくことにしました。

伏せ込み』とは、地金に石が埋まっているように見える石留めの方法です。爪がないので、ひっかかりがなく、シンプルな雰囲気に仕上がります。”チョコ留め”と呼ばれることもあります。

『練習なのだから、石は大きめのほうがやりやすかろう』と、4mmの石を使ってみたらこれが失敗のもとでした。伏せ込みは石が大きくなるほど難しいです。(・・・ということは後で知りました。)。無謀でした。・・・てか、よく石が割れなかったものだと思います。もうやりません。(笑)

石は全部で10石使っており、キュービックジルコニアの白、ピンク、ラベンダー、赤、オレンジ、天然石はアイオライト、ペリドット、ブルートパーズです。

石によってカットやプロポーションが違うので、ある石は地金ときれいなツライチにつるんと留まったり、またある石はなかなか留まってくれず、大苦戦でした。格闘の末、『ついに完成だ!』と超音波洗浄器にいれた途端、あえなく石落ちポロン(号泣)という感じで、やっとこさ、かろうじて全部の石が留まりました。(見た目はさておいて・・・)



なんか、ポップでキッチュで、夜店で売ってるオモチャの指輪みたいですねー。(笑)



~透かし珠シリーズ~ 花模様の珠ペンダント

2007年11月06日 | ジュエリー作品&試作品
”透かし珠”シリーズです。

◆これまでご紹介した作品◆
桜のペンダント ~桜珠(さくらだま)~
た~まや~♪ 花火柄の珠ペンダント

今回は、四弁のお花+ドット模様です。
これまで考案した模様は限りなくありまして、まだまだこのシリーズの展示は続けられそうです。 

ちなみに、誰でも考えそうな”地球”も作ってみましたが、見た目がまったく可愛くなく、ボツ決定!<鋳造するまでもなく、握りつぶし>でした。この球形には、同じ模様がランダムに配置されているのが可愛い、という結論にいたりました。 


ボリュームはありますが、とっても軽いです。


シルクコードで大人の雰囲気に。

でも、この透かし珠、大変な時間をかけて作る甲斐がないんです。厚さ1mmも無い薄い中空の球にランダムに模様を切り出していくという、非常に根気のいる手間のかかる作業なので、量産品としての”商品”展開は難しいです。珠をパーツに分けることで量産で似たようなものを作ることは出来ますが、どこかに”継ぎ目”を作らざるをえないので、まったく模様のニュアンスが異なってしまいます。

筆者も珠シリーズを自分でも常時着用しており、手前ミソながら、沢山の方からその意匠のユニークさに注目していただいて気をよくしており、おかげさまでオーダー制作の依頼も時々いただいてます
しかし、手間を考えると採算は度外視せねばなりません。模様彫りに没頭するという、私個人の楽しみとして作っているにとどまっています。

しかし、『同じの欲しいワ~!3000円くらい出せば作ってもらえます?』、って気の抜けちゃうようなことをのたまうオバチャンもいます。こちらの希望価格を伝えると、のけぞって、『そら、高いワー。シルバーなのに何でそんなにするん?ほな要らんわあ。』って、あのう、露店の安売りシルバーじゃないんだから、勘弁してぇな~

もし3000円で売ったら、材料費やキャスト代を差っ引いて、総制作時間で割ると、私の”工賃”は時給30円そこそこってことに?!いまどきの日本でそんな低賃金の仕事はないっつーの!オバチャン、ジュエリーメーキングつうのはね、1個1分でチャッチャッ、みたいな組み立て作業とちゃいまんがな~。



大人の女性のためのクロス・ペンダント 

2007年10月18日 | ジュエリー作品&試作品

以前、CADデザインのブログで、”チラ見せ”でご紹介させていただいた、ロマンチック・クロス・ペンダントの完成版です。おっと、これはCADから造形したものではなく、手描きのデザインから、ハンドメイドでワックス原型を作ったものです。 結局、CADは描画までしただけでおしまいです。

センターのストーンは、ガーネットです。
上の写真は、いぶしを入れない白い仕上げです。それはそれでエレガントで可愛いらしい雰囲気ですが、ここはあえてあえていぶし仕上げを施して、シックな印象にしてみました。




これから秋が深まり、黒やワインレッドのセーターにぴったりのクロスです。

私が、シルバーが最も美しいなと思うときは、いぶし仕上げをしたときです。いぶし仕上げは古美術仕上げとも呼び、深い陰影と独特の味わいがもたらされ、まさにアンティークな落ち着いた雰囲気になります。 

シルバーの地金の色は温かみのある明るい銀色です。メンテナンスが楽になると言う理由で、最近はロジウムメッキをかけることが多いシルバージュエリーですが、ロジウムメッキの色は、どちらかというとステンレススチールの色に近い、クールで青っぽい銀色です。

実際にメッキ有り/無しを2つ並べて比べてみないと違いがよくわからないと思いますが、以前、ロジウムメッキをかけた作品をみた友人に『これって本当にシルバーなの?でもこんな大ぶりなプラチナはありえないし・・・。』と聞かれたことがあり、どきっとしました。色の違いがわかる人はわかるんだなぁと思いましたね。

メッキあり、なし、どちらがいいかは人の好き好きだと思いますが、明らかに印象が変わってしまうので、私は作品ごとに、ロジウムメッキをかけるべきかどうか注意深く検討することにしています。

シルバーにロジウムメッキがかかってないと商品価値が低いと考える人もいますが、私の考えはその逆です。個人的にはシルバーの地金の色が好きですし、ティファニーやジョージ・ジェンセンなどの老舗ブランドのシルバー商品を見ても、メッキがかかっているものを見たことがありません。メッキがかかったものは所詮、使用中にぶつけたり磨耗することで、傷がつき、いつかは剥げます。経年劣化を避けられず、永年の使用に耐えられないのです。
一方、メッキがかかっていなければ、小傷くらいはポリッシュクロスで新品同様に綺麗になりますし、お手入れ次第でずっと買ったときのままにしておくことも、または、そのままにして味わいのあるジュエリーに”育てる”こともできます。
長く愛用し続けたい(愛してもらいたい)ジュエリーこそは、メッキをかけるべきではないと思っています。



ミルキーなハートのムーンストーン・バングル

2007年10月12日 | ジュエリー作品&試作品

ラ・ヴァーグのジュエリー展示会出品作品からのご紹介シリーズです。

ハート・シェイプのカボションカットのムーンストーンをセンターに配したオープン・バングルです。ムーンストーンは、私の大好きな石のひとつで、日本女性のお肌を綺麗に見せる石のひとつだと思っています。写真ですと、後ろが透けて見える感じですが、光線の加減でムーンストーン独特のシラー(閃光)が現れて幻想的な雰囲気です。

サイドにはオレンジ・ムーンストーンをあしらいました。シャーベットのような優しい色合いですので、肌馴染みがよく、どんな色のお洋服をコーディネートしてもうまく親和して、邪魔することがないと思います。上の写真はピンクと合わせていますが、試しに黄色を置いてみましょうか。



さて、オープン・バングルは、サイズ展開が難しいアイテムです。
通常、市販品は誰でも入るよう、アキを大きめにとるので手首の細い方は、着けている最中にスポっと抜けて落としてしまうことがあります。私もお気に入りのバングルを落とした苦い経験があるので、造るときは、ややアキを狭めにして押し込むように着用するくらいにしています。よく高級品などにチェーンがついていたりしますがあれって片手で着けづらいし、何だかかっこわるいと思うので、脱落防止のためのなにかいい意匠を考えようと思っています。

さて、この作品は、私の手首サイズ(細め)にあわせましたので、ピッタリ合う方だけがこのバングルを手にしていただけるシンデレラ姫です。(笑)


~お知らせ~ 

展示会に出展させていただいた作品の一部を引き続き、ALLYジュエリーさんに展示販売していただけるとの嬉しいお話を頂戴いたしました!このブログでご紹介している作品もあります。ぜひ機会がありましたら、お足をお運びいただき手にとってご覧いただけましたら幸いです。なお、売り切れている場合もございますが、物によっては再制作が可能なものもございますので、もしご興味がありましたら、お客様のご連絡先(emailアドレスでも結構です)をショップスタッフの方におことづけください。わたくしより折り返しご連絡させていただきます。



ハンマー・テクスチャーのハードなバングル

2007年10月10日 | ジュエリー作品&試作品
ラ・ヴァーグの展示会は無事終了したようで、ALLYジュエリーショップの皆様、本当にお疲れ様でした。そしてこのような機会を与えてくださいましたことに感謝しております。ありがとうございました。

目ざとくみつけてしまったのですが、さっそくラ・ヴァーグさんの生徒作品紹介ページで私の作品を紹介していただいていました。大変光栄です。ますます励みになります♪

さて、大イベントが終わってほっとする間もなく、また新しい作品のデザインに取り掛かっています。(CADは中途になってた課題に戻りま~す。)ネタができるまで、展示会に出品した作品を少しずつ紹介させていただきます。



冒頭でもご紹介したのは、鎚目(つちめ)模様のバングルです。槌目というのは、ハンマー(金槌)でタガネをつかって叩いていくと、へこんだところがこういう模様がつくことからそう呼ばれます。

実際には、これは彫金技術ではなく原型をワックスで作っているので、リューターでラウンドポイントでこそげとるようにしてテクスチャーをつけています。光の加減によって模様が織りなす陰影が味のある効果をもたらしています。

ハードなイメージなのでメンズ用という感じですが、これは女性サイズで作っています。1点ものなのでしっかり厚みをもたせ、重厚感があります。裏抜きもぺらぺらになるまで抜かなくてよく、地金たっぷり感を出せるのがシルバーならではの魅力ではなんですよね。
この幅でメンズ、その半分の幅でレディスを作ってペア展開しようかと思っています。


秋の香... キンモクセイのセット・ジュエリー

2007年10月06日 | ジュエリー作品&試作品
いよいよ、ラ・ヴァーグ秋のジュエリー作品展示会がはじまっています。展示会は、10月8日(月)まで開催されています。東京近県にお住まいの方はぜひいらしてください。ALLYジュエリーのあきさんによる秋らしく美しい彩りの素晴らしいディスプレイも必見です。
>>ご案内はこちら。

さて、わたくしは初出展ですが、CADでデザインしたジュエリーをメインに出品させていただきました。他にもハンドメイド作品も出しましたが、今日のブログは、CAD作品を中心にご紹介していきます。


設計データ


完成イメージ表示


完成したリング作品

展示会が10月に行われるということで、この頃に咲く秋の花をモティーフを選ぶことにしました。

キンモクセイ(金木犀)です。

だいたい10月頃に開花し、1つ1つの花は大変小さくて地味ですが、強い芳香で秋の訪れを知らせます。ここ東京でもそろそろ香りがたつ頃かな・・・?

リングは、11号を元に原型を作り、ゴム型にしてから、9号、13号のサイズ違いも展開して制作しました。今回リングだけのつもりだったのですが、興が乗ったのでお揃いのペンダントトップも作ってみました。


ペンダントトップ(プレーン)

ペンダントが完成すると、さらに欲が出てきてもうひと頑張りする気になり、このデータを元にアレンジして、石付きバージョンも作ってみました!!


ピンクCZバージョン


ブルーCZのバージョン

出品締切日のギリギリ前日の深夜に石留めを終えて、無事に出展にこぎつけることが出来ました。 写真はそれから大急ぎでいい加減に撮ったのでちょっとイケてませんが・・・。

 
セット使いでいかがでしょう?

モティーフはお花ですが、ちょっぴりマニッシュな要素を入れて甘すぎず、飽きのこないデザインを目指しました。幅広い年代の方につけていただけると思います。

こういうデザインは、CADを知らなかったら絶対に考えていなかったと思います。

自分のペースでテキトーに作るのと、展示会用として大勢の人様に見ていただくことを考えると、本当にすべての工程が真剣勝負でした。でも、種明かしすると、CAD設計の最終段階でトラブルに見舞われ大変苦労しましたが、随分と先生にレスキューしていただきました。
ありがとうございました!



アイオライトのクラシックなお花リング

2007年09月28日 | ジュエリー作品&試作品


ようやっと、展示会用の作品のキャストがあがってきました。
こんな、ブログ書いてる場合じゃないんですけど(笑) 
夜は音を出せないので、週末に頑張ろうと思います。

というわけで、お茶濁しに?、またまた懐かしい過去作ジュエリーシリーズです。

アイオライトという石をセンターストーンに配置した、彫金リングです。メレの石座のパイプも爪となる丸線も、金の角棒素材からせっせと引いて作りました。それらのパーツを1本ずつロウ付けして・・・。今じゃ、気が遠くなるようなプロセスです。こんなオーソドックスなデザイン(ちゅうか、メレーの取り巻きリングって古臭いですね)のリングは、もうあまり作りたいとも思いません。いい思い出という感じです。

アイオライトは不思議な石で、角度によって実にいろいろな色にみえます。下から見るとふっと無色透明だったりするのです。

まだ、ゴールドものはあと数点手元にありますのでおいおい・・・。他はみんな誰かにあげたり、欲しいと言う人に売ったりしてしまい、残っていないので、今残っているのも失くさないうちに記念にブログにおいておこうとおもっています。


パール&アメジストのゴールド・リング

2007年09月26日 | ジュエリー作品&試作品


写真をちょっといつもより大きめにしてみましたら、やっぱり、かなり恥ずかしいですね。

『懐かしのおもいでジュエリー』シリーズ続きです。これも、かなり初期の頃の、しかも"ゴールド・デビュー"の作品です。初めてのゴールド作品なので思い入れがあり、かなり使い込みましたが、まだパールのテリが綺麗に出ていてよかったです。

これはまだワックス・モデリングを始めていなかった頃でしたので、
つまり、K18ゴールドの”延べ棒”から、トンチンカンチンと叩いて、ヤスリで甲丸状に削り、石座と真珠用の芯をロウ付けして作ったものです。着用性を考えて裏は少し抜きましたが、ほぼ無垢に近く、ずっしりと重厚感があります。

ただの角棒状の金地金を何度も火でなまして、叩いてこのような形にしていくのはとても骨の折れる作業ですが、『彫金をやっとるだー!』というダイナミックな気分になります。そして、サクサクと気持ちよく削れる感じと、汚らしい色の地金が磨きこむうちに、どんどんゴールドの輝きを帯びていく過程がとても楽しく、という素材の素晴らしさに陶酔したものです。


ワックスで原型を作ることを覚えてからは、こんな贅沢な地金の使い方はもうできません。 しばらく猿のように嬉々として金を削ったり叩いたりしてましたが、経済的理由で”ゲージツ家気取り”も長くは続きませんでした。

今はラクすることばかりを覚え、思えば、もう、メタルからリングを作ろうといったエネルギーが失われつつありますが、金属と一対になって額に汗する作業は、無になり、心を解き放ち、魂を昇華させ、完成時にはえもいわれぬ充実感があります。ワックスで軽作業になった今ではけして味わえない、忘れられない感覚なのです。


懐かしのTiffanyスタイルのゴールドリング

2007年09月25日 | ジュエリー作品&試作品


最近制作したジュエリーを撮影したついでに、かなり前に作った、懐かしい習作リングたちの写真を遊び半分で撮りました。恥ずかしながら記念にアップしときました。さんざん使用した後の品のため、傷だらけです。

前にも書きましたが、私のカメラは致命的な”癖”があります。強い色や光に出遭うとピントが狂ってしまい、ダイヤのキラメキ感や透明感が綺麗に撮れません。ホワイトダイヤとルビーのような赤いファセット石はからっきしダメです。紫色も上手に再現できません。腕が悪いのをカメラのせいにして恐縮ですが、マニュアルでいろいろ細かな調整できないところが、やはりバカチョンカメラの限界だと思います。高性能のデジカメが欲しくなってきましたが、何かテクニックで上手に撮れる方法がありましたら、ぜひ教えてくださいませ。

話はリングに戻りますね。Copyright(C)がついていない理由として、正直に申し上げますと、ティファニーのデザインリングに似せて作ったものです。このモデルは今は絶版になっているようです。この頃は、ひたすら女性雑誌を見て流行のジュエリーのスタイルを模倣することで、いろいろな技術を習得していました。

ご覧のように、ダイヤの一部のエッジが露出しているのがこのデザインのポイントです。また、石と地金がツライチではなく、ふっくらした腕がセンターストーンに向かってゆるやかな窪みになっていく繊細なラインを描いています。難易度の高い伏せ留めでしかも硬いゴールド。未熟者が、練習がてらにこのデザインに挑戦したのは無謀でした。石がなかなか留まらず、ガンガン地金を叩きまくり、セッティングにかなりてこづったのを今でも覚えています。

さて、この作品(18K)は、石留めに苦労しただけに愛着があってしばらく着用したものの、元々あまりゴールドが好きではないので、永らくジュエリーボックスにお蔵入りとなりました。今、久々に取り出して見ると、(いちおうポリッシュクロスで表面は磨きました)金ってこんな濃い黄色をしていたっけ??最近のゴールドジュエリーに比べて、かなり、色みが強い気がします。ゴールドの色にも流行があるのでしょうか。それとも経年変化があるのでしょうか。
その辺に詳しい方、おしえてくださいませんか?


コンケイブカット・グリーンアメジストのペンダント

2007年09月13日 | ジュエリー作品&試作品


逆涙型のコロンとした、ペンダントトップです。
とくにモチーフとなったものはないのですが、シルバー独特の地色を活かしてコスミックなイメージで、遊び感覚で作ってみました。

センター・ストーンは、『グリーン・アメジスト』です。アメジストはご存知のように通常は紫色なんですが、こんな淡いミントグリーンのアメジストもあるのですね。トリリアント・シェイプです。この石の形がなかなかデザイン的に使いにくいのです。POPな感じを出すために、あえてアシンメトリーな配置にしました。

この石、カットが変わっていて、”コンケイブ・カット”という、石の裏側にかなり細かい高度なカットを施しています。(concaveは凹面、くぼみの意。)このカットにより、クリーンな透明感を保ちながら、奥からキラキラと放射状に輝くという面白い光の効果を演出しています。

センターを衛星上に囲んでいる小さな石は、ホワイトCZ、ピンクCZ、ブルートパーズ、ガーネット、グリーンクォーツです。いずれも伏せ込みで留めました。


~右側~


~左側~


~裏側~


もういっちょ。
大きさはこんな感じ。

『銀の一葉』 ~リーフ・モティーフ・ペンダント~ 

2007年08月15日 | ジュエリー作品&試作品

石はクリソプレーズ(緑)カーネリアン(赤)

今日のお題は、葉っぱのモティーフです。 

このデザインにヒントを与えてくれた小さな思い出があります。

かなり昔のある夏の日、公園の木陰で小さい女の子がおままごとをしているのを見かけました。葉っぱの上に何かしら赤や緑の小さな実を乗せて、『さあ、おやつにしましょうね』とお友達に配っていました。

少女達の小さな手のひらに”色鮮やかな木の実をのせた葉っぱ”、という情景がなんとも可愛らしく印象的で、しばし見入ってしまいました。写真に取ったら絵になる構図だなと思いました。今となってはいつどこで見た光景なのかも思い出せません。

最近、むしょうに葉っぱのモティーフでジュエリーを作りたいと思い、デザイン画を描いていたときに、ふとあの夏の日の記憶が呼び覚まされたのです。

インスピレーション”とはおもしろいものです。ある物を見て直接的にインスパイアされることもあれば、心の奥底に眠っていた記憶に突然導かれることもあるのです。
 
両面ともしっかり磨き込んで、リバーシブルタイプにしました。実はこの凸面のスタイルがオリジナルのデザインだったのです

 

熟れた実には赤いめのう(カーネリアン)、まだ青い実はクリソプレーズを使いました。どちらも光線の加減で透けて見えます。みずみずしい紅緑の石の色が鏡面仕上げしたシルバーに映りこむ表情も楽しいかと思います。



チェーンのかわりに、細い革紐やヘンプ紐を幾重かに巻いてナチュラルな雰囲気のペンダントにしてもよさそうですし、石と同色のリボンや、クリソプレーズやカーネリアンの小さな丸珠でつくったチョーカーを合わせても可愛いと思います。おそろいの指輪もつくろうかな。


ロマンティック・クロス・ペンダント (ジュエリーCAD)

2007年08月08日 | ジュエリー作品&試作品
ある人に、『ROSE POSYさんのブログにある作品はみんなご自分のデザインですか?』と聞かれました。はい、断り書きがない限り、私のオリジナルでございます。いわずもがな、ROSE POSYのブログ発表作品は、
Copyrights ©  2007, ROSE POSY All rights reserved. 
でございますでするよっ。(著作権はROSE POSYに帰属するので無断で使用・転用しないでくださいという意味)
え?こんなクソデザイン、誰がパクるかって?ふんっーっだ。


さてさて、CADレッスンはしばらく自習モードが続いています。

Rhino(ライノ)には、まだまだ未知のコマンドがたっくさん並んでいます。まるで宇宙の中に漂って無数の星を眺めているような感じです。結局、知らないコマンドは使いようがないので、ラ・ヴァーグさんで習得したコマンドだけで、自分の作りたいデザインに挑戦中です。

まだできることが限られているので、デザインも限定されてしまいます。次々と起こる、ソフトウエアの挙動不審、謎のトラブルの対処方法もまだよくわかっていません。(だから学校に来てるんじゃー)

以下のクロスのトップは、先日手作りでつくった作品をCADで製図したものです。手作りの方のクロスはほぼ完成してるのですが、まだ、いぶし仕上げが残っているので、これは追って出来次第アップします。

 
いちおう、チラ見せ。(^^;
このままでもいいんだけどね。
燻したほうが絶対いいはず!

なぜ、手作りで作ったものをまたわざわざCADにしたかというと、
手作りに比べてCADは楽なのか、あるいは大変なのかを体感してみたかったからです。



  
実は寸法を間違えて作ってしまった。(後で直しました。)


復習として、ハートの抜き穴つきの
石座を配置しました。
ファセットカットの石をセットします。


ペア物にしました。
左がメンズ約4cm、右がレディース3cm。
石の大きさはどちらもあえて4mm。

メンズものをベースに、スケールを縮小したレディス・バージョンを造り、その時、石座も縮んでしまうので、メンズを作るときにコピーしておいた石座パーツを付け直しました。プラモデルみたいで楽しい♪

しかし、しっかり最初にパーツのサイズやバランスを決めておかないと大変なことになります。オブジェクト同士を結合(bool)してしまった後では、パーツをひっぱがして作り直そうとしても、うまく復元できません。論理的には出来そうでも、コマンドがいうことを聞きません。ちゃんと予測どおりの結果にならないのがCADソフトのもどかしいところです。

このクロスに関して言えば、手で作るより、CADのほうが時間かかりました。慣れてないこと、相次ぐトラブルで炎上し、修復にかなり時間を費やしてしまったからです。でも、正確さと出来上がりの綺麗さは、CAD+自動切削機にはかなわんでしょう。あと、2個目のレディース用は、ものすごく簡単にできましたから、サイズ違いで2個以上作るとしたらCADの勝ちかな。

失敗の教訓として、以下のことを肝に銘じました。
  1. いきあたりばったりに画面上でデザインせず、まずはペーパーデザインを描いてからはじめること。(寸法もメモする!)

  2. パーツの結合や抜き(bool)は最後の最後、もう絶対いじらないぞ!と覚悟したときにやること。

  3. 結合する前に別名でファイルをセーブしておくこと。そうすれば、最悪の場合、そこからやり直しのしようもあるわけなので。
あとは、経験が足りないなーと思うのは、CADの描画から、実際にワックスに切削可能なんだろうか?キャストが流れるか?石が留まるんだろうか?といった出来上がりのイメージがよくつかめないのです。
これは、実践を積み重ねて体得するしかないですね。



やさしい果実色で愛を呼ぶ?! オレンジムーンストーンの夏リング

2007年08月04日 | ジュエリー作品&試作品
久々にゴールドの作品です。
元気になれそうなリングが作りたくて、夏っぽいイメージということで、オレンジムーンストーントルコ石を合わせてみました。


割り腕で、涼しさを


”花ふくりん”でメインストーンを包む

オレンジブルー?しかも半透明不透明という、一見合いそうもない取り合わせですが、いろいろな石同士の色あわせをしていたら、この組み合わせが偶然に意外にしっくりきたので、ご縁組みがめでたく成立したのでした。

トルコ石の方が色味が強いのですが、淡い色のムーンストーンがトルコに負けないよう、メインストーンとサイドストーンの石の大きさのバランスと位置に配慮しました。

こんな風に、独りでくだらないゴタクを並べながら、石と戯れるのも、Stone Loverにとっては楽しい時間です。

石といえば、パワーストーンとしての効果も気になりますね。異なる効果の石を組み合わせるとどうなっちゃうんでしょうね。相殺されるのかしら、それともシナジー効果をもたらすのかな?!


★オレンジムーンストーン (Orange Moon Stone)

未来を予測したり嘘を見破るパワーをもつとして、聖なる石、神秘的な力を持つ石として古くから世界中で装飾・美術品に用いられてきました。また恋愛を呼ぶ幸福の石として、片思いの恋を成就させるとか。心を癒し、緊張を解きほぐす効果もあるそうです。ムーンストーンの特性にプラスしてオレンジの色が明るく活発なエネルギーを与え、恋愛運をアップし、豊かな愛情をもたらしてくれるといわれます。


★トルコ石 (Turquoise)

トルコ石は人類が始めて掘り出した宝石で、トルコ石の名前の由来は、中近東(主にぺルシャ)からトルコ経由でヨーロッパに運ばれたことにあると言われています。その際、商人が旅の途中に、この石を持っていたおかげで難を逃れたという数々の伝説から、トルコ石は旅のお守り石として用いられるようになったそうです。旅先の災難から身を守る仕事運をアップする、勇気とやる気をもたらす、成功へ導くといわれています。


以下、おまけです。
以前も掲載しましたが、わたしの愛用品で最もヘビーローテーションなのがこのムーンストーンのリングです。

ジュエリー制作を学び始めたばかりの何の変哲もない、へたくそな作品ですが、このリングをするとなんだか不思議と心が落ち着くのです。朝からイライラしていたり、忙しくなりそうな日は、いつもジュエリーボックスから無意識にこのリングを選びだしています。やはりムーンストーンには気持ちを落ち着かせるパワーがあるのでしょうか。